2019年12月26日(木)



「本日2019年12月26日(木)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. December 26th, 2019), 305 legal disclosure documents have been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2019年12月26日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計305冊でした。

 

 

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計373日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

 

 

 


ユニゾホールディングス株式会社に対する公開買付に関する最近のコメント@↓

2019年9月29日(日)
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/20190929.html

2019年10月3日(木)
http://citizen2.nobody.jp/html/201910/20191003.html

2019年10月7日(月)
http://citizen2.nobody.jp/html/201910/20191007.html

2019年10月16日(水)
http://citizen2.nobody.jp/html/201910/20191016.html

2019年10月18日(金)
http://citizen2.nobody.jp/html/201910/20191018.html

2019年10月22日(火)
http://citizen2.nobody.jp/html/201910/20191022.html

2019年10月25日(金)
http://citizen2.nobody.jp/html/201910/20191025.html

2019年10月26日(土)
http://citizen2.nobody.jp/html/201910/20191026.html
 
2019年10月29日(火)
http://citizen2.nobody.jp/html/201910/20191029.html

2019年10月30日(水)
http://citizen2.nobody.jp/html/201910/20191030.html

 

 


ユニゾホールディングス株式会社に対する公開買付に関する最近のコメントA↓

2019年11月12日(火)
http://citizen2.nobody.jp/html/201911/20191112.html

2019年11月16日(土)
http://citizen2.nobody.jp/html/201911/20191116.html

2019年11月19日(火)
http://citizen2.nobody.jp/html/201911/20191119.html

2019年11月23日(土)
http://citizen2.nobody.jp/html/201911/20191123.html

2019年11月26日(火)
http://citizen2.nobody.jp/html/201911/20191126.html

2019年12月1日(日)
http://citizen2.nobody.jp/html/201912/20191201.html

2019年12月14日(土)
http://citizen2.nobody.jp/html/201912/20191214.html

2019年12月15日(日)
http://citizen2.nobody.jp/html/201912/20191215.html

2019年12月19日(木)
http://citizen2.nobody.jp/html/201912/20191219.html

 

 


ユニゾホールディングス株式会社に対する公開買付に関する最近のコメントB↓

2019年12月23日(月)
http://citizen2.nobody.jp/html/201912/20191223.html

2019年12月24日(火)
http://citizen2.nobody.jp/html/201912/20191224.html

 

 

マネジメント・バイアウト(MBO)や発行者による公開買付に関する過去のコメント↓

2019年9月11日(水)
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/20190911.html

 

 


【コメント】
今日は、ユニゾホールディングス株式会社が"Employee Buyout"(EBO、エンプロイー・バイアウト)を行うという事例について、
3日前の2019年12月23日(月) と一昨日の2019年12月24日(火) のコメントに追記をする形で、一言だけ書きたいと思います。
公開買付者である株式会社チトセア投資が「R1.12.24 09:47」に提出した公開買付届出書には次のような記載事項があります↓。


第1 【公開買付要項】
3 【買付け等の目的】
(6) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
@公開買付契約
「21/47ページ」

A株主間契約
「27/47ページ」



公開買付届出書には、21/47ページから27/47ページに渡り「本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」が記載されており、
21/47ページから26/47ページまでが「公開買付契約」であり、27/47ページが「株主間契約」となっています。
「株主間契約」というのは、公開買付者の株主である株式会社チトセアとLSREF6 UNITED INVESTMENTS S. AR. L.と公開買付者
の3者間の合意内容を記載したものであり、
「公開買付契約」というのは、公開買付者と対象会社であるユニゾホールディングス株式会社との間の契約です。
確かに、公開買付者はユニゾホールディングス株式会社と公開買付の実施と公開買付後の事業運営等に関して
合意を行っているので公開買付届出書に記載をした(公開買付に関して開示をするべき事項だと公開買付者は判断した)、
ということなのだと思いますが、率直に言えば、公開買付者と対象会社との間の合意内容が公開買付届出書に記載されている
というのは、少なくとも一般投資家の立場からするとおかしな印象を持つ(成立が実はもう決まっているのか、と)わけです。
簡単に言えば、公開買付者と対象会社の距離は一般投資家と対象会社の距離よりも近いということなのだろうと感じるわけです。
公開買付届出書に記載するべき「本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」は「株主間契約」のみである、
という考え方に理論上はならないだろうかと私はふと思ったわけです。

 

 



公開買付届出書の雛形(「様式」)を検索してみたのですが、「買付け等の目的」には次のような注意書きがあるだけです。

>自己の株式又は投資口を取得する目的等について具体的に記載すること。 また、買付け等の後、当該上場株券等が
>上場又は店頭登録の廃止となる見込みがある場合には、その旨及び理由について具体的に記載すること。

法令上は、「本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」を記載することも義務というわけではないようです。
上記の注意書きは、次のウェブサイト(e-Gov法令検索)から引用しました↓。

公開買付届出書 - e-Gov法令検索
ttps://elaws.e-gov.go.jp/search/html/406M50000040095_20161001_000000000000000/pict/H06F03401000095-002.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)


また、金融庁のウェブサイト上にある公開買付届出書の「様式」の「記載上の注意」には、次のように注記が書かれています。

>支配権取得又は経営参加を目的とする場合には、支配権取得後の経営方針又は経営参加後の計画について具体的に記載し、
>合併、解散、重要な資産の譲渡、役員の更迭等を予定している場合には、その内容も記載すること。”

確かに、公開買付後の公開買付者による経営方針・経営計画も投資家の投資判断に資するようにも思えますが、理論的には、
公開買付後の公開買付者による経営方針・経営計画は「投資家が享受する投資利益」には無関係ではないかと私は思いました。
公開買付が成立する場合(投資家が応募をする場合)はもはや対象会社の株式の本源的価値は投資家には関係がありませんし、
公開買付が成立しない場合(投資家が応募をしない場合)は対象会社の株式の本源的価値に変動はないからです。
つまり、公開買付が成立しない場合(投資家が応募をしない場合)は投資家の投資利益に中立だからです。
公開買付後の公開買付者による経営方針・経営計画が関係あるのは公開買付者自身だけではないかと私は思うわけです。
仮に公開買付成立後に対象会社には公開買付者以外に一般投資家が株主として残っている状態になったとしても、
その一般投資家も公開買付者と共に株主として同一の利益を享受するというだけのことですから、
会社解散であれ重要な資産の譲渡であれ、投資家の利益が害されるということはないわけです。
改めて考えてみますと、たとえ公開買付成立後に対象会社に公開買付者以外に一般投資家が株主として残る状態になるとしても、
「公開買付が実施される場合に投資家の利益が害されることはない。」という言い方はできるのかもしれないなと思いました。
「公開買付価格>自分が算定する株式の本源的価値」ならば、当然応募をした方がその投資家にとって有利であるわけですし、
「公開買付価格<自分が算定する株式の本源的価値」ならば、投資家は当然応募をしないというだけのことだからです。
公開買付が成立しなかったならば株式の本源的価値が低下する、などということは決してないわけです。
先ほども書きましたように、公開買付に応募をしなかったならば投資家は損をする、ということは理論上は決してないわけです。
話が脱線したというほどのことはありませんが、公開買付届出書の雛形(「様式」)の議論に戻りますと、
公開買付届出書に「本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」を必ず記載しなければならないというわけではない、
というのが法令上の答えであるわけです。
では、公開買付届出書に「本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」を記載してもよいのかどうかについてなのですが、
公開買付はあくまでも公開買付者と対象会社の株主との間の取引であることを鑑みますと、
私個人の見解を書きますと、少なくとも「公開買付契約」は記載するべきではない、と私は考えます。

 

 


極端な言い方をしますと、公開買付者と対象会社との関係は投資家の利益に関係がない、という言い方ができると思います。
確かに、友好的買収の場合は公開買付者と対象会社との間の「公開買付契約」を記載した方が良好な間柄をアピールできる
というメリットも考えられますが、やはり少なくともそれは「投資家が享受する投資利益」とは関係がないわけです。
例えば、「良好な関係だから応募する。険悪な関係だから応募しない。」という判断基準(株主が応募するか否か)もまた、
「投資家が享受する投資利益」とは関係がないわけです(さらに、対象会社の意見表明もまた、判断基準にはなり得ないのです)。
「株主間契約」は、公開買付の成立が既に確定していることを投資家に知らせる効果がありますので、あってもいいと思います。
公開買付成立後の手続きを鑑みれば、株主に応募を促すことは間違ってはいないように私は思います。
ただ、「株主間契約」も「投資家が享受する投資利益」そのものとは関係がない、というのもまた確かですが。
その意味では、公開買付届出書に「株主間契約」は記載するべきではない、という考え方もあると思います。
それから、公開買付に関連して、今日ふと思ったことを一言だけ書きたいと思います。
理論上は(特に1999年10月以前の証券制度では)、上場前からの株主にとって株式上場時に所有株式を売却することは
「会社清算時の残余財産の分配金額」を受け取ることに等しい、という見方になるなと思いました(この点は以前も書きました)。
俗に創業者利潤といいますが、創業者利潤は「株式売却額−会社設立時の出資額」で計算されると一般に言われますが、
理論上は、株式の価格=会社清算時の残余財産の分配金額であることから、
「会社清算時の残余財産の分配金額−会社設立時の出資額」が創業者利潤なのです。
他の言い方をすれば、株式を上場させることによって、
上場前からの株主は株式上場時に会社清算時の残余財産の分配金額を受け取ることができるのです。
そして、1999年10月以前の伝統的な証券制度では上場前からの株主しか公開買付を実施できなかったわけですが、
その場合、実務上は「公開買付価格>株式の価格」という公開買付価格で公開買付を実施することになるわけですが、
このことは「公開買付価格>株式上場時に算定された会社清算時の残余財産の分配金額」となることを意味しているわけです。
すなわち、上場前からの株主は、「株式上場以降、株式上場時と比較して株式の価値が増加した。」
と判断するからこそ公開買付を実施する、という見方ができるなと思いました。
一般に公開買付を実施する目的は経営支配権の獲得(議決権の過半数を取得すること、自分が経営をすること)と言われますが、
実は「会社の清算」に着目すれば、公開買付を実施する目的は何も経営支配権の獲得に限らないわけです。
上場前からの株主は、公開買付を実施した後、特段の経営支配は行わなくても(会社に一切物を言わなくても)、
ただ会社清算時に「残余財産の分配金額」を受け取ることだけをしても投資利益を得られる、
という見方ができるのではないかとふと思いました。
上場前からの株主が経営をするからこそ「会社清算時の残余財産の分配金額」が増加する(経営支配権の獲得にこそ意味がある)、
という見方も確かにあります(仮に何もしないならば、「会社清算時の残余財産の分配金額」は株式上場時に算定された
金額のままであるはずだ、と)が、しかしそれならば、「経営者が変われば『会社清算時の残余財産の分配金額』は増加する。」
という考え方もまたないということになるわけです。
理論上は、株式上場時に算定された「会社清算時の残余財産の分配金額」は、経営者に依らず一定不変のはずです。
ですので、上場前からの株主が公開買付を実施するということは、株式上場時に算定された「会社清算時の残余財産の分配金額」は
正しくなかった(もしくは、正しくないということが実務上はあり得る)、ということを意味しているように私は思います。
特に1999年10月以前の証券制度における公開買付は、「株式の価格を真の『会社清算時の残余財産の分配金額』に近づけること
を意味していた(株式市場における株式の価格の修正を意味していた)。」という見方ができないだろうかとふと思いました。



The "important mutual agreement" stated in a Tender Offer Notification is
a mutual agreement between a Tender Offerer and some of the existing shareholders.
A relationship between a Tender Offerer and some of the existing shareholders affects the success or failure.

公開買付届出書に記載される「重要な合意」は、公開買付者と既存株主の何名かとの間の合意なのです。
公開買付者と既存株主の何名かとの間の関係が成否に影響を及ぼすのです。