2021年12月9日(木)


「本日2021年12月9日(木)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. December 9th, 2021), 227 legal disclosure documents have been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2021年12月9日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計227冊でした。

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計1086日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜2020年4月30日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その5(2020年5月1日(金)〜2020年8月31日(月))
http://citizen2.nobody.jp/html/202005/PastLinksWithASummaryOfEachComment5.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その6(2020年9月1日(火)〜2020年12月31日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202009/PastLinksWithASummaryOfEachComment6.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その7(2021年1月1日(金)〜2021年4月30日(金))
http://citizen2.nobody.jp/html/202101/PastLinksWithASummaryOfEachComment7.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その8(2021年5月1日(土)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202105/PastLinksWithASummaryOfEachComment8.html

 

ユニゾホールディングス株式会社の被雇用者が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 



2021年12月3日(金)日本経済新聞
コーテクHD、プライム申請 自社株TOB・CB発行
(記事)





2021年12月8日(水)日本経済新聞 公告
公開買付開始公告についてのお知らせ
株式会社コーエーテクモホールディングス
(記事)





R3.12.08
株式会社コーエーテクモホールディングス
公開買付開始公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)





R3.12.08 15:01
株式会社コーエーテクモホールディングス
公開買付届出書 対象: 株式会社コーエーテクモホールディングス
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 



R3.12.02 15:30
株式会社コーエーテクモホールディングス
臨時報告書 臨報提出事由:第19条第2項第1号
(EDINET上と同じPDFファイル)





R3.12.03 10:00
株式会社コーエーテクモホールディングス
訂正臨時報告書
臨時報告書 臨報提出事由:第19条第2項第1号
(EDINET上と同じPDFファイル)




R3.12.08 13:08
柿原 健晴
変更報告書 発行: 株式会社コーエーテクモホールディングス
(EDINET上と同じPDFファイル)




R3.12.09 10:45
襟川 陽一
変更報告書 発行: 株式会社コーエーテクモホールディングス
(EDINET上と同じPDFファイル)



 


2021年12月2日
株式会社コーエーテクモホールディングス
東京証券取引所の新市場区分プライム市場への申請に関するお知らせ
ttps://www.koeitecmo.co.jp/ir/docs/ir2_20211202_3.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年12月2日
株式会社コーエーテクモホールディングス
自己株式の取得及び自己株式の公開買付けに関するお知らせ
ttps://www.koeitecmo.co.jp/ir/docs/ir2_20211202_2.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年12月2日
株式会社コーエーテクモホールディングス
2024年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行のお知らせ
ttps://www.koeitecmo.co.jp/ir/docs/ir2_20211202_1.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年12月2日
株式会社コーエーテクモホールディングス
2024年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の 発行条件等の決定に関するお知らせ
ttps://www.koeitecmo.co.jp/ir/docs/ir2_20211202_4.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)





2021年12月7日
株式会社コーエーテクモホールディングス
自己株式の公開買付け開始に関するお知らせ
ttps://www.koeitecmo.co.jp/ir/docs/ir2_20211207.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)

 

 



注:
話の簡単のため、「2024年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債による資金調達額=公開買付における買付総額」
である(社債の発行と自己株式の取得とが完全にリンクしている(完全に一体的な取引である))としましょう
(金額で言えば、「約420億円」であるわけですが、その絶対額はここでは関係ありません。一体的であることが重要です)。
自己株式の公開買付価格は「4,271円」である一方、社債の当初の転換価額は「5,357円」です。
ここで、「プライム市場」のため、株式会社コーエーテクモホールディングスは今「流通株式比率」を増加させたいわけです。
そうしますと、最低でも「『件の大株主2名が株式市場で株式を売却した』のと同じ状態」を実現させねばならないわけです。
件の大株主2名から会社が所有株式を買い取っただけでも「流通株式比率」は一定度は上昇します
(その結果、「流通株式比率」は35%を超える場合もあるのかもしれません)が、
普通社債ではなくわざわざ転換社債を発行していることからも分かる通り、
株式会社コーエーテクモホールディングスの目指すところは
「件の大株主2名が現在保有している株式を株式市場の投資家が保有する状態」であるわけです。
このことを踏まえますと、実は、「自己株式の公開買付価格≧社債の転換価額」でなければならないわけです。
なぜならば、「公開買付による取得株式数≦社債の転換による発行株式数」でなければならないからです。
このたびの事例に即して言えば、会社が件の大株主2名から合計「9,000,000株」を買い取ったならば、その後、
会社は最低でも合計「9,000,000株」を株式市場の投資家を相手に発行せねばならないわけです。
そうでなければ、十分な「流通株式比率」に達しないからです。
そうやって初めて、「『件の大株主2名が株式市場で株式を売却した』のと同じ状態」が実現するのです。
株式会社コーエーテクモホールディングスは今、「これから株価が下がりますように。」と神様にお願いしたい心境でしょう。
社債の当初の転換価額は「5,357円」であるわけですが、今後社債の転換価額を「4,271円」未満に修正していかねばならない、
という事態に株式会社コーエーテクモホールディングスは今直面しています。
株式会社コーエーテクモホールディングスにとってこのことは、2022年4月の「プライム市場」への上場の要件を鑑みれば
"clear"(上場のために自社がどのような要件を満たさなければならないかは明白だ)であり、
"present"(2022年4月まで時間がないのでまさに今現在対処せねばならない問題だ)であり、
また、"danger"(自己株式の取得後に果たしてスキーム通りに社外株式数が増加するかは危険な賭けだ)であるわけです。
一連の法定開示書類には詳細な記載はないのですが、一連のプレスリリースには「転換社債」について詳細な記載があります。
株式会社コーエーテクモホールディングスは、その目的を鑑みれば、社債の償還は一切想定しておらず、
社債の額面金額合計が株式へ転換されることのみを想定しています。
「2024年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行のお知らせ」の3〜4/16ページに「転換価額」についての記載が
あるのですが、社債の転換後は「自己株式の取得の前と同じだけの社外株式数」にならなければならないわけです。
端的に言えば、社債の転換による株式の希薄化を気にする場面では全くないわけです。
「転換価額」をその時々の株価水準に応じて柔軟に修正し、株式への転換を推進していかねばなりません。
むしろ、「株式数を増加させることが目的だ。」とすら言えるわけです。
「転換価額」をその時々の株価水準を下回る水準に設定し、株式市場の投資家に株式を所有してもらわねばならないわけです。
「転換価額」は、直近の株価水準と比較して「アップ率」ではなく「ダウン率」が計算される水準に設定せねばなりません。
会社は最後の最後は(満期日には)会社側の意思で社債を強制的に株式に転換できるという条項が必要だと私は思うくらいです。
コーエーのゲームソフトに「三国志」がありますが、中国で昔から使われていることわざに「前門の虎、後門の狼」があります。
株式会社コーエーテクモホールディングスがこれから陥ることになるジレンマはまさに「前門の虎、後門の狼」です。
株式数が増えように自社の株価が下がることを願わねばならないわけですから。
率直に言えば、もっと早い段階から件の大株主2名に所有株式の「売出し」を行ってもらうべきだったのだろうと私は思います。
証券制度上の有価証券は事実上全て電子化されていると思いますが、"paper tiger"は「張り子の虎、こけおどし」という意味です。
コーエーが前門ではなく後門を選択するならば、"desperate with wolves"(狼と一緒に死に物狂い)という状態に
ならなければよいのだがと思いました(冗談ですが)。

 

 



【コメント】
公開買付終了後は、株式会社コーエーテクモホールディングスは大株主2名から買い取った株式数と同じかそれ以上の株式数を
「流通株式比率」のため株式市場に流通させなければならないのですが、まずこのたびのスキームを仕訳で表現してみましょう。

@2024年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行日である2021年12月20日の
 株式会社コーエーテクモホールディングスの仕訳

(現金) 484億1,500万円 / (2024年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債) 460億万円
                       (社債発行差金) 24億1,500万円

A公開買付の決済日である2022年1月31日の株式会社コーエーテクモホールディングスの仕訳

(株式会社コーエーテクモホールディングス株式) 422億9,090万円 / (現金) 422億9,090万円

B新株予約権の行使期間である2021年1月4日から2024年12月6日までの社債権者による権利行使時の仕訳の総和

(2024年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債) 460億万円 / (資本金) 230億円
                                                            (資本準備金) 230億円

C株式会社コーエーテクモホールディングスはこのたびのスキームトータルでは、概ね次のような会計処理を行ったことになる。

(株式会社コーエーテクモホールディングス株式)(自己株式) 約420億円 / (資本金) 約420億円

「流通株式比率」を高めることを目的としたこのたびのスキーム(特に上記仕訳C)を見て思ったのですが、概念的には、
「会社の既存株主が所有株式を会社に対し現物出資をした。」という見方ができるのかもしれないなと思いました。
「そして、その既存株主は現物出資に伴い取得した会社の株式を株式市場で売却した。」という見方ができると思いました。
トータルで言えば、既存株主が株式市場で従来から所有している株式を株式市場で売却したということと同じであるわけです。
しかし、大株主が所有株式を売却するとなりますと、実務上は「一気に」放出する売却手続き(すなわち、「売出し」)しか
ありませんので、言うなれば時を稼ぐために会社は新株予約権付社債を発行することにした、ということなのだと思います。

The convertible bond with a share option of this time is, as it were, a kind of buffer namely a means to gain time.
But, at the same time, the bond also appears somewhat a desperate measure taken under a pressure of a necessity.
I guess that the company is now being caught between the Devil and the Deep Blue Sea namely is in a dilemma.
For, unless a share price in a stock market drops sufficiently, a "ratio of circulating shares" won't increase sufficiently.
The company has presupposed from the beginnig of this scheme that "none of the bond will be redeemed at all."
The bond ought to be a "moving-strike convertible bond" because the company must increase the number of shares on purpose.

このたびの新株予約権付社債は、言わば一種の緩衝材すなわち時間稼ぎの手段なのです。
しかし同時に、この社債はやや苦肉の策(必要に迫られて取られた窮余の対応策)であるようにも見えます。
会社は今、悪魔と深く青い海の間に捕まっているすなわちジレンマに陥っていると私は推測します。
というのは、株式市場における株価が十分に下落しないことには、「流通株式比率」は十分には上昇しないからです。
「社債は1口たりとも償還はしない。」ということを会社はこのスキームの最初から前提としているのです。
会社は意図的に株式数を増やさなければなりませんので、この社債は「転換価額修正条項付転換社債」であるべきなのです。