2020年3月1日(日)



「本日2020年3月1日(日)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. March 1st, 2020), 0 legal disclosure document has been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2020年3月1日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計0冊でした。

 

 


2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計439日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

 


ユニゾホールディングス株式会社の被雇用者が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 

 



2020年2月28日(金)日本経済新聞
香港ウィーロック 呉氏一族が非公開化
(記事)





 

香港ウィーロック非公開化 呉氏一族 ワーフ上場維持

【香港=木原雄士】香港の複合企業、ウィーロックは27日、大株主の呉光正(ピーター・ウー)氏の一族がすべての株式を
買い取り非公開化すると発表した。傘下の不動産開発ワーフや商業施設を抱えるワーフREIC(九龍倉置業地産投資)の上場は
維持する。傘下2社に比べてウィーロックの市場評価が低迷している状況を是正する。
発表によると、ウィーロック1株に対して、ワーフとワーフREICの株式を1株ずつ交付し、現金12香港ドル(約170円)を支払う。
取引停止前の21日終値をもとに計算すると、ウィーロックの株価に52%上乗せして買い取ることになる。
発表を受けて27日の香港株式市場ではウィーロックの株価が急騰した。株主総会の議決などを経て、上場廃止になる予定だ。
ウィーロックは投資家にとってワーフ株などの配当増が期待できると説明している。
ウィーロックとワーフはもともと香港を地盤とする英系財閥だった。1980年代に「アジアの海運王」と呼ばれた実業家、
包玉剛(Y・K・パオ)氏が相次ぎ買収し、女婿の呉光正氏に経営を委ねた。ワーフは中国本土で不動産開発を手掛けている。
ワーフREICは香港を代表する商業施設であるハーバーシティ(海港城)やタイムズスクエア(時代広場)を傘下に持つ。
(日本経済新聞 2020/2/27 18:49)
ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO56131860X20C20A2FFE000/

 

 

 


約9年弱前の記事↓。

 

九龍倉集団、会徳豊の不動産投資部門を14.5香港ドルで買収へ

【香港】香港の複合企業、九龍倉集団(控股)(ワーフホールディングス)(0004.HK)は15日、
不動産投資部門の会徳豊地産(中国)(ウィーロック・プロパティーズ・チャイナ)の全株式を親会社から
14億5,000万香港ドル(1億8,600万米ドル)で取得することで合意したと発表した。
九龍倉集団は中国の不動産ポートフォリオ拡大に力を入れている。
投資持ち株会社の会徳豊(ウィーロック)(0020.HK)が50.02%の株式を保有する九龍倉集団は声明で、
この案件で関連する株主ローンも引き受ける見通しだと発表した。5月末時点での株主ローン残高は19億4,000万香港ドル前後。
会徳豊地産(中国)は広東州仏山の4つの住宅開発計画で50%の実効権益を持っていると述べ、
こうした建設プロジェクトが深セン上場の招商局地産発展(200024.SZ)(000024.SZ)とともに
共同開発される予定だと述べた。(ダウ・ジョーンズ)
(ウォールストリートジャーナル 2011年 6月 16日  17:52 JST)
ttp://jp.wsj.com/layout/set/article/content/view/full/250709

 

 

 



Wheelock and Company Limited
ttp://www.wheelockcompany.com/

「キャプチャー画像」



>Wheelock and Company Limited (HKSE: 00020) is a listed property group headquartered in Hong Kong.
>We are principally engaged in property development in Hong Kong.
>Our major subsidiaries include Wharf (Holdings) Limited (HKSE: 00004), Wharf REIC Limited (HKSE: 01997)
>and Wheelock Properties Limited.
>Wheelock Properties (Singapore) Pte. Ltd has become a wholly-owned subsidiary of Wharf REIC since December 2019.


【参謀訳】
ウィーロック株式会社(香港証券取引所:00020)は、香港に本社を置く資産管理を担う上場企業です。
弊社は、香港で主に土地開発に従事しています。
弊社の主な子会社には、ワーフ株式会社(持株会社)(香港証券取引所:00004)と
ワーフREIC株式会社(香港証券取引所:01997)とワーフ・プロパティ−ズ株式会社があります。
ワーフ・プロパティーズ(シンガポール)株式会社は、2019年12月からワーフREIC株式会社の完全子会社となっています。

 

 

Annual Report 2018(Wheelock and Company Limited)
ttp://www.wheelockcompany.com/investors/2018/EW00020-AR18.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)


REPORT OF THE DIRECTORS
SUPPLEMENTARY CORPORATE INFORMATION
(C) SUBSTANTIAL SHAREHOLDERS’ INTERESTS
(51/171ページ)

>(i) Mr Peter K C Woo (Notes 1 & 4)      265,490,652 (12.96%)
>(ii) Mrs Bessie P Y Woo (Notes 1 & 4)   265,490,652 (12.96%)
>(iii) HSBC Trustee (C.I.) Limited           995,221,678 (48.60%)

 

 


24 February 2020
Wheelock & Company Limited
Trading Halt
ttp://www.wheelockcompany.com/wc/e00020%20Annnouncement20200224.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)





27 February 2020
Wheelock & Company Limited
Joint Announcement (1) Proposal for the Privatisation of Wheelock and Company Limited
by Admiral Power Holdings Limited by way of a Scheme of Arrangement
(2) Proposed Withdrawal of Listing and (3) Resumption of Trading in Shares
ttp://www.wheelockcompany.com/wc/e00020announcement%2020200227.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)





28 February 2020
Wheelock & Company Limited
Date of Board Meeting
ttp://www.wheelockcompany.com/wc/e00020announcement20200228.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)





 

Our Group (Wheelock and Company Limited)
ttp://www.wheelockcompany.com/links/links.html

「キャプチャー画像」

 

 



【コメント】
香港のウィーロックという上場企業が創業家一族が全ての株式を取得するを通じて非公開化を行う、とのことです。
ウィーロックの英語表記についてですが、"Wheelock and Co., Ltd."と表記されているウェブサイトも一部あったのですが、
おそらくそれは間違いであり、正式には・正しくは"Wheelock and Company Limited"であるのだと思います。
ウィーロックの公式ウェブサイトやプレスリリースでは、"Wheelock and Company Limited"という英語表記になっています。
"Co., Ltd."は確かに"Company Limited"を省略した表記方法ですが、ウィーロックは"Wheelock and Company"までが
固有の商号なのだと思います("Limitd"だけで、日本語でいうところの「株式会社」を意味するのだと思います)。
その意味では、香港の上場企業である"Wheelock and Company Limited"を日本語に逐語訳するならば、
「ウィーロック・アンド・カンパニー株式会社」と表記しなければならないと私は考えます。
あの有名なコンサルティング・ファーム「マッキンゼー・アンド・カンパニー」は、
日本国内では(日本の活動拠点については)「マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社」と表記されていますが、
米国では"McKinsey & Company Inc."と表記されているのではないかと思います。
"Co., Ltd."と"Limited"と"Inc."の違いについては私には分かりませんが(州によって規定が異なるのでしょう)、
"McKinsey & Company Inc."のことを"McKinsey Co., Ltd."や"McKinsey Inc."とは決して表記しないわけです。
「マッキンゼー・アンド・カンパニー」は、あくまでも"McKinsey & Company"までが固有の商号なのだと思います。
(実際は違いますが)仮に「マッキンゼー・アンド・カンパニー」("McKinsey & Company")が株式会社だとしますと、
「マッキンゼー・アンド・カンパニー株式会社」が正しい表記であって、「マッキンゼー株式会社」は間違っているのです。
以下、香港のウィーロックについては、「ウィーロック」や「ウィーロック株式会社」と表記したいと思います。
記事によりますと、「ウィーロックの大株主である呉光正氏の一族がウィーロックの非公開化を決定した。」、
という書かれ方が報道ではなされています。
ウィーロックという会社は、一言で言えば、「ワーフ・グループの持株会社」という位置付けであるようです。
不動産事業(投資不動産、開発不動産、ホテル)を中心に通信事業や物流事業を香港で営んでいるようです。
「香港のコングロマリット」という紹介をしているウェブサイトも中にはありました。
新聞記事とプレスリリースとアニュアルレポートを紹介していますが、私がこれらの資料を読む限り、
ウィーロックという会社("Wheelock and Company Limited")は、創業家一族のいわゆる資産管理会社だと私は思いました。
創業家一族の資産管理会社なのに株式市場に株式を上場しているというのもおかしな話ではあるのですが、
ウィーロックという会社("Wheelock and Company Limited")は、やはり持株会社ではないかと思いました。
アニュアルレポートを読む限り、創業家一族でウィーロック株式会社の株式の合計74.52%を所有しています。
ただ、この所有割合は2018年12月31日時点の数値であり、2020年2月27日に発表されたプレスリリースによりますと、
非公開化の提案時点(2020年2月27日時点)では、創業家一族でウィーロック株式会社の株式の合計67.49%を所有しているようです。
実質的に創業家一族の資産管理会社であるとは言え、傘下の事業会社を管理する持株会社であるという見方をするならば、
一般投資家がその資産管理会社に出資をする(一般投資家は傘下の事業会社が稼得した収益を享受する)ということも
観念できるのかもしれないなと思いました(結局、日本で持株会社が上場していることと実質的には同じなのかもしれません)。
ただ、法定開示書類の作成作業(会計監査も含む)や株主総会の招集・開催の手間や一般投資家への対応を考えますと、
創業家一族の資産管理会社が上場するというのは決して一般的ではないでしょう。
創業家一族の資産管理会社は、家族数人で100%保有するというのが一般的ではないかと個人的には思います。

 

 



さて、紹介している日本経済新聞の記事を読んでいまして、次の一文(非公開化の手法)が目に止まりました。

>発表によると、ウィーロック1株に対して、ワーフとワーフREICの株式を1株ずつ交付し、現金12香港ドル(約170円)を支払う。

記事を一読して、「ん?完全子会社化されるのはウィーロックなんだろ?」と思いました。
ウィーロックが傘下の上場事業会社を完全子会社するのではなく、創業家一族がウィーロックを完全子会社化するわけです。
「記事に書かれているようなことが本当にできるのだろうか?」と直感的に思いました。
私が直感的におかしいな(実際には実行するための手続きが存在しないのではないか)と感じたのは次の2点についてです。

○創業家というのは自然人なのだから組織再編行為の当事者(例えば、株式交換の完全親会社等)にはなれないはずだ。
 自然人でも株式の全てを取得する手法があるのだろうか(香港の会社法にはひょっとするとあるのかもしれないが)。
○創業家自身はワーフ株式とワーフREIC株式を所有していないはずだ。ワーフ株式とワーフREIC株式を所有しているのは
 むしろ持株会社であるウィーロックであるはずだ。創業家は一体どうやって一般株主が保有するウィーロック株式の
 対価としてワーフ株式とワーフREIC株式を渡すのだろうか(持っていないのだから渡しようがないのではないだろうか)。

これらの疑問点については、非公開化の提案書にその答えが記載されていました。
2020年2月27日にウィーロック株式会社がウェブサイト上に発表していますプレスリリース
"Joint Announcement (1) Proposal for the Privatisation of Wheelock and Company Limited
by Admiral Power Holdings Limited by way of a Scheme of Arrangement
(2) Proposed Withdrawal of Listing and (3) Resumption of Trading in Shares"
がウィーロック株式会社と創業家一族が共同で発表した「非公開化に関する共同発表文書」です。
当然のことながら全て英語で書かれており、計37ページもありますので、まだ全てを詳細に読んではないのですが、
ざっと読んだだけですが、大まかな流れ(実施していく手続き)としては「ああそういうことなのか。」と思いました。
用いる手法は「スキーム・オブ・アレンジメント」とのことです(香港は今でも英国法が基本になっているのでしょう)。
「スキーム・オブ・アレンジメント」だと自然人が株式の100%を保有することも全く可能なのだと思います。
「スキーム・オブ・アレンジメント」は、ある意味会社をゼロベースで(設立時にまで遡り)再構築する手続きだと言えるので、
非常に柔軟に株主構成を決めることができるのだろうと思います(日本で言うところの倒産手続きに類似しているわけです)。
また、「スキーム・オブ・アレンジメント」の運営主体者は、自然人(創業家一族)ではなく、
"Admiral Power Holdings Limited"という法人とのことです(これが本当の創業家の資産管理会社なのでしょうか?)。
一番肝心の「ウィーロック株式の対価」についてですが、ワーフとワーフREICそれぞれが新株式を発行して一般株主に
割当交付するというようなことが書かれています(つまり、これら2社は新株式を無償発行するということなのでしょう)。
やはり創業家一族が既に保有しているワーフ株式とワーフREIC株式を株式の対価をして渡すこととは全く異なるようです。
その点ではやはり「株式の取得者が既存株主に株式の対価を支払う」ということとは全く異なるなと思いました。
非常に複雑な資本構成になっているのですが、各種の資料を基に非公開化のスキーム図を描きましたので参考にして下さい↓。

"How will this concept of a share acquisition be implemented?" (株式取得のこの概念をどのように実装するのか?) 




Who will acquire a share? (誰が株式を取得するのか?)

The founder family have owned 74.52 percent of a Wheelock and Company Limited Share in total as of December 31st, 2018.

創業家一族は、2018年12月31日時点でウィーロック株式会社株式を合計74.52パーセント保有しています。