2021年6月18日(金)



「本日2021年6月18日(金)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. June 18th, 2021), 550 legal disclosure documents have been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2021年6月18日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計550冊でした。

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計912日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜2020年4月30日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その5(2020年5月1日(金)〜2020年8月31日(月))
http://citizen2.nobody.jp/html/202005/PastLinksWithASummaryOfEachComment5.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その6(2020年9月1日(火)〜2020年12月31日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202009/PastLinksWithASummaryOfEachComment6.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その7(2021年1月1日(金)〜2021年4月30日(金))
http://citizen2.nobody.jp/html/202101/PastLinksWithASummaryOfEachComment7.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その8(2021年5月1日(土)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202105/PastLinksWithASummaryOfEachComment8.html

 

ユニゾホールディングス株式会社の被雇用者が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 



2021年5月12日(水)日本経済新聞
株式会社TSホールディングス
公開買付開始公告についてのお知らせ
(記事)




R3.05.12
株式会社TSホールディングス
公開買付開始公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)


R3.05.12 13:12
株式会社TSホールディングス
公開買付届出書 対象: 株式会社ファミリー
(EDINET上と同じPDFファイル)


R3.05.12 13:45
株式会社ファミリー
意見表明報告書 対象: 株式会社TSホールディングス
(EDINET上と同じPDFファイル)


R3.05.17 10:32
西條徳三
変更報告書 発行: 株式会社ファミリー  
(EDINET上と同じPDFファイル)


R2.06.24 11:17
株式会社ファミリー
有価証券報告書−第47期(平成31年4月1日−令和2年3月31日)
(EDINET上と同じPDFファイル)


 


2021年5月11日
株式会社ファミリー
MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ
ttps://www.cardealerfamily.co.jp/ir/up_img/1620714499-264820.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年5月11日
株式会社ファミリー
株式会社TSホールディングスによる株式会社ファミリー株式(証券コード 8298)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
ttps://www.cardealerfamily.co.jp/ir/up_img/1620714540-203860.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年5月11日
株式会社ファミリー
2021年3月期決算短信〔日本基準〕(非連結)
ttps://www.cardealerfamily.co.jp/ir/up_img/1620714446-971559.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)





株式会社TSホールディングスによる株式会社ファミリーの公開買付けについて(野村證券株式会社)
ttps://www.nomura.co.jp/retail/stock/tob/8298.html

「PDF印刷・出力したファイル」


公開買付説明書
ttps://www.nomura.co.jp/retail/stock/tob/pdf/8298.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)



 



【コメント】
株式会社ファミリーの経営陣が公開買付とその後の株式取得手続きを通じて完全子会社化
(一連の取引は「マネジメント・バイアウト」に該当する)を実施するとのことです。
一連の法定開示書類とプレスリリースを読んで、典型的なマネジメント・バイアウトとは大きく異なるなと私は思いました。
株式会社ファミリーが「R2.06.24 11:17」に提出した有価証券報告書を見てみましょう。

第一部 【企業情報】 第4【提出会社の状況】 1【株式等の状況】 (6)【大株主の状況】
(18/68ページ)

第1位株主(株式会社ファミリー商事)と第6位・第7位株主(創業者御夫妻)が創業家であるわけですが、
マネジメント・バイアウトの実行者である専務取締役の名は記載されていません。
マネジメント・バイアウトの実行者である専務取締役の所有議決権割合は現在1.87%未満であることだけは確かです。
また、一連の法定開示書類を読みますと、マネジメント・バイアウトの実行者である専務取締役は創業者ではありません。
端的に言えば、マネジメント・バイアウトというのは創業者の専売特許でもありませんし大株主の専売特許でもないのです。
マネジメント・バイアウトの実行者である専務取締役は、推測するに創業者御夫妻の娘さんの旦那さんのようなのですが、
創業時からの取締役(つまり、会社の設立に参画した会社の創業のメンバー)であるというわけでもないようです。
株式会社ファミリーの設立は1973年7月である一方、件の専務取締役は1994年6月に株式会社ファミリーの監査役に就任しています。
ただ、件の専務取締役は監査役就任後も新卒で入社した損害保険会社に被雇用者として勤務し続けています。
新卒で入社した損害保険会社を(早期)退職したのは常務取締役に就任した2013年6月(53歳)だったのだと思います。
株式会社ファミリーの創業者の娘さんとは新卒で入社した損害保険会社の一社員の時に株式会社ファミリーで販売される
中古自動車の自動車保険に関連する業務に従事していた時に何らかの形で知り合い結婚なさったのだろうと推測されます。
創業者は80歳近いのではないかと思うのですが、そして、件の専務取締役も61歳であるわけですが、
このたびのマネジメント・バイアウトは、創業者から見ると、株式の非公開化も兼ねた会社の「禅譲」(所有株式の譲渡)
なのかもしれないな(つまり、創業者も従来から株式の非公開化を漠然と望んでいたのでは、と)と私は思いました。
マネジメント・バイアウトと聞きますと、会社の現経営陣の強力なリーダーシップの発揮・発揚を思い浮かべるわけですが、
株式会社ファミリーのマネジメント・バイアウトの場合は、典型的なマネジメント・バイアウトの場合とは正反対に、
既存株主の側から潜在的株式取得者に対し最初に内々に話を持ちかけたのではないだろうかと私は感じました。
つまり、創業者が娘婿に対して株式の非公開化も兼ねた会社の「禅譲」を打診し娘婿はそれら一連の取引を応諾した、
という背景があるのではないだろうかと私は感じました。
自分自身は会社を上場させたものの自分が引退した後は物言う株主等が跋扈している昨今会社は非上場の状態の方がよい、
創業者はそう判断したのではないだろうかと私は想像しているところです。
@娘婿に所有株式を譲り会社の経営から引退する、A会社を非公開化する、創業者の最後の懸念事項とも言える
家庭内の事情に関するこれら2つの事柄を同時に達成する手段が娘婿によるマネジメント・バイアウトだった、
ということではないだろうかと私は想像しています。
自分自身が行うのではなく娘婿がマネジメント・バイアウトを実行したという形を取れば、
娘婿の顔を立てることにもなるわけです(お客さんはよい印象を持ち今後の商取引にもよい影響を与えることでしょう)。
株式会社ファミリーが達成しようとしている取引は、株式市場の投資家から見るとマネジメント・バイアウトかもしれませんが、
会社の創業者から見ると"Transference and Support inside a Family"(家庭内における禅譲と後援)なのです。
大きな視点から見ると、このマネジメント・バイアウトの主目的はあくまで"Transference Smooth"(円満な禅譲)なのです。
そして、創業者は会社を非公開化することが会社に対する"Terminal Service"(最後の奉公)だと考えているのでしょう。

A Management Buy-out is neither a founder's specialty nor a large shareholder's specialty.
(マネジメント・バイアウトは、創業者の専売特許でもなければ大株主の専売特許でもありません。)