2021年2月9日(火)



「本日2021年2月9日(火)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」




Today (i.e. February 9th, 2021), 536 legal disclosure documents have been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2021年2月9日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計536冊でした。

 

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計784日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜2020年4月30日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その5(2020年5月1日(金)〜2020年8月31日(月))
http://citizen2.nobody.jp/html/202005/PastLinksWithASummaryOfEachComment5.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その6(2020年9月1日(火)〜2020年12月31日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202009/PastLinksWithASummaryOfEachComment6.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その7(2021年1月1日(金)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202101/PastLinksWithASummaryOfEachComment7.html

 

ユニゾホールディングス株式会社の被雇用者が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 

 



2021年2月9日(火)日本経済新聞
サンケン電気にTOB エフィッシモ 出資、最大30%へ
(記事)




2021年2月9日(火)日本経済新聞 公告
公開買付開始公告についてのお知らせ
ECM マスター ファンド SPV 2
(記事)




R3.02.09
ECM マスター ファンド SPV 2
公開買付開始公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)




R3.02.09 12:15
ECM マスター ファンド SPV 2
公開買付届出書 対象: サンケン電気株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)




R3.01.07 16:32
エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディー
(Effissimo Capital Management Pte Ltd)
変更報告書(特例対象株券等) 発行: サンケン電気株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 


2021年2月8日
サンケン電気株式会社
ECM マスター ファンドSPV 2による当社株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
ttps://pdf.irpocket.com/C6707/HTFv/SPDi/euk7.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




 

【買付け等に要する資金】の「その他」には公開買付を開始するために要した費用(公開買付関連費用)を記載する
という点について考えさせられたプレスリリース↓。


2021年2月3日
サンケン電気株式会社
個別営業外収益及び特別利益の計上、連結営業費用及び営業外費用の計上、通期連結業績予想の修正
並びに配当予想の修正に関するお知らせ
ttps://pdf.irpocket.com/C6707/HTFv/qgkX/dfFJ.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)





公開買付者の所在地に「気付」という言葉が書かれていますが、「気付」という言葉についての解説記事↓。


「気付」の意味とは?正しい使い方と書き方!様方・御中との違いも
(Trans.Biz ビジネス知識 業務知識 2018.12.05)
ttps://biz.trans-suite.jp/12333

「PDF印刷・出力したファイル」




 

「サンケン電気株式会社の過去5年間の値動き」

 

 


【コメント】
旧村上ファンドの元社員3人がシンガポールに設立した投資ファンドであるエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが
半導体関連事業を手掛けるサンケン電気株式会社の株式を追加で取得することを目的に公開買付を実施するとのことです。
エフィッシモ・キャピタル・マネージメントは共同保有分を含めると現在サンケン電気株式会社の議決権の9.97%を
保有しているのですが、株式を最大で20.03%を追加取得することで議決権を最大で30%にまで引き上げる方針です。
エフィッシモ・キャピタル・マネージメントは「物言う株主」(アクティビスト)として知られているのですが、
公開買付届出書によりますと、なぜ投資方針が異なるのかは分かりませんが、少なくともサンケン電気株式会社に関しては、
「議決権の行使により、@対象者の経営を支配すること、A重要提案行為等を行うこと、B取締役の派遣により対象者の経営に
影響を及ぼすことは目的としておらず、対象者普通株式の中長期的な企業価値の向上に伴う値上がり益及び配当益を得る
という『純投資』を目的としている。」とのことです(このたびの追加取得も全く同じ目的に基づいて行うとのことです)。
公開買付後も対象会社にはこれまで通りの事業運営を行っていただきたいとエフィッシモ側は考えているようです。
「向こう三軒両隣」という言葉がありますが、他の出資先とは異なり株主としては極めて限定的な対応方針にはなりますが、
サンケン電気株式会社への出資に関しては親しく友好的にやっていこうということなのかもしれません(冗談ですが)。
紹介している新聞記事と法定開示書類とプレスリリースを題材にして、一言だけコメントを書きたいと思います。
まず法律上の公開買付者についてですが、名称は「ECM マスター ファンド SPV 2」となっていますが、
結論を先に言えば「ECM マスター ファンド SPV 2」は法人(法律行為を行う能力を有する法律上の人)ではありません。
公開買付届出書には、「ECM マスター ファンド SPV 2」はケイマン諸島法に基づき設立された会社であるとは記載されていますが、
ケイマン諸島法に基づき設立された法人ではないのです(「ECM マスター ファンド SPV 2」自体には法人格は存在しないのです)。
公開買付届出書に記載されている「ECM マスター ファンド SPV 2」の所在地には「気付」という言葉が記載されていますが、
公開買付者の法律上の名称はケイマン諸島法に基づき設立された法人である"Conyers Trust Company (Cayman) Limited"
ということになると私は思います(「ECM マスター ファンド SPV 2」はこの法人の一部署名であるように私には思えます)。
株式の追加取得を行うに際しエフィッシモ側が市場内取引ではなく公開買付という手法を選択した理由の1つとして、
公開買付届出書には「自らの買付けにより生じる価格変動(マーケットインパクト)を防ぐことができる」と記載されています。
株式市場における株価を気にしているということは、エフィッシモ側は最終的にはサンケン電気株式会社株式を売却することを
目的に追加取得を行うということなのかもしれないな、と私は思いました。
エフィッシモ・キャピタル・マネージメントはシンガポール共和国法に基づき設立された「投資運用会社」です。
エフィッシモ・キャピタル・マネージメントは「事業運営会社」ではなく「投資運用会社」です。
公開買付の開始に伴い業務執行者はシンガポールと日本を何回か往復することになるのでしょうが、将来の売却を目的に
株式の取得を行うからこそ、公開買付を開始するために要した費用(航空券代等)は株式の取得価額を構成するはずです。
公開買付届出書記載の【買付け等に要する資金】の「その他」には、日本国内で庶務を代行する弁護士への報酬に加え、
公開買付の開始に関連する国際電話の通信費等や経営陣との対話で用いたホテル(会議室)代等をも含めるべきだと考えます。

In this case, a tender offerer has commenced a tender offer
on a major presupposition that it will sell a share in the future.
(この事例では、公開買付者は将来株式を売却することを大前提に公開買付を開始しているのです。)

An acquisition value of a subject company share includes
expenses which are especially called for in order to commence a tender offer.
(対象会社株式の取得価額には、公開買付を開始するために特に要した費用が含まれます。)

An address "Kiduke" in Japanese ("Care of" in English) indicates
a destination where an object person is naturally expected to stay.
(日本語の「気付」(英語では"Care of")という宛て名は、目的としている人物が当然そこにいるはずの届け先を表します。)