2021年5月9日(日)


「本日2021年5月9日(日)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. May 9th, 2021), 0 legal disclosure document has been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2021年5月9日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計0冊でした。

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計872日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜2020年4月30日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その5(2020年5月1日(金)〜2020年8月31日(月))
http://citizen2.nobody.jp/html/202005/PastLinksWithASummaryOfEachComment5.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その6(2020年9月1日(火)〜2020年12月31日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202009/PastLinksWithASummaryOfEachComment6.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その7(2021年1月1日(金)〜2021年4月30日(金))
http://citizen2.nobody.jp/html/202101/PastLinksWithASummaryOfEachComment7.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その8(2021年5月1日(土)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202105/PastLinksWithASummaryOfEachComment8.html

 

ユニゾホールディングス株式会社の被雇用者が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 



イグニス<3689>、米ベインキャピタルと組みMBOで株式を非公開化

イグニスは5日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。米大手投資ファンドのベインキャピタルと
組んでTOB(株式公開買い付け)を実施する。買付代金はおよそ263億円。イグニスが主力とするスマホ向けアプリ開発・運営
を巡る競争環境は目まぐるしく変化する市場特性がある。非公開化で機動的・柔軟な意思決定を可能にする。
TOBが成立すれば、東証マザーズへの上場が廃止となる見通し。同社はMBO目的のTOBに賛同している。
TOBの実施主体であるi3(東京都千代田区)はイグニスの銭コン社長、鈴木貴明取締役CTO(最高技術責任者)が各25%、
ベインキャピタル傘下企業が50%を出資して設立した。
イグニス株の買付価格は1株につき3000円で、TOB公表前日の終値1787円に67.88%のプレミアムを加えた。
TOBを通じて所有割合約53%にあたる876万1149株の取得を目指す。残る株式はイグニスの銭、鈴木両氏らが現在保有する。
買付予定数の上限、下限は設けていない。買付期間は3月8日〜4月19日。公開買付代理人は野村証券。決済の開始日は4月26日。
イグニスは2010年にスマホのネイティブアプリの企画・開発、運営を目的に設立し、14年にマザーズに上場した。
(M&A Online 2021/03/05)
ttps://maonline.jp/news/20210305d

 




2021年3月6日(土)日本経済新聞
イグニスがMBO 上場廃止へ
(記事)




2021年3月8日(月)日本経済新聞 公告
公開買付開始公告についてのお知らせ
株式会社i3
(記事)

 

 



R3.03.08 15:59
株式会社i3
公開買付届出書 対象: 株式会社イグニス
(EDINET上と同じPDFファイル)




R3.03.08 16:22
株式会社イグニス
意見表明報告書 対象: 株式会社i3
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.03.22 15:15
株式会社i3
訂正公開買付届出書 対象: 株式会社イグニス
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.03.30 15:41
株式会社i3
訂正公開買付届出書 対象: 株式会社イグニス
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.03.30 16:47
株式会社イグニス
訂正意見表明報告書 対象: 株式会社i3
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.04.20 15:46
株式会社i3
公開買付報告書 対象: 株式会社イグニス
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 



R3.03.12 17:03
銭 コン
変更報告書 発行: 株式会社イグニス
(EDINET上と同じPDFファイル)




R3.03.30 15:36
銭 コン
変更報告書 発行: 株式会社イグニス
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.04.01 15:58
銭 コン
変更報告書 発行: 株式会社イグニス
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.04.20 16:48
株式会社イグニス
臨時報告書 臨報提出事由:第19条第2項第4号
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.04.26 15:07
銭 コン
変更報告書 発行: 株式会社イグニス
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.04.26 17:09
株式会社i3
大量保有報告書 発行: 株式会社イグニス
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 



2021年3月5日
株式会社イグニス
MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ
ttps://pdf.irpocket.com/C3689/pJa6/fAqV/wFc8.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年3月5日
株式会社イグニス
株式会社i3による株式会社イグニス(証券コード:3689)の株券等に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
ttps://pdf.irpocket.com/C3689/pJa6/fAqV/h9Zz.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年3月5日
株式会社イグニス
通期業績予想の修正に関するお知らせ
ttps://pdf.irpocket.com/C3689/pJa6/fAqV/H1y9.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年3月30日
株式会社イグニス
(変更)「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」の一部変更について
ttps://pdf.irpocket.com/C3689/HRxf/QdFT/lKXB.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年3月30日
株式会社イグニス
(変更)「株式会社i3による株式会社イグニス(証券コード:3689)の株券等に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」
の一部変更に関するお知らせ
ttps://pdf.irpocket.com/C3689/HRxf/QdFT/xcGE.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)

 

 



2021年4月9日
株式会社イグニス
臨時株主総会招集のための基準日設定に関するお知らせ
ttps://pdf.irpocket.com/C3689/CzAL/O0OI/JQVE.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年4月20日
株式会社イグニス
株式会社i3による当社株券等に対する公開買付けの結果
並びにその他の関係会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ
ttps://pdf.irpocket.com/C3689/bxTh/KKuG/Xabb.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)





「株式会社イグニス株式の公開買付開始前後の値動き」

公開買付の発表日=2021年3月5日(金)
公開買付の開始日=2021年3月8日(月)
公開買付価格=3,000円
(参考)2021年3月4日(木)の終値=1,787円、2021年3月5日(金)の終値=1,842円。
   2021年3月8日(月)の終値=2,242円、2021年3月9日(火)の終値=2,742円。
   2021年3月10日(水)の終値=2,992円、2021年3月11日(木)の終値=2,993円。


注:
通常は、公開買付が開始されると同時に株価は公開買付価格と同一の価格に収束します(数日間かかることは決してない)。
それから、株式会社イグニスは2010年に設立され2014年にマザーズに上場した会社ですので全く関係がない議論になりますが、
「1999年9月30日以前の伝統的な証券制度における新規上場会社」について、ふと次のようなことを思いました。
「当時、主幹事証券会社は、新規上場予定の会社に対し上場後公開買付が実施されることは一切想定や予想はしないで
公開価格を決定していたのだろう。」と。
主幹事証券会社は、公開価格を決定するに際し、新規上場予定の会社の経営陣にはヒアリングをしていたわけですが、
「公開買付実施可能者」(上場前からの株主)にはヒアリングはしていなかったのだろうと思います。
「上場後公開買付が実施されるだろう。」と考えて公開価格を決定するのはおかしな話ですし不可能でもあるわけですが、
「株式市場における株式の取引価格はいかなる場合も変動しない方が望ましい。」という考え方も一方にはあろうかと思います。
公開買付実施後の株式の本源的価値が現時点で分かるなら(公開価格に織り込めるなら)、それに越したことはないわけです。
「会社が上場した後、もしあなたが公開買付を実施するとしたら、公開買付価格をいくらに設定しますか?」という質問は、
当時の証券制度では誰にも尋ねるべきではなかったわけですが、一つの参考にはなる問いとも言えるように私は思いました。

 

 


【コメント】
スマートフォンアプリの開発を手掛ける株式会社イグニスがマネジメント・バイアウトを実施するとのことです。
一連の取引の最初に行われた公開買付は成立し、現在は次のステップである臨時株主総会が開催予定となっている状態です。
紹介している記事と法定開示書類とプレスリリースを読んで気になった点について一言だけ書きたいと思います。
まず、現経営陣(創業者等)に加えて米国の投資ファンドであるベインキャピタルも出資者として公開買付に参加するとのこと
で、現経営陣は全株式の取得を目指しているわけですが、紹介しているM&A Onlineの記事には「買付代金はおよそ263億円。」
と書かれている一方、紹介している日本経済新聞の記事には「買い付け金額は総額で約500億円。」と書かれています。
これらの記述についてなのですが、公開買付の手続きでは株式の約53%について買い付けを行う予定であるわけですが、
公開買付後に予定されている一連の手続きにおいて公開買付者が追加取得する対象会社株式は相対的には少数となっている
ようです(スクイーズ・アウト(株式併合)の手続きでは公開買付者は極少数割合しか追加取得しないようです)。
つまり、マネジメント・バイアウトにおいて、公開買付者は約500億円の現金を支出して対象会社株式を取得するわけではなく、
公開買付者の現金支出額は総額で263億円を少し超えるくらいになるわけです。
現経営陣2者がマネジメント・バイアウト完了後も株式の計約44%を保有し続けることになっているのでそのような状態に
なるわけなのですが、結局「買い付け金額は総額で約500億円。」という表現は間違っていると言わざるを得ません。
次に、創業者が「R3.03.12 17:03」に提出した変更報告書には、2021年3月5日(金)付けで合意した内容になるのですが、
創業者が公開買付者と締結している基本合意について次のように記載されています↓。

【当該株券等に関する担保契約等重要な契約】
(4/23ページ)

創業者は公開買付期間中に所有株式について「新たに譲渡」をしない旨合意をしている旨記載されています。
ところが、創業者が3週間弱経った「R3.03.30 15:36」に提出した変更報告書には、次のように書かれています↓。

【当該株券等の発行者の発行する株券等に関する最近60日間の取得又は処分の状況】
【当該株券等に関する担保契約等重要な契約】
(4/23ページをPDF印刷・出力したファイル)

創業者は2021年3月23日に市場内で所有株式を処分した、という旨記載されています。
これは両者の基本合意に違反している、と思いました。
ただ、変更報告書をよく読んでみますと、この株式の譲渡は質権者による質権の実行の結果であると記載されています。
私は少しだけ勘違いをしてしまったわけですが、しかしそれでも、この株式の譲渡は明らかに「市場外」の取引です。
それから、証券制度上このたびの公開買付において創業者は公開買付者の「特別関係者」に該当しますので、
例えばですが、創業者(債権者)と債務者との間で債務者が所有している対象会社株式に質権を設定しているという場合、
たとえ債務者が債務不履行を起こしても創業者は質権を実行できない(別途買い付けになるから)、ということになるでしょう。
そのような時、Ignis社の創業者は債権者として公開買付規制を"Ignore"(気付かないふりをする)したいと思うことでしょう。

An Ignis Share owned by a founder must not increase nor decrease.
But, concerning the existing pledge, both have made an exception, but, still, an execution of a right of a pledge
is a transfer of a share in pledge on a face-to-face basis, namely, outside a stock market.

創業者が所有している株式は増加してもいけませんし減少してもいけないのです。
ただ、既存の質権に関しては両者は別扱いとしているのですが、しかしそれでも、
質権の実行は質権が設定されている株式の相対取引による、すなわち、市場外における譲渡なのです。