2021年2月2日(火)



「本日2021年2月2日(火)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. February 2nd, 2021), 130 legal disclosure documents have been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2021年2月2日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計130冊でした。

 

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計777日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜2020年4月30日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その5(2020年5月1日(金)〜2020年8月31日(月))
http://citizen2.nobody.jp/html/202005/PastLinksWithASummaryOfEachComment5.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その6(2020年9月1日(火)〜2020年12月31日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202009/PastLinksWithASummaryOfEachComment6.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その7(2021年1月1日(金)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202101/PastLinksWithASummaryOfEachComment7.html

 

ユニゾホールディングス株式会社の被雇用者が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 



2021年1月30日(土)日本経済新聞
帝人、再生医療系にTOB 最大216億円 ヘルスケア強化
(記事)




2021年2月1日(月)日本経済新聞 公告
公開買付開始公告についてのお知らせ
帝人株式会社
(記事)




R3.02.01
帝人株式会社
公開買付開始公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)




R3.02.01 14:18
帝人株式会社
公開買付届出書 対象: 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
(EDINET上と同じPDFファイル) 



 
R3.02.01 15:00
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
意見表明報告書 対象: 帝人株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)



R3.02.01 10:40
富士フイルム株式会社
変更報告書 発行: 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
(EDINET上と同じPDFファイル)

 





R2.06.19 16:14
帝人株式会社
有価証券報告書−第154期(平成31年4月1日−令和2年3月31日)
(EDINET上と同じPDFファイル)




R2.06.26 10:14
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
有価証券報告書−第22期(平成31年4月1日−令和2年3月31日)
(EDINET上と同じPDFファイル)

 


株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの既存の筆頭株主である富士フイルム株式会社は、
2019年11月14日に富士フィルム富山化学株式会社から株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング株式を
相対取引で取得したのですが、その取得に伴い、株式所有割合が46.05%から50.13%に増加しています↓。


H30.10.31 15:31
富士フイルム株式会社
変更報告書 発行: 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
(EDINET上と同じPDFファイル)


R1.11.19 13:27
富士フイルム株式会社
変更報告書 発行: 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 



2021年1月29日
帝人株式会社
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング株式(証券コード7774)に対する公開買付けの開始
及び同社との資本業務提携契約の締結に関するお知らせ
ttps://www.teijin.co.jp/news/2021/01/29/20210129_01.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)





直近では、帝人株式会社は2020年11月2日に業績予想の修正を開示しています↓。

2020年11月2日
帝人株式会社
業績予想の修正に関するお知らせ
ttps://www.teijin.co.jp/news/2020/11/02/20201102_03.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




 

2021年1月29日
富士フイルム株式会社
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング株式の帝人株式会社への譲渡について
ttps://www.fujifilm.com/jp/ja/news/list/5946

「PDF印刷・出力したファイル」




2021年1月29日
富士フイルムホールディングス株式会社
子会社株式に対する公開買付けに係る応募契約の締結に関するお知らせ
ttps://ir.fujifilm.com/ja/investors/ir-news/auto_20210129452256/pdfFile.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)

 

 


2021年1月29日
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
2021年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/7774/tdnet/1924457/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年1月29日
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
【決算説明資料】 2021年3月期 第3四半期
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/7774/ir_material_for_fiscal_ym1/94611/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年1月29日
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
2021年3月期通期業績予想ならびに中期経営計画(数値計画)の公表に関するお知らせ
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/7774/tdnet/1924461/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年1月29日
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
帝人株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明及び同社との資本業務提携契約締結に関するお知らせ
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/7774/tdnet/1924460/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2021年1月29日
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
コーポレート・ガバナンスに関する報告書
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/7774/tdnet/1924540/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)

 

 


【コメント】
帝人株式会社が富士フイルム株式会社の子会社で再生医療を手掛ける株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングに対し
富士フイルム株式会社から所有株式を取得することのみを主な目的として公開買付を実施する、とのことです。
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングは公開買付後も株式の上場を維持する方針であるとのことです。
この事例に関する新聞記事と法定開示書類とプレスリリースを紹介していますが、これらを題材にして、本来的には業績予想は
投資家が行うことであることを認めつつ、「発行者自身による業績予想」について一言だけコメントを書きたいと思います。
過去のプレスリリースを見てみますと、帝人株式会社は、2021年3月期(2020年4月1日〜2021年3月31日)の連結業績について、
2020年5月8日にも業績予想を発表していましたし2020年8月5日にも業績予想を発表していました。
そして、2020年11月2日の業績予想の発表で3回目の業績予想の発表です。
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの連結子会社化に伴い、
帝人株式会社は当然のことながら再度(すなわち、4回目の)業績予想を発表することでしょう。
次に帝人株式会社が業績予想を発表するのは、公開買付の終了日である2021年3月2日(火曜日)とも考えられますし、
決済日である2021年3月9日(火曜日)とも考えられますし、はたまた、公開買付届出書に記載されていますように
このたびの公開買付は既存の支配株主との応募契約を鑑みれば成立が公開買付の開始時点で確実であるため
公開買付期間中のいずれかの日(つまり、2021年3月1日(月曜日)以前のいずれかの日)とも考えられます。
もしくは、新規に支配を獲得する(連結子会社のことはまだ知らない)関係上、連結業績の精査には一定度の時間がかかるため、
帝人株式会社が業績予想を発表するのは2021年3月10日(水曜日)以降のいずれかの日(決算期末日である2021年3月31日
よりもさらに後の日という可能性もあり得ます)とも考えられます。
それらのいずれにせよ、帝人株式会社が4回目の業績予想を発表した時、帝人株式会社株式の本源的価値は変動するのです。
少なくとも株式市場の投資家にとっては、です。
2021年3月期も残り後2ヶ月を切りました。
今回はあくまで新規に支配を獲得するということで、帝人株式会社は結局4回目の業績予想を発表しないかもしれません。
しかし、少なくとも株式市場の投資家にとってはそれもまた1つの情報開示と考えるしかないのかもしれないなと私は思いました。
例えば、帝人株式会社は株式市場の投資家に対しこうメッセージを発していると考えてみてはどうでしょうか。

「株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの連結子会社化は連結業績に計数としては一定度の影響をもちろん与えるが、
その連結上の数値は株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの種々の開示情報を用いれば十分に推計可能だ。
例えば、株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング提出の有価証券報告書に「帝人」の文字は1文字も記載されていない。
これはすなわち、株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングは帝人株式会社と商取引は一切もしくは極僅かしか
行っていないということを意味する(つまり、連結上修正消去すべき内部取引が一切もしくは極僅かしかない、ということ)。
帝人株式会社の2021年3月期の連結業績は、@帝人株式会社自身による2020年11月2日付けの業績予想と
A株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの直近の業績予想を含む種々の開示情報を組み合わせれば
自ずと導き出せる(経営上のシナジーはまだないが、連結業績は幸か不幸か内部取引がないため単純合算するだけのことだ、と)。
その意味において、株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの連結子会社化は投資家の投資判断に重大な影響は
与えない(つまり、連結子会社化の影響を加味した業績予想はこの場合は発表する必要はない)と言える。」

"No disclosure is a good disclosure." (開示がないのはよい開示)などとはもちろん言いませんが、
「両社の既存の種々の開示情報が既に十分な投資判断の根拠だ(それらを用いれば、投資家は自分で業績を十分に予想できる)。」
と言えるのではないかと私は思いました。
極端な言い方をすれば、帝人株式会社は連結子会社化の影響を加味した業績予想をある意味「既に開示済み」なのです。
発行者自身による業績予想は投資家による業績予想を"reinforce"(補強)する役割を果たす、という考え方もあると思います。
好意的に解釈すれば、発行者自身による業績予想というのは投資家にとって「補強材料」であり1つの「素材」なのです。
帝人だけに、というのは冗談ですが。

 

 


Every time a company executes one operation, an intrinsic value of a share of the company can change.
Every time a company submits one Annual Securities Report, an intrinsic value of a share of the company can change.
And, every time a company discloses one financial result forecast,
an intrinsic value of a share of the company can change (at least from a standpoint of investors in a stock market).

会社が1つ業務を執行するたびごとに、その会社の株式の本源的価値は変動し得るのです。
会社が1冊有価証券報告書を提出するたびごとに、その会社の株式の本源的価値は変動し得るのです。
そして、会社が業績予想を開示するたびごとに、
その会社の株式の本源的価値は変動し得るのです(少なくとも株式市場の投資家の立場からは、です)。

 

A combination of a financial result forecast made by a parent company and that made by a new subsidiary company
reveals the recent consolidated financial result forecast of the parent company.

親会社の業績予想と新規の連結子会社の業績予想を組み合わせることで、親会社の直近の連結業績予想が見えてくるのです。

 

Abstractly speaking, information disclosure documents are not always used "individually."
Information disclosure documents sometimes become useful "when in combination."

抽象的に言えば、情報開示書類は「個別に」利用するとは限らないのです。
情報開示書類は「組み合わせた時に」役に立つことがあるのです。

 

Some investors in a stock market may be able to survive even a lack of a new financial result forecast
made by Teijin Limited.
A combination of the existing financial result forecast made by Teijin Limited and that made by
Japan Tissue Engineering Co., Ltd. will survive a uselessness of both of the old financial result forecasts.

株式市場の投資家の中には、たとえ帝人株式会社が新しい業績予想を行わないとしても生き残ることができる
投資家もいるかもしれません。
帝人株式会社の既存の業績予想と株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの既存の業績予想とを組み合わせれば、
両社のそれらもう古い業績予想が役に立つようになります。

 

A financial result forecast made by an issuer itself is, as it were,
a "reinforced raw material" for an investment judegement made by an investor in a stock market.

発行者自身による業績予想というのは、言わば株式市場の投資家が行う投資判断のための「補強素材」なのです。