2021年6月16日(水)


「本日2021年6月16日(水)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」


Today (i.e. June 16th, 2021), 241 legal disclosure documents have been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2021年6月16日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計241冊でした。

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計910日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜2020年4月30日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その5(2020年5月1日(金)〜2020年8月31日(月))
http://citizen2.nobody.jp/html/202005/PastLinksWithASummaryOfEachComment5.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その6(2020年9月1日(火)〜2020年12月31日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202009/PastLinksWithASummaryOfEachComment6.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その7(2021年1月1日(金)〜2021年4月30日(金))
http://citizen2.nobody.jp/html/202101/PastLinksWithASummaryOfEachComment7.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その8(2021年5月1日(土)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202105/PastLinksWithASummaryOfEachComment8.html

 

ユニゾホールディングス株式会社の被雇用者が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 


2021年5月28日(金)日本経済新聞
三菱食品、自社株TOB 発行済みの23% 三菱商事が応募
(記事)


2021年5月29日(土)日本経済新聞 公告
公開買付開始公告についてのお知らせ
三菱食品株式会社
(記事)


R3.05.28
三菱食品株式会社
公開買付開始公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)


R3.05.28 12:04
三菱食品株式会社
公開買付届出書 対象: 三菱食品株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)


R3.05.31 15:41
三菱商事株式会社
変更報告書 発行: 三菱食品株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)


R3.06.02 15:31
三菱商事株式会社
変更報告書 発行: 三菱食品株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 


R3.06.15 10:12
三菱食品株式会社
自己株券買付状況報告書(法24条の6第1項に基づくもの)
(EDINET上と同じPDFファイル)



注:
2021年6月15日に提出された上記の自己株券買付状況報告書の【報告期間】は「2021年5月1日から2021年5月31日まで」ですので、
現在実施中の自己株式の公開買付による取得は上記の報告書には当然まだ反映されていません。
しかし、2021年5月27日開催の取締役会において自己株式の公開買付を行うことを決議した旨の注記が記載されています。
この注記は、本来の意味の「後発事象」(決算期末日以降に発生した、当該期の財務諸表にはまだ反映されていない事象)
とは異なるものの、「亜種の『後発事象』」("sub-subsequent event")という言い方ができるのだろうと思いました。
三菱食品株式会社の食料品は各家庭の"supper"(夕食)で使われるのだろうと思いました。

 

 


R2.05.13 15:31
三菱商事株式会社
変更報告書 発行: アルビス株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)



R2.05.29 15:36
三菱商事株式会社
訂正報告書(大量保有報告書・変更報告書) 発行: アルビス株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)



注:
このたびの公開買付とは全く関係ありませんが、上記の2冊の変更報告書を見て
「株式併合に伴い生じた端株を会社に買い取ってもらった場合、株式の取得原価はいくらになるのだろうか?」
と思いました(端株に相当する金銭を受け取ったことにより取得原価が再計算されるはずです)。
株式併合に伴い生じた端株を会社に買い取ってもらうことは概念的には株式の売却とも異なるように思いました。

 

 


2021年5月27日
三菱食品株式会社
自己株式の取得及び自己株式の公開買付けに関するお知らせ
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/7451/tdnet/1979101/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)



2021年5月27日
三菱食品株式会社
支配株主等に関する事項
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/7451/tdnet/1979099/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年5月27日
三菱食品株式会社
中期経営計画策定に関するお知らせ
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/7451/tdnet/1979100/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年5月27日
三菱食品株式会社
配当予想の修正(増配)に関するお知らせ
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/7451/tdnet/1979102/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年5月27日
三菱商事株式会社
当社子会社による公開買付けの開始及び当社による応募に関するお知らせ
ttps://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2021/html/0000047198.html

「PDF印刷・出力したファイル」



 


【コメント】
三菱食品株式会社が主に親会社である三菱商事株式会社(所有議決権割合:61.99%)から所有株式を買い取ることを目的に
自己株式の公開買付を実施する、とのことです。
三菱商事株式会社は所有する株式のうち議決権割合で言えば23.80%分を公開買付に応募する契約を三菱食品株式会社と
締結しているとのことです。
三菱食品株式会社が設定している買付予定数の下限は議決権割合で言えば23.80%分となっているのですが、
公開買付価格は直近の株価水準よりも10%のディスカウントをした価格となっているものの、
株式市場の一般株主も公開買付には応募することはできます(応募株主を一部の株主に限定することはできません)。
そして、株式市場の一般株主は公開買付には1株も応募をせず公開買付に応募をしたのは三菱商事株式会社だけであった
という場合、公開買付後の三菱商事株式会社の所有議決権割合は50.11%になる予定であるとのことです。
一般に、たとえ会社が長期保有を目的としている株主から所有株式を買い取っても、
株式市場内の「流通株式数」は1株も増加はしないのですが、株式市場内の「流通株式比率」は増加します。
このたびの事例がよい設例になるのではないかと思うのですが、仮に長期保有を目的としている株主は三菱商事株式会社のみ
だと想定しますと、三菱食品株式会社株式の株式市場内の「流通株式比率」は「38.01%」から「49.89%」へ増加します。
紹介している記事には、三菱食品株式会社の言及として、自己株式の取得の目的について、
「プライム市場を視野にいれた自己株式取得ではない」、と書かれています。
しかし、三菱食品株式会社が「R3.05.28 12:04」に提出した公開買付届出書には相当程度異なる文脈が記載されています。

第1【公開買付要項】 2【買付け等の目的】
(2/15ページ)

長くなるので引用はしませんが、2022年4月4日付けで予定されている市場区分の見直しを意識しているのは明らかでしょう。
三菱食品株式会社株式は現在東京証券取引所市場第一部に上場していますので、株式市場内の「流通株式比率」を上昇させたい
という考えがあるのは分かりますしそうすることは全く間違っていません。
しかし、人事採用や従業員モチベーションアップとの関連で言えば、人事部の採用担当者は
「私の志望動機は、御社の株式はグロース市場やスタンダード市場ではなくプライム市場に上場しているからです。」
と自己アピールする学生は決して採用しない方がよいでしょう。
その理由は非上場企業を見れば分かるかと思います。
それから、「法人株主は公開買付代理人である○○証券へ、個人株主は復公開買付代理人である××証券へ応募して下さい。」
と記載された公開買付届出書を最近時々見かけるのですが、その目的を鑑みれば三菱食品株式会社は三菱商事株式会社からの
応募のみを想定しているところがあるわけなのですが、少なくとも応募株主を法人株主に限定することはできないわけです。
応募株主を「法人株主」と「個人株主」とに区分すること自体がそもそも間違っているのではないだろうかと思いました。
それから、公開買付届出書の「支配株主との取引等に関する事項」(13〜14/15ページ)を読んでふと思ったのですが、
記載されている一連の措置を会社が講じている時点で、実はその会社の「取締役会は期待された機能を果たせていない」
ということを表しているように(弊社の取締役会の実効性は低いと自分で言っているようなものなのでは、と)私は感じました。

Please imagine what you call an unlisted company.
A staff engaged in an adoption of new graduates at a personnel department had better not adopt
an applicant student who makes a self-appeal saying, "For your company's share is listed in the Prime Market."

いわゆる非上場企業を頭に思い描いてみて下さい。
人事部で新卒者の採用に従事している担当者は、「御社の株式はプライム市場に上場しているからです。」
と自己アピールする志望学生は採用するべきではありません。