2021年4月10日(土)


「本日2021年4月10日(土)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. April 10th, 2021), 0 legal disclosure document has been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2021年4月10日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計0冊でした。

 

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計843日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜2020年4月30日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その5(2020年5月1日(金)〜2020年8月31日(月))
http://citizen2.nobody.jp/html/202005/PastLinksWithASummaryOfEachComment5.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その6(2020年9月1日(火)〜2020年12月31日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202009/PastLinksWithASummaryOfEachComment6.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その7(2021年1月1日(金)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202101/PastLinksWithASummaryOfEachComment7.html

 

ユニゾホールディングス株式会社の被雇用者が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 


フリージア・マクロス<6343>、持分法適用会社化を目指して日邦産業<9913>にTOB

フリージア・マクロスは、日邦産業株のTOB(公開買い付け)を実施すると発表した。
資本業務提携の強化により日邦産業の顧客提案力の向上と仕入れコストの低下というシナジー効果を実現し、
持分法適用会社化を通じてフリージア・マクロスの業績向上につながると期待している。
TOB後もフリージア・マクロスの株式保有割合は最大で27.57%にとどまり、日邦産業の上場は維持される見通し。
一方、日邦産業は「今回のTOBは一方的かつ突然に行われたものである」とし、
「公開買付届出書の内容などを精査した上で、速やかに見解を公表する」としている.
TOB価格は1株当たり930円で、公表前営業日での終値528円に76.13%のプレミアムをつけた。
買付予定数は71万4800株。応募総数が2万5000株を下回った場合は、買付を実施しない。買付代金は約6億6500万円。
公開買付代理人は三田証券。決済開始日は3月19日。
(M&A Online 2021/01/27)
ttps://maonline.jp/news/20210127d

 

 



R3.01.28
フリージア・マクロス株式会社
公開買付開始公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)




R3.03.10
フリージア・マクロス株式会社  
開始公告の変更公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)



R3.03.19
フリージア・マクロス株式会社
公開買付条件等の変更の公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)



R3.03.26
フリージア・マクロス株式会社
公開買付条件等の変更の公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)



R3.04.09
フリージア・マクロス株式会社
公開買付条件等の変更の公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)

 

 


R3.01.28 11:22
フリージア・マクロス株式会社
公開買付届出書 対象: 日邦産業株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.02.10 09:01
日邦産業株式会社
意見表明報告書 対象: フリージア・マクロス株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.02.15 16:41
フリージア・マクロス株式会社
訂正公開買付届出書 対象: 日邦産業株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.02.18 17:06
フリージア・マクロス株式会社
対質問回答報告書 対象: 日邦産業株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)


R3.03.09 09:00
日邦産業株式会社
訂正意見表明報告書 対象: フリージア・マクロス株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 


R3.03.10 14:01
フリージア・マクロス株式会社
訂正公開買付届出書 対象: 日邦産業株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.03.11 10:32
日邦産業株式会社
訂正意見表明報告書 対象: フリージア・マクロス株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.03.11 16:10
フリージア・マクロス株式会社
訂正公開買付届出書 対象: 日邦産業株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.03.15 11:21
日邦産業株式会社
訂正意見表明報告書 対象: フリージア・マクロス株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 



R3.03.19 16:39
フリージア・マクロス株式会社
訂正公開買付届出書 対象: 日邦産業株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)




R3.03.22 11:28
日邦産業株式会社
訂正意見表明報告書 対象: フリージア・マクロス株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.03.26 17:00
日邦産業株式会社
訂正意見表明報告書 対象: フリージア・マクロス株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)




R3.03.26 17:07
フリージア・マクロス株式会社
訂正公開買付届出書 対象: 日邦産業株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)




R3.03.29 10:58
日邦産業株式会社
訂正意見表明報告書 対象: フリージア・マクロス株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 


R3.04.09 12:55
フリージア・マクロス株式会社
訂正公開買付届出書 対象: 日邦産業株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)




R3.04.09 15:53
日邦産業株式会社
訂正意見表明報告書 対象: フリージア・マクロス株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 



注:
これまでに訂正公開買付届出書は計6冊提出されているのですが、
公開買付期間の延長を伴う場合のみ公開買付条件等の変更の公告が公告されているようでして、
これまでに公開買付条件等の変更の公告は計4回公告がなされています。
公開買付開始公告と公開買付条件等の変更の公告には、公開買付の目的や公開買付期間を延長する経緯について
簡潔にまとまっていますので、紹介をしたいと思います。


公開買付開始公告(2021年1月28日付)

>1.公開買付けの目的
>今般、公開買付者は、2021年1月27日開催の取締役会において、公開買付者としての業績向上を実現できる対象者の
>持分法適用会社化及び対象者との資本業務提携の交渉に際しての交渉力の強化を目的として、
>本公開買付けを実施することといたしました。


公開買付条件等の変更の公告(2021年3月10日付)

>3.買付条件等を変更する旨及びその理由 
>公開買付者は、2021年3月11日付けで本仮処分命令の申立てを行う予定ですが、裁判所で要する手続きの期間を踏まえた場合、
>当初設定した本公開買付期間内(2021年3月12日まで)に、本対抗措置としての新株予約権の無償割当ての決議に対して
>公開買付者が行う予定の本仮処分命令の申立ての決定まで至ることは想定できないと考えることから、
>当該裁判所の決定がなされない間は、本公開買付期間中に、本公開買付けに関して、
>対象者株主が、所有する対象者株式の全て又は一部について応募するか、或いは全てについて応募しないかの判断が困難である
>との考えの下で、裁判所で本仮処分命令の申立ての決定が下るまでは本公開買付期間を可能な限り延長する
>という方針に基づき、公開買付者は、本公開買付期間を2021年3月25日まで延長することを決定いたしました。


公開買付条件等の変更の公告(2021年3月19日付)
 
>3.買付条件等を変更する旨及びその理由
>公開買付者が当該内容に対して見解を有するに至り、2021年3月11日付けで、公開買付者のホームページ上において
>かかる見解を記載した資料の開示(以下「3月11日付公開買付者開示資料」といいます。)を行いました。
>当該資料を開示したことを踏まえ、2021年3月19日付けで関東財務局長に公開買付届出書の訂正届出書
>(以下「3月19日付訂正届出書」といいます。)を提出しております。

 



公開買付条件等の変更の公告(2021年3月26日付)

>3.買付条件等を変更する旨及びその理由
>2021年3月24日付けで、名古屋地方裁判所にて、本仮処分命令申立に対して、
>公開買付者による、本新株予約権の無償割当てを仮に差止める旨の決定が発令され、
>公開買付者は、引続き同時点においても本公開買付けの撤回は行わない方針を継続したこと及び名古屋地方裁判所より、
>当該発令に対して対象者が裁判所に同年3月25日付けで保全異議を申立てた旨の書面を、同年3月26日付けで公開買付者が
>受領したことを踏まえ、同年3月26日付けで関東財務局長に
>公開買付届出書の訂正届出書(以下「3月26日付訂正届出書」といいます。)を提出しております。


公開買付条件等の変更の公告(2021年4月9日付)

>3.買付条件等を変更する旨及びその理由
>対象者が2021年3月8日付けで決議をした新株予約権の無償割当ての差止めを求める同年3月11日付けの
>仮処分命令の申立てに対し、同年3月24日付けの当該新株予約権無償割当てを仮に差し止める旨の名古屋地方裁判所の発令
>に対して、対象者の同年3月25日付けの名古屋地方裁判所への保全異議の申立てが認められ、当該発令による仮処分決定を
>取消した旨及び当該申立てが却下された旨の書面を同年4月7日付けで受領したこと、
>並びに同年4月8日付けで公開買付者が当該決定に対して名古屋高等裁判所に保全抗告を郵送により申立てたことを踏まえ、
>同年4月9日付けで関東財務局長に
>公開買付届出書の訂正届出書(以下「4月9日付訂正届出書」といいます。)を提出しております。

 

 


注:
フリージア・マクロス株式会社は、「2019年2月14日」から日邦産業株式会社株式を市場内で買い進め始めました。
フリージア・マクロス株式会社は、その後約3ヶ月間に渡り日邦産業株式会社株式を市場内で断続的に買い進め、
「2019年5月23日」に日邦産業株式会社株式を合計19.68%保有するに至りました。
その後は、株式を買い増すことは一切せず保有し続けている状態で推移していたのですが、
最後に変更報告書を提出してから約1年7ヵ月ぶりのことになるのですが、
フリージア・マクロス株式会社は【保有目的】の変更を理由に「2021年1月28日」に変更報告書を提出しました。
大量保有報告書に記載されている【保有目的】の推移は以下の通りです↓。
また、参考までに、「大量保有報告書の提出履歴」と言わば閾となる日付に提出された大量保有報告書を紹介します↓。


【保有目的】「純投資及び政策投資として保有しております。」(2019年3月25日提出分から2019年5月24日提出分)

【保有目的】「純投資及び政策投資として保有しておりますが、
今後は、企業価値向上に向けた経営改善もお願いしていきたい。」(2019年6月13日提出分)

【保有目的】「発行者の持分法適用会社化及び
発行者との資本業務提携の交渉に際しての交渉力の強化を目的としている。」(2021年1月28日提出分)

 

「大量保有報告書の提出履歴」



H31.03.25 15:15
フリージア・マクロス株式会社
大量保有報告書 発行: 日邦産業株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)


R1.06.13 10:54
フリージア・マクロス株式会社
変更報告書 発行: 日邦産業株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)


R3.01.28 11:48
フリージア・マクロス株式会社
変更報告書 発行: 日邦産業株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 


2021年1月27日
フリージア・マクロス株式会社
日邦産業株式会社(証券コード:9913)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
ttp://www.freesiamacross-extruder.com/jp/pdf/notification/20210127.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年2月15日
フリージア・マクロス株式会社
(訂正)適時開示資料「日邦産業株式会社(証券コード:9913)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」の一部訂正について
ttp://www.freesiamacross-extruder.com/jp/pdf/notification/20210215.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年2月18日
フリージア・マクロス株式会社
日邦産業株式会社(証券コード:9913)の意見表明報告書による質問に対する回答に関するお知らせ
ttp://www.freesiamacross-extruder.com/jp/pdf/notification/20210218.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年3月4日
フリージア・マクロス株式会社
日邦産業株式会社(証券コード:9913)の独立委員会からの質問に対する回答に関するお知らせ
ttp://www.freesiamacross-extruder.com/jp/pdf/notification/20210304.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)

 

 


2021年3月10日
フリージア・マクロス株式会社
日邦産業株式会社に対する公開買付けの条件変更に伴う
「日邦産業株式会社(証券コード:9913)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」の変更に関するお知らせ
ttp://www.freesiamacross-extruder.com/jp/pdf/notification/20210310.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年3月11日
フリージア・マクロス株式会社
日邦産業株式会社に対する公開買付けの条件変更に伴う
「日邦産業株式会社(証券コード:9913)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」の変更に関するお知らせ
ttp://www.freesiamacross-extruder.com/jp/pdf/notification/20210311-1.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年3月11日
フリージア・マクロス株式会社
日邦産業株式会社の買収防衛策に基づく新株予約権の新株予約権無償割当て差止仮処分の申立てに関するお知らせ
ttp://www.freesiamacross-extruder.com/jp/pdf/notification/20210311-2.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年3月12日
フリージア・マクロス株式会社
日邦産業株式会社の意見に対する当社の見解について
ttp://www.freesiamacross-extruder.com/jp/pdf/notification/20210312.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)

 

 



2021年3月19日
フリージア・マクロス株式会社
日邦産業株式会社に対する公開買付けの条件変更に伴う
「日邦産業株式会社(証券コード:9913)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」の変更に関するお知らせ
ttp://www.freesiamacross-extruder.com/jp/pdf/notification/20210319.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)





2021年3月24日
フリージア・マクロス株式会社
日邦産業株式会社の買収防衛策に基づく新株予約権無償割当て差止め仮処分の申立てに対する決定の発令に関するお知らせ
ttp://www.freesiamacross-extruder.com/jp/pdf/notification/20210324.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)





2021年3月26日
フリージア・マクロス株式会社
日邦産業株式会社に対する公開買付けの条件変更に伴う
「日邦産業株式会社(証券コード:9913)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」の変更に関するお知らせ
ttp://www.freesiamacross-extruder.com/jp/pdf/notification/20210326.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年4月7日
フリージア・マクロス株式会社
日邦産業株式会社の買収防衛対策に基づく新株予約権無償割当て差止めの仮処分の決定に対する
保全異議の申立ての結果に関するお知らせ
ttp://www.freesiamacross-extruder.com/jp/pdf/notification/20210407.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)

 

 


2021年4月9日
フリージア・マクロス株式会社
日邦産業株式会社に対する公開買付けの条件変更に伴う
「日邦産業株式会社(証券コード:9913)に対する公開買付の開始に関するお知らせ」の変更に関するお知らせ
ttp://www.freesiamacross-extruder.com/jp/pdf/notification/20210409.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年4月9日
フリージア・マクロス株式会社
日邦産業株式会社の買収防衛策に基づく新株予約権無償割当て差止めの仮処分の決定取消し等に対する
保全抗告の申立に関するお知らせ
ttp://www.freesiamacross-extruder.com/jp/pdf/notification/20210409-2.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




 


日邦産業株式会社から発表されたプレスリリース一覧↓。


当社株式の公開買付けに関する対応
ttps://www.nip.co.jp/tob_news.html

 

 


【コメント】
フリージア・マクロス株式会社が持分法適用関連会社化することを目的に日邦産業株式会社に対して公開買付を実施する、
とのことです。
この事例に関連する記事と法定開示書類とプレスリリースを紹介しています。
公開買付自体は2021年1月28日(木曜日)から開始されており、開始当初は公開買付期間は2021年3月12日(金曜日)まで
の予定(30営業日)であったわけですが、日邦産業株式会社には従来から買収防衛策が導入されていましたので、
その買収防衛策の発動と差し止めにまつわる丁々発止の応酬が現在も続けられている状態です。
買収防衛策に関して裁判所からの判決を待つ必要もある関係上、公開買付期間は今日現在までに計4回延長されており、
現在の公開買付期間は「2021年4月23日(金曜日)まで(60営業日)」となっています。
一連の法定開示書類の記載を読みますと、公開買付者は文字通り「経過報告」を理由に
公開買付期間を延長し続けているように私には思えました。
公開買付者と対象会社との揉め事は株式市場の投資家には関係がないわけですから、
たとえ公開買付が公開買付者にとって不本意な結果になろうとも、
投資家保護を第一に考えた公開買付制度であるべきなのではないかと私は考えます。
それにしましても、法定開示書類に記載されています買収防衛策の発動と差し止めにまつわる丁々発止の応酬を読んでいて、
妙なことが書かれているなと思った点がありますので、その点について一言だけ書きたいと思います。
2021年4月9日に公告がなされました公開買付条件等の変更の公告に記載されています
「3.買付条件等を変更する旨及びその理由」を簡単にまとめますと、次のような内容になろうかと思います。

公開買付者は、対象会社が発動した買収防衛策(新株予約権の無償割当て)の差止めを求めて
名古屋地方裁判所に仮処分命令の申立てを行ったところ、名古屋地方裁判所からは当該新株予約権無償割当てを
仮に差し止める旨発令された。
ところが、その発令を受けて対象会社は名古屋地方裁判所へ保全異議の申立てを行ったところ、
名古屋地方裁判所からその異議申し立てが認められ当該発令による仮処分決定を取消したという連絡が公開買付者に届いた。

話の流れが完全におかしいなと私は思いました。
名古屋地方裁判所は、対象会社による新株予約権の無償割当てを差し止める命令を発令しておきながら、
その約2週間後には新株予約権の無償割当てを差し止める命令を取り消す、という正反対の命令を発令しています。
対象会社による新株予約権の無償割当てを差し止める命令を発令したのが名古屋地方裁判所なら
新株予約権の無償割当てを差し止める命令を取り消すという命令を発令したのも同じ名古屋地方裁判所であるわけです。
端的に言いますと、「最初に対象会社による新株予約権の無償割当てを差し止める命令を発令したのは
一体何だったのか?」(なぜ突然正反対のことを言い出しているのか?)という話になろうかと思います。
失礼ながら、「名古屋地方裁判所は多重人格者なのか?」と公開買付者は言いたくなったのではないでしょうか。
三審制を前提のこととしますと、「地方裁判所の決定内容を取り消すことができるのは高等裁判所だけである。」
という考え方になるのではないだろうかと私は考えます。
他の言い方をすれば、「地方裁判所は地方裁判所の決定内容を取り消すことはできない。」という考え方になると私は思います。
この事例に即して言えば、対象会社は名古屋高等裁判所に対し保全異議の申立てを行うべきだったのだと私は考えます。


A purpose of a court lies not in making an exchange of heated arguments continue for years
but in making an exchange of heated arguments be brought to an end forever.

裁判所の存在意義は、丁々発止の応酬を延々と続けさせることではなく、丁々発止の応酬を永久に終わらせることにあるのです。