2021年11月10日(水)


「本日2021年11月10日(水)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. November 10th, 2021), 697 legal disclosure documents have been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2021年11月10日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計697冊でした。

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計1057日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜2020年4月30日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その5(2020年5月1日(金)〜2020年8月31日(月))
http://citizen2.nobody.jp/html/202005/PastLinksWithASummaryOfEachComment5.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その6(2020年9月1日(火)〜2020年12月31日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202009/PastLinksWithASummaryOfEachComment6.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その7(2021年1月1日(金)〜2021年4月30日(金))
http://citizen2.nobody.jp/html/202101/PastLinksWithASummaryOfEachComment7.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その8(2021年5月1日(土)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202105/PastLinksWithASummaryOfEachComment8.html

 

ユニゾホールディングス株式会社の被雇用者が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 


片倉工業<3001>、MBOで株式を非公開化|714億円を投じる

片倉工業は8日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。同社の上甲亮祐社長と佐野公哉会長が
折半出資する「かたくら」(東京都中央区)がTOB(株式公開買い付け)を行い、全株式の取得を目指す。
買付代金は最大714億円。筆頭株主で10%超の株式を持つ香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントはTOBに賛同している。
祖業の製糸事業の縮小に伴い、不動産や医薬品、機械関連などへの事業展開を進めてきたが、
非公開化を通じて一連の構造改革を加速する。
買付価格は1株につき2150円で、TOB公表前営業日の終値1831円に17.42%のプレミアムを加えた。買付予定数は3321万8878株。
買付予定数の下限は所有割合66.49%に当たる2214万6000株に設定した。
オアシス・マネジメントをはじめ、三井物産、損害保険ジャパン(東京都新宿区)、農林中央金庫(東京都千代田区)、
大成建設が保有する株式31%余りについてはTOBへの応募が決まっている。
買付期間は11月9日〜12月21日。決済の開始日は12月28日。公開買付代理人はみずほ証券。
片倉工業は1873(明治6)年に創業し、絹糸の製造をスタート。「シルクのカタクラ」と呼ばれ、近代製糸業を牽引した。
1939年には官営富岡製糸場を合併。1949年から東証1部に上場している。
(M&A Online 2021/11/08)
ttps://maonline.jp/news/20211108c

 

 



2021年11月9日(火)日本経済新聞
片倉工業、MBO実施 700億円 従業員の出資も検討
(記事)




2021年11月9日(火)日本経済新聞 公告
公開買付開始公告についてのお知らせ
株式会社かたくら
(記事)


R3.11.09
株式会社かたくら
公開買付開始公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)


R3.11.09 10:10
株式会社かたくら
公開買付届出書 対象: 片倉工業株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)


R3.11.09 12:11
片倉工業株式会社
意見表明報告書 対象: 株式会社かたくら
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 



2021年11月8日
片倉工業株式会社
MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/3001/tdnet/2042940/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年11月8日
片倉工業株式会社
株式会社かたくらによる片倉工業株式会社株式(証券コード:3001)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/3001/tdnet/2042937/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年11月8日
片倉工業株式会社
株式会社かたくらによる当社株式に対する公開買付けへの応募に関するお知らせ
ttps://www.katakura.co.jp/upload/docs/n211108.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年11月8日
片倉工業株式会社
2021年12月期配当予想の修正(無配)及び株主優待制度の廃止に関するお知らせ
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/3001/tdnet/2042945/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)

 

 



片倉工業株式会社に関する約7年5ヶ月前の記事↓。


片倉工業「売らない、貸さない、壊さない」で保存 富岡製糸場

1987年に富岡製糸場を操業停止した片倉工業は、2005年に富岡市に寄贈するまでの18年間、
「売らない、貸さない、壊さない」の3原則を掲げて維持管理に務めた。
同社の竹内彰雄社長は「日本の近代化を後世に伝える貴重な史跡を残せたのは誇り」と喜ぶ。
入場門をくぐると目に入る東繭倉庫。木材で骨組みを造り、その間にれんが壁を積む「木骨煉瓦造」の建物は1872年に
官営で操業を開始した当時の姿のまま残る。
(日本経済新聞 2014年6月21日 21:22 [有料会員限定])
ttps://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0601A_R20C14A6CC1000/

 

埼玉県の片倉シルク記念館、製糸業の歴史伝える
(日本経済新聞 2020年3月26日 2:00)
ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO57204420V20C20A3L83000/

「PDF印刷・出力したファイル」




富岡製糸場に関連するプレスリリース↓。


2017年5月15日
片倉工業株式会社
株主優待制度を通じた世界文化遺産『富岡製糸場』の保全支援
ttps://www.katakura.co.jp/files/f6fabf3234548cb019656445cd4155b008d6c5ec.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年11月8日
株式会社東京証券取引所
東証 監理銘柄(確認中)の指定:片倉工業(株)
ttps://www.jpx.co.jp/news/1023/20211108-12.html


「PDF印刷・出力したファイル」

 

 



【コメント】
製糸業を祖業としており現在は世界文化遺産「富岡製糸場」を実質的に管理している片倉工業株式会社が
マネジメント・バイアウトを実施するとのことです。
片倉工業株式会社の会長と社長の2人がマネジメント・バイアウトを主導しています。
法律上の公開買付者は2人がこのたび折半出資で設立した特別目的会社「株式会社かたくら」なのですが、
一連の手続きを経て片倉工業株式会社の発行済み株式の全てを買い取った後は、
会社の役員や従業員からの公開買付者への出資の受け入れも検討しているとのことです。
仮に従業員からの出資も実現すれば、経営者と従業員による「マネジメント・エンプロイー・バイアウト」(MEBO)となります。
片倉工業株式会社はかつて製糸業で栄えていたものの、現在は繊維事業以外の事業を主に営んでいる経営状態であり、
非公開化後の方向性(繊維事業を再び中核事業とする構造改革を断行するという方針は考えづらいように私は思いました)
については私には分かりませんが、会長と社長の2人は片倉工業株式会社は非上場企業として事業を営む方が望ましい
と判断したのだと思います。
香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメントが10%超の株式を保有しており、
筆頭株主として不採算事業の見直しを迫ってきた経緯があるとのことです。
このたびのマネジメント・バイアウトについてはオアシスを含む大株主からすでに3割を超える賛同を得ているとのことです。
買収資金は基本的には会長と社長の2人が拠出する形になるわけですが、2人が今現在保有する手許現金だけでは不足する
からなのだと思いますが、公開買付者がみずほ銀行から約890億円を限度に借り入れることになっています。
何らかの担保があるということなのだと思いますが、みずほ銀行は資金を貸し付けることにしたようです。
みずほ銀行としては、出資(株式の保有)はしないことから、再上場をしてもらわないと資金の回収ができない
という事態にはならないわけです。
会長と社長の2人の方針としてもみずほ銀行の方針としても、片倉工業株式会社は将来再上場はしないのだと思います。
このたびの事例は元来のマネジメント・バイアウトに近い形のマネジメント・バイアウトだと私は思いますが、
このたびの事例の特徴の1つについて、紹介している記事には次のように書かれています。

>ファンドが関与しないMBOとしては過去最大規模となる。

言葉を変えて表現すれば、「再上場を予定していないマネジメント・バイアウトとしては過去最大規模である。」
という言い方ができると思います。
片倉工業株式会社が創業当初から1980年代始めまで手掛けていたのは"silk"(絹糸)ですが、
片倉工業株式会社株式は株式市場からは今後永久に"sink"(沈み込んで消える)するのだろうと思います。
片倉工業株式会社株式が今後再上場することはないからと言って、それが悪いことだという意味では決してありませんが。
上の方にいくつか関連する記事を紹介していますように、片倉工業株式会社は世界文化遺産「富岡製糸場」を
実質的に管理しており、「富岡製糸場」の保全管理に取り組んでおりさらには自社のシルク記念館も開設し運営しています。
片倉工業株式会社の事業分野とは全く異なりますが、TDK株式会社は電子部品分野で多角化に成功した会社であるように
思うのですが、片倉工業株式会社は今後どのような事業転換を成し遂げるのだろうかと私は今思っています。
マネジメント・バイアウトを達成した後、片倉工業株式会社はきっとこう言うことでしょう。

"No Talk, No Disclosure, No Kick-out. Just Keepwell."
((物言う株主と)対話はしない。情報開示はしない。(従業員を)解雇はしない。
(会社と保有している歴史的建造物等を)適切に指導、監督し、存続させるだけである。)