2020年5月11日(月)



「本日2020年5月11日(月)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. May 11th, 2020), 294 legal disclosure documents have been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2020年5月11日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計294冊でした。

 

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計510日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜2020年4月30日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その5(2020年5月1日(金)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202005/PastLinksWithASummaryOfEachComment5.html

 

ユニゾホールディングス株式会社の被雇用者が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 

 


2020年5月9日(土)日本経済新聞
ニチイ学館、MBOへ 米ベインと 全株取得で総額1000億円
(記事)


2020年5月11日(月)日本経済新聞 公告
公開買付開始公告についてのお知らせ
株式会社BCJ-44
(記事)

 

R2.05.11
株式会社BCJ−44
公開買付開始公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)


R2.05.11 12:53
株式会社BCJ−44
公開買付届出書 対象: 株式会社ニチイ学館  
(EDINET上と同じPDFファイル)



 
R2.05.11 14:26
株式会社ニチイ学館
意見表明報告書 対象: 株式会社BCJ−44
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 

 


2020年5月8日
株式会社ニチイ学館
株式会社BCJ−44 による株式会社ニチイ学館(証券コード:9792)の株券等に対する公開株式買付けに関するお知らせ
ttps://www.nichiigakkan.co.jp/topics/assets/99b20eb8b9ed5addf8ee94f4977245225d76471e.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2020年5月8日
株式会社ニチイ学館
MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ
ttps://www.nichiigakkan.co.jp/topics/assets/d0cbbd7781eb0465e04b32936d0186d7c891eb13.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)





2020年5月8日
株式会社ニチイ学館
株主優待制度の廃止に関するお知らせ
ttps://www.nichiigakkan.co.jp/topics/assets/7b9d5c849a7ff1837af8e4d81b3e835f12daf87d.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2020年5月8日
株式会社ニチイ学館
定款の一部変更に関するお知らせ
ttps://www.nichiigakkan.co.jp/topics/assets/16afffb2a99fe0f399af8b6cc119ec958ff7247d.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)

 

 



【コメント】
介護大手のニチイ学館がMBO(経営陣が参加する買収)を実施し株式の非公開化を目指す、とのことです。
記事や法定開示書類やプレスリリースを読んでいて気になった点について一言だけ書きたいと思います。
まず、記事には、現経営陣はMBO実施後も継続して経営にあたる、と書かれていますが、同時に次のようにも書かれています。

>森社長やニチイ学館の創業家は出資を続けることを検討している。

以前も書いた論点になりますが、MBOにおいて現経営陣が会社に出資をするのは大前提のことだと言いますか、
元来的には現経営陣が買収資金の全額を拠出して会社を買収するのがMBOであるわけです。
MBOにおいて現経営陣が会社に出資をしないとなりますと、それはもはやMBOでも何でもないわけです。
現経営陣が実施する企業買収ではなく、ただ単に「現経営陣が賛同する企業買収」というだけです。
そして、ただ単に「現経営陣が買収完了後も経営にあたる企業買収」というだけです。
MBOと呼ばれる企業買収とは全く異なると言わねばならないでしょう。
次に、このたびの公開買付における買付予定数の下限についてですが、最終的には全株式を取得することが目的である
にも関わらず、買付予定数の下限は簡略化して言えば「発行済株式総数と新株予約権の41.9%」となっています。
何とも中途半端な数値だなと思ったわけですが、公開買付者が「R2.05.11 12:53」に提出した公開買付届出書には、
設定されたこの買付予定数の下限について次のように書かれています。

第1【公開買付要項】 3【買付け等の目的】 (1) 本公開買付けの概要
(5/52ページ)

公開買付者が一部の大株主との間で株式譲渡契約を締結しているため記述が若干分かりづらくなっていますが、
背景なども踏まえて要約しますと、買付予定数の下限は「新株予約権が全て行使された後の株式総数の3分の2」となっています。
他の言い方をすると、「公開買付者は、公開買付に対し『発行済株式総数と新株予約権の41.9%』の応募があれば、
対象会社の株式総数の3分の2を取得する。」ということになります。
公開買付届出書にも記載があることなのですが、対象会社の筆頭株主は明和という会社(24.76%所有)なのですが、
公開買付者は明和の株主(自然人1名)と明和株式を公開買付者へ相対取引で譲渡してもらう株式譲渡契約を締結しています。
市場の投資家にとっては買付予定数の下限は「発行済株式総数と新株予約権の41.9%」かもしれませんが、
公開買付者にとっては買付予定数の下限は実質的に「発行済株式総数と新株予約権の3分の2」なのです。
公開買付者は他の大株主数名との間でも公開買付応募契約を締結しているわけなのですが、
公開買付者と大株主との間の契約については市場の投資家はどうすることもできないと考えるしかないと思います。
公開買付者と大株主との間の交渉事を防止したいのならば、株主名簿を全面的に非公開にするしかない、ということになるでしょう。
それから、公開買付者は最終的には対象会社の発行済株式総数の全てを直接に保有することが目的なのではないかと思うのですが、
仮にこのたびの公開買付の成立後に公開買付者が明和から相対取引で対象会社株式を譲り受けるとなりますと、結局のところ、
相対取引で上場株式の過半数を取得したことになってしまうと思います(相対取引の結果、所有割合が41.90%から66.67%になる)。
公開買付者が対象会社株式を所有する明和の株式を相対取引で取得する分には公開買付は義務付けられませんが、
公開買付者が明和から対象会社株式を取得する際には公開買付が義務付けられることになるのではないかと思いました。
証券規制上、公開買付者と明和はいわゆる「共同保有」の状態でMBOの取引を進めていかねばならないのではないかと思いました。

In this case, the lower limit of the number of shares sought for a purchase is
virtually "two-thirds of the shares issued," at least from a standpoint of a tender offerer.

この事例では、買付予定数の下限は実質的には「発行済株式の3分の2」なのです。少なくとも公開買付者の立場からはです。