2021年7月10日(土)


「本日2021年7月10日(土)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. July 10th, 2021), 0 legal disclosure document has been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2021年7月10日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計0冊でした。

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計934日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜2020年4月30日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その5(2020年5月1日(金)〜2020年8月31日(月))
http://citizen2.nobody.jp/html/202005/PastLinksWithASummaryOfEachComment5.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その6(2020年9月1日(火)〜2020年12月31日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202009/PastLinksWithASummaryOfEachComment6.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その7(2021年1月1日(金)〜2021年4月30日(金))
http://citizen2.nobody.jp/html/202101/PastLinksWithASummaryOfEachComment7.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その8(2021年5月1日(土)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202105/PastLinksWithASummaryOfEachComment8.html

 

ユニゾホールディングス株式会社の被雇用者が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 


2021年6月13日(日)日本経済新聞
■コロナ後にらむ株主総会本格化 還元要求、再び強まる
(記事)




2021年6月15日(火)日本経済新聞
株主総会2021
ピークの29日 開催集中率27%で最低
(記事)




2021年6月30日(水)日本経済新聞
開催ピーク628社 業績回復策問う声 「コロナ後」「環境対応」焦点
(記事)




2021年6月21日(月)日本経済新聞
天馬、ファンド提案に異例の賛成 監査等委 骨抜きの懸念
(記事)

 



定時株主総会終結直後の記事↓。

 

異例の株主提案可決で監視役交代 「お家騒動」の天馬

 プラスチック製品メーカーの天馬(東証1部上場)が29日に東京都内で開いた定時株主総会で、
海外の投資ファンドが提出した株主提案が可決され、取締役会のチェック役である監査等委員が交代した。
今月ピークを迎えた株主総会では、日本でも存在感を増している「物言う株主」からの提案が相次いでいるが、
可決されるのは異例だ。
 可決されたのは、大株主である米投資ファンドのダルトン・インベストメンツグループと、
香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントが出した取締役の選任議案。
取締役会の監督にあたる「監査等委員」に就いている社外取締役の交代を求めていた。
 取締役の選任をめぐっては、ファンド以外にも取締役会、当事者の社外取締役でつくる監査等委員会、
創業家から計4本の議案が出ていた。29日の総会では、ファンドと取締役会の2本が賛成多数で可決され、
監査等委員が自らの再任を求めた議案などは否決された。
監査等委員の社外取締役2人の退任と、広野裕彦社長の続投が決まった。
 昨年春、ベトナムにある天馬の子会社が追徴税をまぬがれようと、現地当局の公務員に2500万円相当の現金を渡していた
疑惑が発覚。監査等委員会は昨年12月、当時の取締役に損害賠償を求めて東京地裁に提訴していた。
 監査等委員会は、社外取締役が中心になり、独立した委員会として取締役会をチェックする役割を持つ。
天馬では、ベトナムでの贈賄疑惑の責任追及をめぐって、監査等委員会と他の取締役が対立。創業家も分裂して、
それぞれの陣営に分かれて争う「お家騒動」に発展していた。監査等委員の交代を求める大株主であるファンドの提案は、
その他の取締役にとっては「渡りに船」だった。
 一方、天馬と同じ監査等委員会設置会社に移行する上場企業は増えている。今回、監査等委員の社外取締役が意に反して
交代を余儀なくされたことで、経営陣と対立してでもチェック機能を果たせるのか制度上の課題が残った。
 三井住友信託銀行によると、今年6月の総会では株主提案は48社で出ている。51社だった昨年に続いて高水準になっている。
29日現在、可決されたのは天馬の1社にとどまる模様だ。
 1949年に創業した天馬は、家庭用収納ケース「Fits」やプリンターなどプラスチック製品の成形加工を手がけている。
今年3月末のグループの従業員は約7500人。
(朝日新聞 2021年6月29日 15時30分)
ttps://www.asahi.com/articles/ASP6Y53HGP6YULZU007.html


「ファンドによる株主提案が可決された天馬の株主総会=東京都北区」


 




創業家内紛、個人株主が蜂起…異例の株主提案可決は問う

 当事者の意に反し、株主が求めた取締役交代が可決される異例の事態が、6月にピークを迎えた今年の株主総会で
繰り広げられました。創業家の内紛が背景にあったり、個人株主の「実力行使」に他の株主が同調したり――。
二つの攻防から、「会社はだれのものなのか」を考えます。
 質問に立った株主の男性が、壇上の役員に呼びかけた。「会社は創業家のものじゃないですよね」。6月29日、
プラスチック製品メーカーの天馬が都内で開いた定時株主総会。総会の議長を務めた広野裕彦社長(51)は答えた。
「会社をつくった創業家はリスペクトするが、忖度(そんたく)はしません」
 天馬の株主にとって、「創業家」は最大の関心事だ。家庭用の収納ケース「Fits」で知られる天馬は1949年、
4兄弟が創業した。家電や自動車のプラスチック部品なども手がける。長男・次男・四男が社長をつとめた創業家は、
上場後も大株主として影響力を持った。
 ベトナムにある天馬の子会社が税金の追徴をまぬがれようと、現地の公務員に現金を渡していた――。
昨年春、外部の弁護士らによる第三者委員会が明らかにした。
 報告書は、重要な事項は創業家が話し合って決めるのが当然という雰囲気が社内にあり、
「取締役らに経営の最高意思決定者である自覚が欠けていた」と指摘。
当時の役員が、贈賄疑惑を「監査等委員」に知らせずに処理しようとしたことも問題視された。
 天馬は、社外取締役を中心にした監査等委員が独立した委員会をつくり、
取締役会をチェックする監査等委員会設置会社だ。
 社外取締役で委員の一人だった北野治郎氏(65)は、出身である日立製作所のグループ会社で管理部門を中心に歩んだ。
その経験を他社で役立てようと2年前、人材会社の紹介で天馬に来た。
北野氏には、贈賄疑惑は「許せない法令違反」と映った。
 監査等委員会は当時の取締役に損害賠償を求めて、昨年12月に提訴した。
役員の責任追及に慎重とされた広野社長ら他の5人の取締役たちと、亀裂を深めていった。・・・
(朝日新聞 2021年7月10日 17時00分)
ttps://www.asahi.com/articles/ASP777FH7P77ULFA02G.html

 

 


R3.06.30 17:13
天馬株式会社
臨時報告書 臨報提出事由:第19条第2項第9号の2
(EDINET上と同じPDFファイル)




R3.06.30 15:57
天馬株式会社
有価証券報告書−第73期(令和2年4月1日−令和3年3月31日)
(EDINET上と同じPDFファイル)




R3.07.06 15:21
株式会社ツカサ・エンタープライズ
変更報告書 発行: 天馬株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 



2021年6月4日
天馬株式会社
第73回定時株主総会招集ご通知
ttps://www.tenmacorp.co.jp/ir/pdf/20210604.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年6月11日
天馬株式会社
Notice of the 73rd Ordinary General Meeting of Shareholders
ttps://www.tenmacorp.co.jp/ir/pdf/20210611.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年6月15日
天馬株式会社
議決権行使助言会社ISS社による当社第73回定時株主総会議案に対する賛否推奨レポートについて
ttps://www.tenmacorp.co.jp/ir/pdf/20210616.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年6月16日
天馬株式会社
当社監査等委員に関する一部報道について
ttps://www.tenmacorp.co.jp/ir/pdf/202106161.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年6月18日
天馬株式会社
議決権行使助言会社グラスルイス社による当社第73回定時株主総会議案に対する賛否推奨レポートについて
ttps://www.tenmacorp.co.jp/ir/pdf/20210621.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)


 


2021年6月21日
天馬株式会社
「第73回定時株主総会招集ご通知」の一部修正について
ttps://www.tenmacorp.co.jp/ir/pdf/20210622.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年6月22日
天馬株式会社
当社株主様に送付された「議決権行使のお願い」と題する書面について
ttps://www.tenmacorp.co.jp/dl/?no=1715

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年6月29日
天馬株式会社
第73回定時株主総会決議ご通知
ttps://www.tenmacorp.co.jp/ir/pdf/202107052.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年6月29日
天馬株式会社
第73期事業報告書
ttps://www.tenmacorp.co.jp/ir/pdf/2021070533.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年6月11日
天馬株式会社
当社部署長らからの「宣誓書」受領に関するお知らせ
ttps://e156f611-1965-4fe0-89aa-ad618c71e08c.filesusr.com/ugd/8b9eb4_b004d9ad29804ca795549e874ddab9e7.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)

 

 



天馬株式会社に関する過去のコメント↓。

2021年5月16日(日)
http://citizen2.nobody.jp/html/202105/20210516.html

2021年5月24日(月)
http://citizen2.nobody.jp/html/202105/20210524.html

2021年5月29日(土)
http://citizen2.nobody.jp/html/202105/20210529.html

 

 

 



【コメント】
今年の上場企業の定時株主総会に関する記事を計3本と天馬株式会社に関する記事を計3本紹介し、
そして、関連する法定開示書類とプレスリリースを紹介しています。
天馬株式会社が2021年6月29日に開催した定時株主総会を主な題材にして、一言だけコメントを書きたいと思います。
天馬株式会社が2021年6月29日に開催した定時株主総会は、紹介している2021年6月21日(月)付けの日本経済新聞の記事の
言葉を引用するならば、「ガバナンス(企業統治)の観点で想定されないこと」が取締役会のお目付け役である監査等委員
の選任を巡って起こった、ということになります。
事の発端は、取締役達が提案した監査等委員の選任議案です。
海外の投資ファンドが監査等委員の候補者3名を選任するように株主提案を行ったのですが、
実はこの候補者達は元々取締役達が提案した候補者と同じ人物達だった、という背景があるようです。
既存の監査等委員から人事案について同意を得られないことから、
取締役提案の議案が株主提案の議案として俎上にのぼってきた、ということになります。
端的に言えば、取締役達が外部株主と組んで意に沿わない監査等委員を排除しようとしたのではないか、
という疑いが生じているわけです。
「会社法の趣旨が骨抜きになりかねない」事態が発生していたわけなのですが、この点について記事を引用したいと思います。

>会社法344上の2は、監査等委員会設置会社は「取締役は、監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に
>提出するには、監査等委員会の同意を得なければならない」とする。
>取締役会をチェックする監査等委員会の独立性を保つための規定だ。
>ただ、株主提案にはこうした決まりがない。

結論を一言で言えば、「天馬株式会社の定時株主総会では、ファンドによる株主提案が可決された。」となります。
この結果、取締役会のチェック役である監査等委員が交代した、ということになります。
取締役達の思惑通りであったかどうか、そして、取締役達は投資ファンドと結託していたのかどうかまでは分かりませんが。
この論点については、実は私自身が、10年まではないと思いますが7年前後前に指摘をしていたように思います。
「監査等委員会から同意を得られない場合は、会社提案議案ではなく株主総会議案という形を取ればいいのではないか?」
という趣旨のことを新聞記事を題材にして書いたように思います。
その時の懸念が今現実のものとなった、ということなのだろうかと私は今思っているところです。
取締役自身が株主ということもあるでしょうし、また、従業員(被雇用者)の中に株主がいるということもあるでしょうし、
さらには、株主名簿や大量保有報告書を見れば協力を願えそうな株主が会社にはいるということもあるでしょう。
会社提案議案を株主総会議案に"transform"する(変換する)ことは現実に比較的容易であろうと私は考えます。
天馬(てんば)は空をかける(翔ける)かもしれませんが、「株主が提案した」という隠れ蓑によって
「糖衣をかける」("sugarcoat")という言葉のごとく、まさに取締役にとって不都合なことを隠すことができるわけです。
事の問題点は始めから明らかだったとも言えますが、会社法の改正はケーキに糖衣をつけるように柔軟にはできないのでしょう。
法律というのは、現状・現実に適合した("fit")規定でなければならないと改めて思いました。

Quite contrary to a proposal proposed by a board of directors (i.e. prepared by directors),
a proposal proposed by a shareholder passes through an agreement by an audit committee.
And, a prescription of a law must fit a present state and a reality.

取締役会が提案する(すなわち、取締役達が作成する)議案とは正反対に、
株主が提案する議案は監査委員会の同意をパススルーするのです。
そして、法律の規定は現状・現実に適合していなければならないのです。