2022年3月11日(金)


「本日2022年3月11日(金)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. March 11th, 2022), 328 legal disclosure documents have been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2022年3月11日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計328冊でした。

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計1183日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜2020年4月30日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その5(2020年5月1日(金)〜2020年8月31日(月))
http://citizen2.nobody.jp/html/202005/PastLinksWithASummaryOfEachComment5.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その6(2020年9月1日(火)〜2020年12月31日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202009/PastLinksWithASummaryOfEachComment6.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その7(2021年1月1日(金)〜2021年4月30日(金))
http://citizen2.nobody.jp/html/202101/PastLinksWithASummaryOfEachComment7.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その8(2021年5月1日(土)〜2021年12月31日(金))
http://citizen2.nobody.jp/html/202105/PastLinksWithASummaryOfEachComment8.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その9(2022年1月1日(土)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202201/PastLinksWithASummaryOfEachComment9.html

ユニゾホールディングス株式会社の被雇用者が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 


2022年3月10日(木)日本経済新聞
中国新規株公開 当局の審査廃止 手続き簡素化、日米並み 上海・深セン 上場ラッシュも
(記事)


 

注:
中国の株式上場制度が「登録制」へ全面移行するとのことです。
すなわち、中国政府は、新規株式公開について証券当局による上場審査・許可を全面的に廃止をし、
全株式市場に「登録制」を導入する、とのことです。
この結果、中国の株式上場制度は、日米など先進国と同様、申請の可否判断を各証券取引所が担う仕組みに統一されます。
この記事を題材にして、自分なりに「認可制」と「登録制」の相違点について考察を行いました。
言葉足らずな部分も多数ありますが、次の資料を自分で作成してみましたので参考にして下さい↓。
今日は、この資料と金融商品取引法の教科書を叩き台にして、
「認可制」と「登録制」の相違点について自分が思うところを書きたいと思います。


「認可制」と「登録制」の相違点

「PDFファイル」

「キャプチャー画像」





Concerning a threshold of a stock market, a "Registration" system requires an "Audit," whereas an "Approval" doesn't.
Extremely speaking, an "Audit" is a substitute for an "Examination" by the authorities.
Or rather, an "Audit" is no more than one of the last resorts inside a transition of a "Registration" system.
To put it straightforwardly, the authorities don't "Examine" nor "Approve" on a basis of anything made by the private.

株式市場への入り口に関して言いますと、「登録」制は「監査」を必要としますが、「認可」制は「監査」を必要としません。
極端に言えば、「監査」というのは当局による「審査」の替わりなのです。
いや、正確に言いますと、「監査」というのは「登録」制の変遷の中の苦肉の策の1つに過ぎないのです。
率直に言いますと、当局は民間による何かを根拠に「審査」や「認可」をしたりはしないのです。

Even the fact that you are not accustomed to one thing (for examle, "black swans," etc.)
doesn't mean that such a thing doesn't exist and that such a thing is theoretically wrong.

たとえある聞き慣れないこと(例えば、「黒い白鳥」等)があるとしても、そのことは、
そのようなことは存在しないということやそのようなことは理論的に間違っているということを意味しているわけではありません。

 

 


「ゼミナール 金融商品取引法」 大崎貞和 宍戸善一 著 (日本経済新聞出版社)


第13章 証券市場のインフラストラクチャー

1. 金融商品取引所
(1)金融商品取引所とは
コラム【証券取引所の起源】
(2)金融商品取引所の組織
取引所の免許制
取引所の組織形態
コラム【証券取引所のM&A】
取引所株式会社の株式保有規制
(3) 金融商品取引所市場における取引と取引所外取引
取引所市場における取引
取引所外取引と店頭取引
立会外取引
私設電子取引システム(PTS)
コラム【PTSのあゆみ】

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【コメント】
今日は「認可制」と「登録制」の相違点について考察を行ったのですが、端的に結論を述べるだけでも何点かの論点があります。
考察の結果自分なりに理解できたことを、思いつくままに簡潔に書いていきたいと思います。
法律や教科書を見て整理したわけではありませんので、私説や独自理論の側面もあるいはあろうかと思います。
「認可制」は「審査制」、「登録制」は「提出制」と表現する方がより本質を表しているように思いました。
「発行者そのものを審査するか、発行者に書類を提出してもらうか。」のどちらかしか方法としてはないと感じたからです。
基本的には、「株式の上場制度には『登録制』しかない。」と考えるべきでしょう。
「審査制」は極めて限定的な極限られた場面・有価証券でしか現実には遂行できないと言えるでしょう。
「審査制」の特徴を一言で言えば、"all-inclusive"(すべてを含む、包括[総括]的な)だと私は思いました。
株式の取引の全ての部分に当局が関与しているからです(換言すれば、「投資家保護が当局内で完結している。」のです)。
「審査制」に私人が関与する部分は一切ありません。
その意味では、この日本で運営された実際の証券制度(1988年4月1日から1999年9月30日までの証券制度)に即して言えば、
証券取引所は私設(証券会員制法人)であり、株式の取引価格を決定していたのも民間企業(主幹事証券会社)ということで、
本来の意味での・純粋な意味での「審査制」ではなかったと言わねばならないでしょう。
たとえ当時用いられていた文言としては「大蔵省による『審査』」であっても、元来的な意味での「審査制」ではなかったのです。
当時の証券制度は、実は「認可制」と「登録制」の折衷案だっと言わねばならないでしょう。
投資家が購入した株式を管理していたのも民間企業(市中の証券会社の本支店)であったという点も、
元来の意味での「審査制」ではなかった、と言わねばならないとわたしは思います。
「誰が何株購入して保有しているか?」は財務局で管理すれば十分なのですから(財務局で株主名簿を管理すればよいのです)。
「審査制」では「上場株式の保有状況」は「不動産登記簿の証券版」(役場で公に管理するもの)だと考えればよいわけです。
「審査制」では、所有者の管理という点では「上場株式は土地と同じだ。」と考えればよいのだと私は思います。
ただ、現実には、経済の規模が小さくないと(上場会社数が少なくないと)、「審査制」を実施することは不可能です。
また、「現実には、株式の本源的価値は発行者の事業運営に伴い変動する。」というのもまた確かであるわけです。
取引所法が施行された1893年まで遡っても、純粋な意味での「審査制」が日本で実施されたことはおそらくなかったでしょう。
日本では1893年以降、当時はそうは言っていなかったかもしれませんが、「登録制」により上場制度は運営されてきたのです。
1893年施行の(その後の改正も含む)取引所法に「当局が上場について『審査』をする。」という趣旨の条文があったとしても、
「財務局に提出された情報開示によって投資家の利益を保護する。」という上場制度であったことに違いはないわけですから、
その当時の上場制度はやはり「登録制」と表現する方が正しいと私は考えます。
たとえ財務局の公務員が発行者の有価証券報告書を作成するとしても、それは「審査制」ではなく「登録制」なのです。
「倒産可能性をも見通した上で、株式の取引価格は当局が上場時に決め打ちする。」、これが真の「審査制」だと私は考えます。
逆から言えば、「株式の本源的価値は変動し得る。」と考えた時点で、真の「審査制」は実施不可能だということになります。
1893年当時、財務局の公務員が発行者の有価証券報告書を作成していたのは、「審査制」を実施するためではなく、
ただ単に「有価証券報告書の正確性を保証するため」であった、と考えるべきでしょう。
他の言い方をすれば、やはり「登録制」を前提に財務局の公務員は発行者の有価証券報告書を作成していた、と私は考えます。
そもそもの話、「審査制」であれば、誰も有価証券報告書を作成する必要はないわけですから。
(作成者が誰かはともかく)有価証券報告書を作成している時点で、それは「登録制」なのです。
それから、現代の論点になりますが、現在株式市場にはいわゆる「取引所市場」と「店頭市場」とがあると一般に言われますが、
少なくとも元来的の「審査制」から見れば、現在(1947年以降)の株式市場は全て「店頭市場」だと言わねばならないでしょう。
なぜならば、民間の店頭で取引するからです(いわゆる「証券民主化」以降は全て「店頭市場」という考え方になるでしょう)。
本来的には、「取引所市場」とは「財務局内に設けられた株式市場」のみを指すのだと私は考えます。
「株式市場の開設者は取引所を名乗る者か何らかの証券関連団体か?」では株式市場を本質的には区別できないと私は考えます。
「審査制」とは正反対に「登録制」には実に様々なパターン(制度設計)が観念できます(言わばパラメーターがたくさんある)。
「監査」もその1つなのです。