2020年5月19日(火)


「本日2020年5月19日(火)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. May 19th, 2020), 157 legal disclosure documents have been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2020年5月19日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計157冊でした。

 

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計518日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜2020年4月30日(木))
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その5(2020年5月1日(金)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202005/PastLinksWithASummaryOfEachComment5.html

 

ユニゾホールディングス株式会社の被雇用者が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 

 


2020年5月13日(水)日本経済新聞
中国・楽視網、上場廃止へ 売買取引停止1年 再建めど立たず
(記事)




2020年5月16日(土)日本経済新聞
中国・楽視網 上場を廃止
(記事)




中国ネット動画の楽視網、上場を廃止

【大連=渡辺伸】中国インターネット動画配信企業の楽視網信息技術は14日、深セン証券取引所での株式上場が
同日廃止になったと発表した。3期連続の最終赤字となり、再建のめどが立たないため。
急激な事業多角化に伴って資金繰りが悪化し、負債総額は3月末時点で208億元(約3100億円)に膨らんだ。
楽視網は2004年に創業。サッカーなどの動画配信が強みで、自社ブランドのテレビやスマートフォン販売なども
一定の成功を収めた。創業者の賈躍亭氏は電気自動車(EV)事業への参入も表明し、
かつては「中国のスティーブ・ジョブズ」と持ち上げられたが、EVへの投資を始めた16年ごろから経営が悪化した。
19年5月に上場を一時停止した。19年12月期の売上高は前の期比で69%減の4億8500万元。
最終損益は112億元の赤字と、3年連続で利益を出せなかった。
    ◇
日本経済新聞社は楽視網信息技術の上場廃止に伴い、アジアの主要企業を選ぶ「Asia300」の対象から同社を除外しました。
(日本経済新聞 2020/5/15 17:30)
ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO59161330V10C20A5FFN000/

 

 

Delisting after a circuit-breaker.

サーキット・ブレーカー後の上場廃止

 

 

 



楽視網の株式取引が一時停止になった時のちょうど1年前の記事↓。

 

中国ネット動画の楽視網、上場停止 債務超過に 「債務の解決策まだない」

【大連=渡辺伸】中国インターネット動画配信の楽視網信息技術は13日、深セン証券取引所の新興企業市場「創業板」での
上場が一時停止になったと発表した。動画配信サービスで成長し、中国スタートアップ企業の雄として一時的に名をはせたが、
急激な事業多角化で負債が膨らみ債務超過に陥った。
張巍総経理は先週末に開いた経営説明会で「債務を解決する方法はまだない」と述べた。
上場停止は、2018年12月期に純資産が約30億元(約480億円)のマイナスとなったため。今後1年間で債務超過を解消するなど
経営を再建できない場合、上場はこのまま廃止となる。楽視網は「大株主や関係者と再建策を引き続き協議する」としている。
同取引所は、4月26日から楽視網の株式取引を一時停止していた。取引所の規則により、
株取引の停止日から15日以内(取引日ベース)に、上場も一時停止にするかどうかを判断している。
楽視網は18年12月期に約41億元の最終赤字となった。最終赤字は2年連続だ。
経営不安が続き、動画サイトの会員数が減ったことなどが響いた。楽視網は04年に創業した。
サッカーなどの動画配信に強みを持ち、その後に参入したテレビ事業やスマートフォン事業でも一定の成功を収めた。
さらに創業者の賈躍亭氏は電気自動車(EV)事業への参入も表明し「中国のスティーブ・ジョブズ」と持ち上げられた。
だが賈氏がEVへの投資を始めた16年から混乱を極めた。予定通りにEV計画が進まないなど混乱の責任を取り、
同氏は17年に経営トップの董事長を退任した。ただ賈氏は現在も楽視網の株式約24%を持つ筆頭株主だ。
再建のカギを握るが米国に逃亡しているとの噂は絶えず「賈氏の動向は把握できていない」(楽視網)という。
同社の再建を巡っては、第2位株主の不動産大手、融創中国グループが経営トップを派遣して再建に動いていた。
(日本経済新聞 2019/5/13 19:30)
ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO44716430T10C19A5FFJ000/


「テレビなどを売る楽視網の店舗は大半が閉鎖に追い込まれた(遼寧省大連)」

 

 


驚いたことに、楽視網の創業者(現在も楽視網の株式の約24%を持つ筆頭株主です)は、
楽視網の株式が売買停止になった後の2019年10月に個人として米国で破産申請をしていたとのことですが、その時の記事です↓。

 

富豪実業家が米国で破産申請、中国国内の債務はどうなる?

【10月23日 CNS】中国の上場IT企業「楽視網」の創始者、賈躍亭(Jia Yueting)氏が、米国で個人破産申請をしたことを
メディアが報じた。澎湃新聞(The Paper)は、同氏の債権者の事情に詳しい人物の情報として
「賈氏が米国の裁判所に『個人破産・資産整理』を自主申請した」と伝えている。
 申請により、賈氏はすべての資産を「債権者信託方式」で債権者に譲渡し、
その信託資産は債権者委員会と信託財産受託人によって管理されるという。
一方、弁護士は「賈氏の個人破産は米国においては有効だが、中国国内の債務に対しては依然として中国の法律が適用され、
中国国内の債権者は中国法に基づいて自己の権利を主張できる」との見解を示している。
 事業の主力を自動車製造に移した賈氏について、中国の富豪番付「胡潤百富(Hurun Report)」は先日、
個人資産45億元(約689億円)で富豪順位912番目に載せていた。
 中国の経済紙「時代週報(The Time Weekly)」は以前、2017年上半期に楽視網グループは全面的に資金調達危機に陥った
と報じていた。楽視網の供給業者に対する未払い金約100億元(約1530億円)、
借入金約200億元(約3060億円)、債務総額350億元(約5360億円)におよぶ。
賈氏は楽視網の時の董事長として、債務の大部分に「連帯弁済責任」を負うとしている。
 賈氏はこれらの債務をすでに返済したのか否かが焦点だが、米国の電気自動車ベンチャー企業は今年8月、
自社の微信(ウィーチャット、WeChat)公式サイトで
「賈躍亭氏は過去2年間で多くの方法で30億ドル(約3260億円)の中国国内債務を返済した。
債務返済信託基金の設立は債務問題を速やかに徹底的に解決するためのもの」と回答している。
 もしこの返済済み金額が事実であれば、賈氏はまだ国内に100億元(約1500億円)を超す債務があることになる。
 一方、楽視網の19年上半期業績報告を見ると、「負債比率」が268%と高い数値になり、
負債総額はまだ216億元(約3310億円)ある。同報告によると、19年6月30日の時点で、
楽視網の大株主(賈氏)及びその実質支配下企業が連結負担すべき債務は約19億8500万元(約304億円)存在するとしている。
 同報告ではまた、18年8月から現在まで楽視網と大株主及びその関連企業は何度も交渉を重ねたが、
債務返済について合意に至らず、現時点で大株主とその関連企業の債務処理チームはまだ実行可能な解決案を
提示できていないため、楽視網は債務解決案によるキャッシュをまだ一銭も得ていない状況だ。
(AFPBB News 2019年10月23日 15:00 発信地:中国 [ 中国 中国・台湾 ] )
ttps://www.afpbb.com/articles/-/3250252


「楽視網のロゴマークの前に立つ賈躍亭氏(2013年5月8日撮影)。」

 

 



楽視網の創業者は「中国のスティーブ・ジョブズ」という評価をかつては受けていたようなのですが、
アップルのライバルと言えば日本ではソニーです。
ソニーは社名を「ソニーグループ」に変更するとのことです↓。

 

「ソニーグループ」に社名変更 事業間の融合促進

ソニーが2021年4月に社名をソニーグループに変更する。完全子会社化するソニーフィナンシャルホールディングス(SFH)の
金融事業を含めて、各事業を俯瞰(ふかん)しながら、グループ全体の視点で戦略を立てる本社機能に特化する。
新型コロナウイルスの感染拡大で生活様式などが変わる中、多くの事業の強みを持ち寄り、競争力を高める。
ソニーの社名は、テレビやカメラなどを手掛けるエレクトロニクス事業の中間持ち株会社の社名として残す。
ソニーの事業はテレビやカメラ、半導体センサー、ゲーム、音楽、映画と多岐にわたる。事業間のシナジーが乏しく
割安な株価につながっていると、株主である米有力アクティビストのサード・ポイントなどから批判を浴びてきた。
吉田憲一郎社長は19日に開いたオンラインでの会見で、社名変更とSFHの完全子会社化を決断した理由について、
多岐にわたる事業が長期的な経営の安定につながっていることを、創業者の盛田昭夫氏の言葉を引用しながら主張した。
完全子会社化を決めたSFHが手がける金融事業は、2代前の最高経営責任者(CEO)のハワード・ストリンガー氏が
「非中核」とみなし、07年に上場子会社となった経緯もある。
今回は金融を改めて中核と位置づけ、祖業のエレクトロニクスやエンターテインメントなど他の事業との連携を強化する。
SFHの完全子会社化には、金融と技術を融合するフィンテックの台頭も背景にある。スマートフォンが普及し、
キャッシュレス決済などのサービスも増加。人工知能(AI)やブロックチェーン(分散台帳)などの先端技術も進化を続ける。
中国ではアリババ集団がスマホ決済を軸に個人データを収集し、与信や融資に活用している。
米アップルなど米IT大手も金融事業を強化している。海外勢が日本市場に進出する可能性もあるなかで、「金融事業は当社技術
を活用できる長期視点の成長事業」(吉田社長)として、海外の巨大IT企業にはない「ものづくり」のノウハウで迎え撃つ。
ソニー本体が持つ金融関連の独自技術の1つが、読み取り端末にかざして決済するスマホ決済で使われる非接触ICチップ
「フェリカ」だ。18年に汎用のICチップでもソフトウエアを組み込めばフェリカを搭載できる技術を確立し、
中華系メーカーの割安なスマホでもフェリカを搭載する機種が増えている。
ここにソニーの金融ビジネスを組み合わせることができれば、フィンテックの勢力図を変えられる可能性がある。
完全子会社になれば、意思決定も早められる。SFHの収益の大半を稼ぐ生命保険では、ライフプランナー(営業担当者)が持つ
データと本体のAIのノウハウを組み合わせ、コンサル力を高めることなどが想定される。自動車保険ではスマホアプリと
連動した商品を発表するなど開発を進めている。
業績面での貢献も大きい。ソニー以外のSFHの株主に流出していた利益を取り込める。連結納税の対象となることと合わせ、
純利益を400億〜500億円押し上げる。SFHは国内事業が大半で、グローバル展開するエンタメと合わせ、
収益面で「地政学上のリスク分散にもなり、長期的な投資力が高まる」(吉田社長)。
ソニーの株価はSFHの完全子会社が伝わった19日午後、一時前日比315円(5%)高の7000円を付けるなど急伸した。
市場では「イノベーションが求められてる金融で、
ソニーらしいフィンテックを実現できるか注視している」(SBI証券の和泉美治氏)との期待が出ている。
(日本経済新聞 2020/5/19 21:10)
ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO59311710Z10C20A5TJ2000/

 

 



2020年5月19日
ソニー株式会社
ソニーグループの経営機構改革について
ttps://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/202005/20-039/

(PDF印刷・出力したファイル)





2020年5月19日
ソニー株式会社
ソニー株式会社 2020年度経営方針説明会
ttps://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/202005/20-042/

(PDF印刷・出力したファイル)




 

The redefinition "Approaching people" in a true sense as an orientation of the management
requires one company as a juridical person.

経営の方向性を真の意味で「人に近づく」と再定義するためには、法人として1つの会社である必要があります。


 

 



【コメント】
中国のインターネット動画配信企業である楽視網信息技術(以下、楽視網)が、
2020年5月14日(木)付けで深セン証券取引所での株式上場が廃止になったとのことです。
楽視網はユーチューブのような企業なのだろうかと思ったのですが、
映画やテレビ番組も配信しているようですので、よりオンデマンドでの動画視聴サービスを提供している企業なのだと思います。
今般の上場廃止に先立つこと1年、2018年12月期に純資産が約30億元(約480億円)のマイナス(債務超過)となったことを理由に、
深セン証券取引所は、2019年4月26日から楽視網の株式取引を一時停止していた、とのことです。
その後、深セン証券取引所の上場規則により、今後1年間で債務超過を解消するなどの経営の再建が見込めないことを理由に、
株式取引の停止日から15日(取引日ベース)後に(つまり、2019年5月13日に)上場も一時停止になった、とのことです。
1年間株式の上場が停止になった後、2020年5月14日(木)付けで深セン証券取引所での株式上場が廃止になった、
という経緯があるようです。
一連の記事を読みますと、上場規定に触れる事柄が生じた場合の深セン証券取引所からの対応には、
@株式の一時売買停止とA株式の一時上場停止とB株式の上場廃止の3つがあるように思えます。
@株式の一時売買停止とB株式の上場廃止は意味が分かる(株式の取扱いの状態が大きく異なる)のですが、
A株式の一時上場停止というのは一体どのような状態を指すのか分からないなと思いました。
A株式の一時上場停止の状態の時は株式の取引も停止されるようなのですが、
@株式の一時売買停止とA株式の一時上場停止は一体どのように異なるのだろうかと思いました。
一連の記事から判断すると、@株式の一時売買停止は最長で15営業日間株式の取引が停止される処置を意味し、
A株式の一時上場停止は問題が解決しそうにない場合に株式市場から当該銘柄を隔離する処置を意味するのかもしれません。
日本で言うと、特設注意市場銘柄に指定されること(ただし、日本と異なり深セン証券取引所では株式の取引も停止される)
に近い処置のことをA株式の一時上場停止と呼ぶのかもしれません。
投資家保護の観点からは、@株式の一時売買停止を最大1年間継続する(一時売買停止から1年後に株式の上場を廃止する)、
という処置でも問題はないようにも思いますが、深セン証券取引所にはA株式の一時上場停止という処置があるようです。
楽視網の創業者は米国に逃亡しているとの噂がかつてから絶えなかったようで、現在でも消息不明とのことです。
楽視網の創業者は楽視網の当時の董事長として、会社債務の大部分に「連帯弁済責任」を負っているとのことです。
楽視網の創業者は「中国のスティーブ・ジョブズ」という評価をかつては受けていたようなのですが、
アップルのライバルと言えば日本ではソニーです。
ソニーは、2021年4月1日付で、現在のソニー株式会社の商号を変更し「ソニーグループ株式会社」にするとのことです。
ソニー株式会社は、現在は事業持株会社なのですが、純粋持株会社に移行する、とのことです。
スティーブ・ジョブズ氏は2005年のスタンフォード大学の卒業式で祝辞を述べ、
"Stay Hungry. Stay Foolish."(「ハングリーであれ。愚かであれ。」)と卒業生達に言葉をかけました。
私は楽視網の創業者に"Stay Solvent. Stay Marked."(「支払可能であれ。採点される存在であれ。」)と言いたいと思います。
楽視網は会社として債務を支払える状態(Solvent)にならなければならず、また、
楽視網の株式は株式市場で投資家達が採点をする(Mark)状態(つまり、採点され株価が付く)にならなければならないからです。
楽視網が債務を返済し経営再建を果たし株式を再上場させる日が来て欲しいという思いを込めてこの言葉を考えました。
また、ソニーには、"Stay Unified. Stay Selfish."(「単一体であれ。わがままであれ。」)と私は言いたいと思います。
ソニーは純粋持株会社へ移行するのではなく、逆に組織体として一体の事業会社(法人として1つ)にならなければならないのです。
そして、あのウォークマンの開発では、創業者によって寸法が先に決められており、決められた寸法に合わせて技術者達が
内部の設計を行って完成を見た、という話を聞いたことがあります(この話はウォークマンの開発秘話の1つなのだと思います)。
あの松下電器産業にも同じような話があり、技術者達が大変な思いをして新しい製品を作って創業者に見せに行くと、
「よう作ってくれたなあ。それじゃあ、この製品が全く売れんようになるようなもっといい製品を早速作ってくれるか。」
と創業者は技術者達にその場で言った、という逸話があります(創業者の身勝手さがある意味原動力になっていたのでしょう)。
創業者というのは無理難題を平然と言う("Selfish"なところがある)のですが、それがヒット商品につながっていたのです。