2021年9月9日(木)


「本日2021年9月9日(木)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. September 9th, 2021), 178 legal disclosure documents have been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2021年9月9日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計178冊でした。

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計995日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜2020年4月30日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その5(2020年5月1日(金)〜2020年8月31日(月))
http://citizen2.nobody.jp/html/202005/PastLinksWithASummaryOfEachComment5.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その6(2020年9月1日(火)〜2020年12月31日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202009/PastLinksWithASummaryOfEachComment6.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その7(2021年1月1日(金)〜2021年4月30日(金))
http://citizen2.nobody.jp/html/202101/PastLinksWithASummaryOfEachComment7.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その8(2021年5月1日(土)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202105/PastLinksWithASummaryOfEachComment8.html

 

ユニゾホールディングス株式会社の被雇用者が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 


GCA、米フーリハン・ローキーがTOB価格を引き上げ

[東京 9日 ロイター] - M&A(合併・買収)助言会社GCAは9日、
米ブティック型投資銀行フーリハン・ローキーが同社に対して行っている株式公開買い付け(TOB)について、
買い付け価格が当初予定の1株1380円から同1398円に変更されたと発表した。
フーリハンは8月にTOBを表明。買い付け価格は普通株式で1株1380円、期間は8月4日から9月27日までとしていた。
フーリハンは、TOB価格の引き上げについて、GCAが2021年の連結業績予想を上方修正したことを考慮したとしている。
GCAは、2021年12月期の連結業績予想で売上収益予想を21.8%上方修正した。
(ロイター 2021年9月9日3:42 午後)
ttps://jp.reuters.com/article/idJPL4N2QB1UO

 

 

 


GCA株式会社の創業者兼代表取締役の講演会を紹介します↓。

 

より良い社会の実現を目指す、ESGのM&A戦略 逆境を強みにするM&Aと、それを支えるCFOの役割 渡辺 章博(GCA 代表取締役)
(JB Press 2021.3.31)
ttps://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64697

「PDF印刷・出力したファイル(5ページ分の計5つのPDFファイルを結合したファイル)」



>担当していた企業の子会社の財務状況が非常に悪く、本社がミルク補給して黒字にしているケースがありました。
>しかし、これを見た当時の上司が、「これは実態通りの決算書ではない。資本取引に当たるので収益計上はできない」
>と言ったのです。私はこの時、「サブスタンスオーバーフォーム(Substance over form)」という言葉に初めて出会いました。
>つまり会計とは、契約や形式に従って決算書類を作ればいいのではなく、
>できあがった決算書が経営の実態を反映していないと意味がない、ということです。私はこれが本当にショックでした。
>それ以来、自分が上場企業の経営者の立場になった今も、サブスタンスオーバーフォームを意識して取り組んでいます。

 

 



2021年9月8日(水)日本経済新聞 公告
公開買付開始公告の訂正の公告についてのお知らせ
Houlihan Lokey, Inc.
(記事)




R3.09.06
フーリハン・ローキー・インク  
公開買付開始公告の訂正の公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)



R3.09.09
フーリハン・ローキー・インク
公開買付条件等の変更の公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)



R3.09.06 16:10
フーリハン・ローキー・インク
訂正公開買付届出書 対象: GCA株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.09.09 16:12
フーリハン・ローキー・インク
訂正公開買付届出書 対象: GCA株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.09.09 16:20
GCA株式会社
訂正意見表明報告書 対象: フーリハン・ローキー・インク  
(EDINET上と同じPDFファイル)

 


 


R3.09.03 16:45
野村證券株式会社
変更報告書(特例対象株券等) 発行: GCA株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)




R3.09.06 10:11
三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
変更報告書(特例対象株券等) 発行: GCA株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)




R3.09.08 15:03
渡辺 章博
変更報告書 発行: GCA株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 


2021年9月9日
GCA株式会社
業績予想の上方修正に関するお知らせ
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/2174/tdnet/2023142/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年9月9日
GCA株式会社
Houlihan Lokey, Inc.によるGCA株式会社(証券コード:2174)の株券等に対する
公開買付けの買付条件等の変更に関するお知らせ
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/2174/tdnet/2023140/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)





2021年9月9日
GCA株式会社
(変更)「Houlihan Lokey, Inc.による当社株式等に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」
の一部変更に関するお知らせ
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/2174/tdnet/2023145/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)

 

 


米国の独立系投資銀行であるHoulihan Lokey, Inc.が日本のM&A助言会社であるGCA株式会社を公開買付とその後の取得手続き
を通じて完全子会社化するという事例についての過去のコメント↓。

2021年8月4日(水)
http://citizen2.nobody.jp/html/202108/20210804.html

2021年8月5日(木)
http://citizen2.nobody.jp/html/202108/20210805.html

2021年8月6日(金)
http://citizen2.nobody.jp/html/202108/20210806.html

2021年8月7日(土)
http://citizen2.nobody.jp/html/202108/20210807.html

2021年8月8日(日)
http://citizen2.nobody.jp/html/202108/20210808.html

2021年8月9日(月)
http://citizen2.nobody.jp/html/202108/20210809.html

2021年8月10日(火)
http://citizen2.nobody.jp/html/202108/20210810.html

2021年8月29日(日)
http://citizen2.nobody.jp/html/202108/20210829.html

 

 



【コメント】
米国の独立系投資銀行であるHoulihan Lokey, Inc.が日本のM&A助言会社であるGCA株式会社を公開買付とその後の取得手続き
を通じて完全子会社化するという事例について、いくつかの動きがありましたので、一言だけコメントを書きたいと思います。
本日2021年9月9日(木)、公開買付者であるHoulihan Lokey, Inc.は公開買付価格を1株1,380円から1,398円へ引き上げました
(新株予約権の公開買付価格も普通株式に比例してその目的となる対象会社株式の数を乗じた金額に引き上げられました)。
Houlihan Lokey, Inc.が公開買付価格を引き上げることにした根拠は対象会社による「業績予想の上方修正」とのことです。
公開買付に至る過程の当初から公開買付価格は公開買付者と対象会社が十分に協議を行った上で決定していたようなのですが、
8月に入り対象会社がそれまで予想をしていた以上に事業が順調に進捗していることから、対象会社は2021年9月1日に
業績予想の上方修正可能性を公開買付者に説明するとともに、公開買付の公表時点(2021年8月3日)で前提としていた
業績予想からは業績が上振れすることを加味して株式の本源的価値の増加分を公開買付価格に反映するべきである旨
公開買付者に提案をした(そして公開買付者は本日2021年9月9日(木)にその提案を受諾した)とのことです。
公開買付価格を引き上げれば引き上げるほど公開買付者が背負う財務上の負担は大きくなるわけなのですが、
友好的な買収である旨アピールしたいという考えもあるのかもしれませんが、対象会社の既存株主は直近の業績の上振れを
享受するべきであるという共通認識を業績予想数値見込みの精査を踏まえた結果公開買付者は持つに至ったとのことです。
株式市場の投資家は確定した情報に加え会社の「業績予想の修正」をも株式の本源的価値の算定に織り込みます
(つまり、「業績予想の修正」の発表の都度(そのたびに)株式市場の投資家は株式の本源的価値を再計算します)ので、
対象会社が「業績予想の上方修正」を行ったのを受けて公開買付者が公開買付価格を引き上げるのはある意味自然なことでしょう。
公開買付の開始時点では、公開買付者もその後対象会社が「業績予想の修正」を発表することは知らないわけですから。
公開買付の開始に先立ち公開買付者が対象会社に対しデュー・ディリジェンスを行うという場合は、公開買付の開始後に
対象会社が「業績予想の修正」を行うことが公開買付者には予見できる、という場合も実務上はあるかもしれませんが。
ただ、その場合、開始時点の公開買付価格は「業績予想の修正」を既に織り込んだ価格です、とは言いづらいかもしれませんが。
このたびの事例では、公開買付者は対象会社が「業績予想の修正」を行うことは開始時点では知らなかったのでしょう。
「公開買付者は株式市場の投資家と同一の情報に基づいて公開買付価格を設定する。」という考え方を踏まれば、
対象会社が「業績予想の修正」を行ったのに伴い公開買付者が公開買付価格を変更するのは理に適うと言えるわけです。
このたびの事例に即して言えば、対象会社が「業績予想の上方修正」を行ったのを受けて、
株式市場の投資家は「より高い公開買付価格でなければ私は所有株式を売却しない。」という投資判断を行うからです。
公開買付の開始時点から公開買付期間中の「業績予想の上方修正」による株式の本源的価値の増加分を補って余りあるほど
高い公開買付価格が設定されていたというのなら話は別ですが、
通常は「業績予想の修正」の発表は「株式市場の投資家が応募をしてもよいと考える公開買付価格」の変更を意味します。
株式の本源的価値を算定するのは、そして、設定されている公開買付価格で公開買付に応募をするか否かを決定するのは、
あくまで株式市場の投資家なのです。
それから、今日はGCA株式会社の創業者兼代表取締役による講演会の内容を上の方に紹介しています。
この中に「サブスタンスオーバーフォーム(Substance over form)」という言葉が紹介されています。
英文会計用語辞典によりますと、"substance over form"は「実質主義」と訳され、次のような解説が書かれています。

>形式よりも実質を優先するという会計・税務における一般的な原則であり、IFRSsにおける原則の1つでもある

「財務諸表は経営の実態を反映していなければならない。」という考え方からこのような原則に重点が置かれているのでしょう。
その考え方自体はもちろん正しいわけですが、会計処理に際しては会計基準に準拠することを決して忘れてはならないわけです。
仮に「実体」を既存の会計基準では表現できないならば、表現できるような新しい会計基準を制定しなければならないのです。

"Financial statements must be subordinated to accounting standards in order for a "substance" to be submerged in them."
(「実体」がその中に浸透するように、財務諸表というのは会計基準に従属していなければならないのです。)


 


Every time a listed company discloses an "estimated value of financial results" and an "amendment to
an estimated value of financial results," investors in a stock market reckon those pieces of information
in their calculations namely they re-calculate an intrinsic value of a share.

上場会社が「業績予想」と「業績予想の修正」を開示するたびに、
株式市場の投資家はそれらの情報を勘定に織り込むのです、すなわち、株式の本源的価値を再計算するのです。


A countermeasure against a problem of how to embody a "form" and to reveal a "substance" is,
contrary to what you might think, exactly each and every prescription of accounting standards, actually.
This word is of my own coining, but an "on-site-based accounting" is not able to prevent a misinterpretation.
Concerning a case of a "dairy farmer" introduced above, it is not a flexible accounting treatment on site but
the "accounting standard on consolidated financial statements" itself (i.e. a word-for-word accounting treatment)
that is able to accomplish a concept "substance over form."
The 1st reason for it is that, in an "on-site-based accounting," there exist accounting treatments
as many as people who make an accounting treatment.
The 2nd reason for it is that users of financial statements have no choice but to refer to
accounting standards (i.e. They are not able to know an on-site judgement itself on a transaction.).
A cause for financial statements not to be able to describe a "substance" lies
not in a rigid accounting treatment but in a lack of an appropriate accounting standard.
If a presentation of a result of a transaction between a parent company and a subsidiary company is misleading,
then an accounting standard on consolidated financial statements must newly be established.
An accounting treatment which is not in accordance with an accounting standard is called an "imaginative accounting."
Financial statements on a basis of an "imaginative accounting" amount to "imaginary financial statements."
In a field of an accounting, a "form" is exactly overcomes a "substance."

いかにして「形式」を具現化しそしていかにして「実体」を明らかにするべきかという問題に対する対応策は、
意外に思うかもしれませんが、実はまさに会計基準の1つ1つの規定なのです。
これは私の造語なのですが、「現場主義会計」では誤った解釈を防ぐことはできません。
上に紹介している「酪農業者」の事例に関して言えば、
「サブスタンスオーバーフォーム」という概念を達成することができるのは、現場における柔軟な会計処理ではなく、
「連結財務諸表に関する会計基準」それ自体(すなわち、逐語的な会計処理)なのです。
その第一の理由は、「現場主義会計」では会計処理方法は会計処理を行う人の数だけあるからです。
その第二の理由は、財務諸表利用者は会計基準を参照せざるを得ない
(すなわち、財務諸表利用者は取引に関する現場での判断そのものを知ることはできない)からです。
財務諸表が「実体」を描写し切れていない原因は、硬直的な会計処理にあるのではなく、適切な会計基準がないことにあるのです。
仮に親会社と子会社との間の取引の結果の表示が誤解を招くというのなら、
連結財務諸表に関する会計基準を新たに制定しなければならないのです。
会計基準に準拠しない会計処理を「想像的会計」と呼ぶのです。
「想像的会計」に基づいた財務諸表というのは、「架空の財務諸表」に等しいのです。
会計の分野では、「形式」こそが「実体」を克服するのです。