2021年8月26日(木)


「本日2021年8月26日(木)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. August 26th, 2021), 178 legal disclosure documents have been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2021年8月26日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計178冊でした。

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計981日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜2020年4月30日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その5(2020年5月1日(金)〜2020年8月31日(月))
http://citizen2.nobody.jp/html/202005/PastLinksWithASummaryOfEachComment5.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その6(2020年9月1日(火)〜2020年12月31日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202009/PastLinksWithASummaryOfEachComment6.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その7(2021年1月1日(金)〜2021年4月30日(金))
http://citizen2.nobody.jp/html/202101/PastLinksWithASummaryOfEachComment7.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その8(2021年5月1日(土)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202105/PastLinksWithASummaryOfEachComment8.html

 

ユニゾホールディングス株式会社の被雇用者が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 



オンリー<3376>、MBOで株式を非公開化

オンリーは18日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。同社創業者で筆頭株主の中西浩一取締役相談役ら
が新設した紳士服中西(京都市)がTOB(株主公開買い付け)を実施し、全株式の取得を目指す。買付代金は最大36億9679万円。
オンリーはMBOに賛同している。主力の紳士用・婦人用スーツはビジネスウエアのカジュアル化で需要が減っていたうえ、
コロナ禍によるテレワーク導入などで市場がさらに縮小。中長期的な観点から経営改革を進めるには非公開化が必要だと判断した。
オンリー株の買付価格は1株につき765円で、TOB公表前日の終値549円に39.34%のプレミアムを加えた。
買付期間は8月19日〜10月1日。買付予定数は483万2418株。買付予定数の下限は所有割合67.69%にあたる327万1160株。
30%余りの株式を持つ中西浩一氏をはじめ創業家が保有株式34.64%についてTOBに応募する。
決済の開始日は10月8日。公開買付代理人は三菱UFJモルガン・スタンレー証券(復代理人はauカブコム証券)。
オンリーは1970年に前身のオーダースーツ専門店「紳士服中西」として中西浩一氏が創業。
2005年にジャスダックに上場し、東証2部を経て2016年8月から東証1部に昇格。
スーツやシャツなどを取り扱い、「ONLY PREMIO」「ONLY」などのブランドを展開する。
都心部路面店、商業施設内への出店を中心に59店舗を持つ。
(M&A Online 2021/08/18)
ttps://maonline.jp/news/20210818a

 


「株式会社オンリーのウェブサイトのトップページのキャプチャー画像」

 

 

 


紳士服のオンリーがMBOで株式非公開化へ 事業改革に伴う業績悪化のリスク回避のため

紳士服のオンリーが、マネジメント・バイアウト(MBO)で株式の非公開化を目指すと8月18日に発表した。
同社取締役相談役の中西浩一氏と長男の浩之氏が今年7月に新設した紳士服中西が、普通株式1株を765円で買い付ける。
買付予定数は483万2418株(下限327万1160株、上限設定なし)で、買付期間は8月19日から10月1日まで。
TOB成立後、オンリーは上場廃止となる。
オンリーは、創業者の中西浩一氏がオーダースーツ専門店「紳士服中西」を開業後、1976年6月に法人化。
スーツブランド「オンリー(ONLY)」などを運営している。
2005年7月に大阪証券取引所ヘラクレス(現ジャスダック)へ上場し、2015年5月に東京証券取引所市場第2部、
2016年8月には同市場第1部に市場変更した。
近年のスーツ需要の減少に加えて、長期化する新型コロナウイルス感染拡大の影響などを理由に、
オンリーの業績は大きく落ち込んでいる。同日には2021年8月期通期連結業績予想を、売上高で前回予想から3億円引き下げ、
47億円に下方修正した。前回予想では1000万円の黒字と発表していた営業損益は2億2000万円の赤字に転落する見通し。
同社は中長期的な経営戦略として、事業環境の変化に対応した衣料品関連事業の強化に加え、不動産投資の拡大、
飲食事業といった新規分野進出およびデジタルトランスフォーメーションへの投資の検討などを進めていく方針。
これらの施策が短期的に財務状況や業績の悪化をもたらすリスクがあるとして、株式の非公開化を決めたという。
なお、中西浩一氏は株式の非公開化以降もオンリーの経営を継続する。
■オンリー 2021年8月期通期業績予想(今回修正予想)
売上高:47億円(前期は53億4800万円)
営業損失:2億2000万円(前期は営業利益3000万円)
当期純損失:2000万円(前期は純利益1億100万円)
(Fashionsnap.com 2021年08月18日 18:22 JST)
ttps://www.fashionsnap.com/article/2021-08-18/only-mbo/

 

 


2021年8月19日(木)日本経済新聞
紳士服オンリー 株式非公開化へ MBOで
(記事)



2021年8月19日(木)日本経済新聞 公告
公開買付開始公告についてのお知らせ
株式会社紳士服中西
(記事)



R3.08.19
株式会社紳士服中西
公開買付開始公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)



R3.08.19 10:15
株式会社紳士服中西
公開買付届出書 対象: 株式会社オンリー
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.08.19 10:37
株式会社オンリー
意見表明報告書 対象: 株式会社紳士服中西
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.08.20 11:48
中西 浩一
変更報告書 発行: 株式会社オンリー
(EDINET上と同じPDFファイル)



 


【コメント】
紹介している記事と法定開示書類とプレスリリースを題材にして、一言だけコメントを書きたいと思います。
オーダースーツ専門店を営む株式会社オンリーがマネジメント・バイアウトを実施するとのことです。
主体となってマネジメント・バイアウトを実施するのは株式会社オンリーの創業者(現在は取締役相談役)であり、
また、法律上の公開買付者は創業者が株式取得のために新規に設立した特別目的会社である株式会社紳士服中西です。
そして、株式会社紳士服中西には、創業者の長男(現在は株式会社オンリーの従業員(役員ではない)とのことです)も
無議決権株式の株主として出資をしています(株式会社紳士服中西の議決権を有しているのは創業者だけとのことです)。
株式会社オンリーに対する議決権所有割合は、創業者は30.42%であり創業者の長男は1.32%とのことです。
そして、株式会社オンリーの現在の代表取締役社長は創業者の長男ではないとのことです。
創業者はマネジメント・バイアウト完了後も継続して株式会社オンリーの経営にあたることを予定しているとのことですが、
先ほども書きましたように、現在創業者は株式会社オンリーの取締役相談役の地位にあります。
法的地位が取締役である以上、会社法上は現在でも創業者は会社の業務を執行する地位にあるわけですが、
わざわざ「相談役」という肩書きを名乗るくらいですから、現実には創業者は会社の業務は執行していないと思われます。
「創業者はマネジメント・バイアウト完了後も継続して株式会社オンリーの取締役相談役を務める予定である。」
というくらいの意味合いだと私は思います。
それで、私は主に2021年8月4日(水)(http://citizen2.nobody.jp/html/202108/20210804.html)から
2021年8月10日(火) (http://citizen2.nobody.jp/html/202108/20210810.html)までのコメントで、
「将来の相続や事業の承継を見据えてマネジメント・バイアウトが行われることがあるように思う。」
という趣旨のことを書きました。
このたびの株式会社オンリーの事例でも、公開買付者に創業者の長男が一部出資しているところを見ますと、
株式会社オンリーでは将来の相続や事業の承継を見据えてマネジメント・バイアウトが行われると言っていいように思います。
まさにマネジメント・バイアウトと相続が取り上げられているのですが、事業の承継に関する記事を1本紹介します↓。


2021年8月11日(水)日本経済新聞
事業承継 従業員にバトン A
アタックスグループ代表パートナー 林 公一氏
資金確保の手段 MBOファンドやM&A活用
(記事)


 


ただ、株式会社オンリーの相続や事業承継はすんなり行われるようになったわけではないようです。
むしろ、紆余曲折を経て創業者は長男に会社の相続や事業承継を行うことを決めたのだと私は想像しています。
その根拠は、次の表です↓。


オンリーに対する大量保有報告書
(M&A Online MAO DB 大量保有DB)
ttps://maonline.jp/db/shareholding_reports/S000APMM

「2012年4月16日から2021年8月18日までの表のキャプチャー画像」


M&A Onlineのウェブサイト中にある大量保有報告書の提出履歴です。
このページの一番上には次のように書かれています。

>[変更報告] <3376> オンリー 2012年4月16日に中西 浩一が提出 保有割合30.78%(-7.8%)

株式会社オンリーの創業者が2012年4月に所有株式を「7.8%」も譲渡していることが分かります
(ただ、この時提出された変更報告書は既にEDINETでは閲覧できませんでした)。
この時の譲渡先については分かりませんが、少なくとも長男ではないことだけは確かです。
なぜならば、創業者の長男は現在株式会社オンリー株式の1.32%しか保有していないからです。
この時創業者が誰に所有株式を譲渡したのかについては分からないのですが、
この時点では創業者は長男に会社を相続させるつもりはなかったのではないだろうかと私は想像しています。
それどころか、2015年5月と2020年1月にも創業者は所有株式を譲渡しています。
これらの時の譲渡先も長男ではありません。
本当につい最近になって(少なくとも2020年2月以降になって)、創業者は長男に会社を相続させることを決めたのではないか
と私は想像しています。
2020年の初頭まではM&A助言会社に事業の承継について相談をしようと創業者は考えていたのだが、
家族の大切さに気が付いた長男が「俺がやる。」と自分の生活を一新させたのかもしれません。
株式会社オンリーのウェブサイトのトップページを紹介します↓。

「キャプチャー画像」

"Back to the nature"と書かれていますが、2人は父と息子として自然な状態に帰ったのだと私は思います。
それから、マネジメント・バイアウトにおける株式の取得価額についてなのですが、
株式の取得価額が公正であったのか否かは最後の最後は会社を清算してみないと分からないという部分は現実にはあると思います。
株式の取得者が会社の清算価値で株式を取得したのであれば、株式の取得価額は公正であったと言えるわけです。
ただ、トートロジーになりますが、会社の清算価値は現実には会社の清算時にしか分からないのです。
マネジメント・バイアウト完了後も継続して会社が有価証券報告書を提出してくれると、
株式の本源的価値の変遷や不変動そして清算価値との乖離が市場の投資家にも分かるわけなのですが。
それから、一般的なことを言えば、マネジメント・バイアウトにおける株式の取得者は、何か新しい戦略を実行するために
株式を取得するわけではありませんし株式の転売を目的に株式を取得するわけでもありません。
出資関係の簡略化なり相続なり事業の承継なり会社をたたむなり、何らかの「整理」を目的に株式を取得するのです。

 

 



In this case, a founder's purpose of accomplishing a management buy-out doesn't lie in an inheritance of a company.
For a founder in question has gradually sold his own shares to other than an inheritor in these 10 years.
Otherwise, ONLY corporation renovates suits according to a form of each customer as one of its principal businesses,
but, I imagine that the eldest son of the founder has perhaps reformed himself since February of 2020.
That is to say, formerly, the founder thought that there was no prospect that his eldest son would turn over
a new leaf, but, quite recently, he has made up his mind to make his eldest son inherit his company, I imagine.
The eldest son of the founder has finally been back to the natural relationship as a family.
The founder didn't send any visions to his eldest son visibly, I suppose.
The eldest son of the founder received an invisible invitation from his father.
The eldest son of the founder is now fond of functioning as a family.
Perhaps, the founder intends to turn over his company to his elderst son
because his eldest son turned over a new leaf.
To my relief, a founder in question has turned out to be born human.

この事例では、マネジメント・バイアウトを成し遂げる創業者の目的は会社の相続ではありません。
というのは、件の創業者はここ10年間相続人以外に対し少しずつ所有株式を売却しているからです。
そうでないならば、株式会社オンリーはその本業の一部として1人1人の顧客の体形に合わせてスーツを仕立て直すわけですが、
創業者の長男は2020年2月以降改心をしたのかもしれないなと私は想像しています。
すなわち、かつては創業者は長男には生活を一新する見込みはないと考えていたのだが
つい最近になって長男に会社を相続させることを決心した、ということではないかと私は想像しています。
創業者の長男はついに家族として自然な関係に戻ってきたのです。
創業者は長男に目に見える形で将来像を送ったわけではないと私は思います。
創業者の長男は目には見えない招待状を父親から受け取ったのです。
創業者の長男は今では家族としての役割を果たしたいと思っているのです。
おそらくですが、長男が改心をしたので創業者は自分の会社を長男に譲るつもりなのです。
私はほっとしたのですが、件の創業者も人の子だったのです。



What if a former listed company keeps on preparing and submitting an Annual Securities Report as it used to
be listed in a stock market even after it has accomplished a Management Buy-Out (i.e. a delisting of its share).

マネジメント・バイアウト(すなわち、会社の株式の上場廃止)を行った後も、
株式市場に以前上場していた時のようにかつての上場会社が有価証券報告書を作成し続け提出し続けるとしたらどうでしょうか。



An acquirer of a share in a Management Buy-Out is not a strategic buyer nor a financial buyer
but, as it were, a liquidation buyer in a broad sense.

マネジメント・バイアウトにおける株式の取得者は、
ストラジック・バイヤーでもなければフィナンシャル・バイヤーでもなく、言わば広い意味での整理目的取得者なのです。