2021年8月21日(土)


「本日2021年8月21日(土)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. August 21st, 2021), 0 legal disclosure document has been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2021年8月21日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計0冊でした。

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計976日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜2020年4月30日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その5(2020年5月1日(金)〜2020年8月31日(月))
http://citizen2.nobody.jp/html/202005/PastLinksWithASummaryOfEachComment5.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その6(2020年9月1日(火)〜2020年12月31日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202009/PastLinksWithASummaryOfEachComment6.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その7(2021年1月1日(金)〜2021年4月30日(金))
http://citizen2.nobody.jp/html/202101/PastLinksWithASummaryOfEachComment7.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その8(2021年5月1日(土)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202105/PastLinksWithASummaryOfEachComment8.html

 

ユニゾホールディングス株式会社の被雇用者が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 


2021年8月14日(土)日本経済新聞 公告
公開買付条件等の変更の公告についてのお知らせ
アスリード・ストラテジック・バリュー・ファンド
アスリード・グロース・インパクト・ファンド
(記事)


R3.08.11
Aslead Strategic Value Fund
公開買付条件等の変更の公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)


R3.08.11 13:36
Aslead Strategic Value Fund
訂正公開買付届出書 対象: 富士興産株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)


R3.08.13 16:30
富士興産株式会社
訂正意見表明報告書 対象: Aslead Strategic Value Fund
(EDINET上と同じPDFファイル)


R3.08.13 09:20
富士興産株式会社
四半期報告書−第92期第1四半期(令和3年4月1日−令和3年6月30日)
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 



2021年8月10日
富士興産株式会社
新株予約権無償割当て差止めの仮処分の申立て却下に対する株主からの即時抗告の申立て結果(棄却決定)に関するお知らせ
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/5009/tdnet/2013794/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年8月11日
富士興産株式会社
アスリード・ストラテジック・バリュー・ファンド等による当社株式に対する公開買付けの買付条件等の変更に関するお知らせ
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/5009/tdnet/2014278/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)





「富士興産株式会社の株価の公開買付の開始日(2021年4月28日)以降の値動き」



シンガポールを拠点とする投資ファンドであるアスリード・キャピタルが燃料油やアスファルトを手掛ける富士興産株式会社
を完全子会社化することを目的に公開買付を実施するという事例についての過去のコメント↓。

2021年5月5日(水)
http://citizen2.nobody.jp/html/202105/20210505.html

2021年6月12日(土)
http://citizen2.nobody.jp/html/202106/20210612.html

2021年7月5日(月)
http://citizen2.nobody.jp/html/202107/20210705.html

2021年7月20日(火)
http://citizen2.nobody.jp/html/202107/20210720.html

2021年8月9日(月)
http://citizen2.nobody.jp/html/202108/20210809.html

 

 



【コメント】
シンガポールを拠点とする投資ファンドであるアスリード・キャピタルが燃料油やアスファルトを手掛ける
富士興産株式会社を完全子会社化することを目的に公開買付を実施するという事例について、
紹介している記事と法定開示書類とプレスリリースを題材にして、一言だけ書きたいと思います。
2021年8月11日(水)に公開買付者は公開買付期間を延長しました、
公開買付期間は2021年8月25日(水曜日)まで(79営業日)に延長されました。
公開買付者が公開買付期間を延長した理由は、2021年8月10日付けで東京高等裁判所が新株予約権無償割当て差止めの申立て
を棄却する旨の決定を行ったからであるとのことです。
アスリード・キャピタル(公開買付者)が実施している富士興産株式会社株式に対する公開買付に関しては、
6月下旬の時点で既に公開買付者は公開買付を撤回する予定だという観測も一部にはあったわけです。
新株予約権無償割当て差止めの申立てに関しては、東京地方裁判所でも負け今回東京高等裁判所でも負けた、という状態です。
東京高等裁判所が新株予約権無償割当て差止めの申立てを棄却する旨の決定を行った翌日に公開買付期間を延長する
となりますと、公開買付者としては現時点では公開買付を撤回するつもりはないということなのかもしれません。
公開買付の撤回の可能性に関しては、例えば富士興産株式会社が2021年8月10日に発表したプレスリリース「新株予約権
無償割当て差止めの仮処分の申立て却下に対する株主からの即時抗告の申立て結果(棄却決定)に関するお知らせ」には、
「2.今後の方針及び見通し」として次のように書かれています(1/1ページ)。

>アスリードより、本決定に対して特別抗告等が行われる可能性があります。

富士興産株式会社としては、「公開買付者は公開買付を撤回することなく今後も公開買付期間を延長するだろう。」
と考えているのだと思います。
そして、興味深いことに、プレスリリースには続けて次のように書かれています。

>今後とも、当社から開示される情報に十分ご留意いただきますよう、お願い申し上げます。

富士興産株式会社は目下公開買付者に対して徹底抗戦をしている最中だからこそ投資家にこのような注意喚起(要望)を行った
とも考えられるわけですが、見方を変えれば、「富士興産株式会社は自社のことを投資家に知ってもらいたいと考えている。」
という見方ができるわけです。
というのは、結局のところこれはディスクロージャーと関係があることだと私は思うわけです。
私は昨日のコメントで、次のように書きました。

>殊に現行の証券制度においては、「会社に支配株主がいるか否かは『ディスクロージャー』(情報開示)で決まる。」

端的に言えば、会社側もディスクロージャーを一種のコミュニケーションの手段と考えているのだと思います。
証券制度上、投資家が会社のことを知る手段はディスクロージャーしかないわけですが、
同時に会社が投資家とコミュニケーションを取る手段もまたディスクロージャーしかない、という言い方ができると思います。


 


それから、富士興産株式会社が「R3.08.13 16:30」に提出した訂正意見表明報告書には、
公開買付者に対する警戒心がやや和らいだということなのだろうかと読み取ることができる記載がありますので紹介します↓。

6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
(訂正前)
(訂正後)
(3/3ページ)

「引き続き全面的に争っていく所存であります。」から「全面的に争って参りましたが、東京高等裁判所は2021年8月10日に
公開買付者の申立てを棄却する旨の決定を下しました。」に文脈が変わっています。
訂正意見表明報告書にはこの変更点以外に公開買付に対する見通しに関する記載はないのですが、
地方裁判所と高等裁判所が同一の決定を行った場合は最高裁判所でその決定が覆ることはないことが一般的だからなのか、
富士興産株式会社としてはこの公開買付は事実上もう終わったようなものだと考えているのかもしれないなと私は思いました。
それから、富士興産株式会社が「R3.08.13 09:20」に提出した四半期報告書には、
【経営上の重要な契約等】については「当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等は
ありません。」と記載されています(5/20ページ)し、また、
「重要な後発事象」については「該当事項はありません。」と記載されています(17/20ページ)。
しかし、件の公開買付が開始されたのは2021年4月28日であったわけですから、
投資家の投資判断に影響を及ぼす第1四半期中に発生した出来事として何らかの記載をするべきだと私は考えます。
確かに会社は公開買付者自身とは何らの契約も締結していないわけですが、会社は経営権を巡って公開買付者と交渉をしたり
株式市場の投資家に働きかけを行っているわけですから、会社の支配に関する事柄をやはり記載するべきだと私は考えます。


Generally speaking, listed companies themselves also presuppose that investors in a stock market
get to know a fact through a disclosure.
At the same time, concerning a disclosure which is disclosed on the EDINET,
a listed company doesn't have to disclose any more, I suppose.
A reason for it is that investors in a stock market should check the EDINET first of all
because the EDINET is the very center of a disclosure on the securities system.
To put it simply, concerning a disclosure, the EDINET is primary and places other than the EDINET are secondary.

一般的なことを言えば、上場会社自身もまた株式市場の投資家はディスクロージャーを通じて事実を知るようになる
ということを前提としているのです。
と同時に、EDINETで開示をしたディスクロージャーに関しては上場会社はそれ以上は開示をする必要はない、と私は思います。
その理由は、証券制度上EDINETはディスクロージャーのまさに中心地なので
株式市場の投資家はまず第一にEDINETをチャックするはずだからです。
簡単に言えば、ディスクロージャーに関しては、EDINETが第一の場所でありEDINET以外の場所は副次的・補助的な場所なのです。

A judicial decision of this time seems to assist Fuji Kosan Co., Ltd. in relation to a tender offer in question.
That is to say, Fuji Kosan Co., Ltd. regards that the tender offer has substantially come to an end.

件の公開買付に関連して、このたびの判決が富士興産株式会社を後援しているように思えます。
すなわち、富士興産株式会社は公開買付は事実上終了したと見なしているのです。