2020年2月4日(火)



「本日2020年2月4日(火)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. February 4th, 2020), 188 legal disclosure documents have been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2020年2月4日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計188冊でした。

 

 


2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計413日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

 


ユニゾホールディングス株式会社が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 

 



2019年11月23日(土)日本経済新聞 大機小機
変わる投資の常識
(記事)




2020年1月15日(水)日本経済新聞
東京メトロが50年債
(記事)


2019年11月25日(月)日本経済新聞
40年債 増発検討へ 財務省、実施なら3年ぶり
(記事)



2019年11月24日(日)日本経済新聞
地方債、迫るマイナス金利 神奈川県・大阪市 発行利回り0.001% 自治体、投資家に積極広報 財政規律 働きにくく
(記事)


2019年11月2日(土)日本経済新聞
キーエンス株 急伸 株式分割、実質増配を好感 時価総額、SBG抜く
(記事)



2019年12月3日(火)日本経済新聞
株価点描 チャート&データ
中間配4兆円 株高下支え
(記事)




「会計学辞典 第五版」 森田哲彌、宮本匡章 編著 (中央経済社)

「後発事象」("subsequent event")

 

 


【コメント】
新聞記事を6本と会計学辞典のスキャンを紹介していますが、これらを題材にして、
昨日のコメント内容とも関連させながら、証券投資について一言だけコメントを書きたいと思います。
紹介している2019年11月23日(土)付けの日本経済新聞の記事(大機小機 変わる投資の常識)は、
「マイナス金利を前提とした証券投資(特に債券への投資)のあり方」についての記事になります。
マクロ的な視点から見ますと、現在の金利水準では、満期までの期間が10年程度の債券は利回りがマイナスとなっており、
従来からの教科書的なインカムを重視した債券への投資は10年超の超長期分野に限られると記事には指摘されており、

>こうしたなか、50年以上の超長期債券の発行が話題になるのも自然なことだ。

と書かれています。
最近の超長期債券の事例として、2020年1月15日(水)付けの日本経済新聞の記事(東京メトロが50年債)と
2019年11月25日(月)付けの日本経済新聞の記事(40年債 増発検討へ 財務省、実施なら3年ぶり)を紹介しています。
前者の記事によりますと、償還までの期間が50年の超長期債の発行は、@三菱地所、AJR東日本、B大阪ガスに続き
東京地下鉄(東京メトロ)で4社目であるとのことです。
また、後者の記事によりますと、市場では満期10年以下の国債はマイナス利回りが続いているとのことです。
私はここで、「マイナス金利を所与のこと(議論の前提)とすると、満期が長ければ長いほど理論上はリスクは低くなる。」
という考え方にならないだろうかとふと思いました。
私は昨日のコメントで、銀行が無担保で融資を行うことを考えるならば、万一の場合に備えて、
銀行は「借入人に手形を振り出してもらう。」という対応が実務上必要になってくるのではないか、と書きました。
昨日書いた内容自体はもちろん正しいわけですが、銀行が借入人にマイナス金利で資金を貸し出すとなりますと、
融資実行の際、貸出人である銀行もまた借入人を受取人とした手形を振り出さなければならない、ということになるはずだ、
と思いました。
借入人が振り出す手形は元本の返済に関する約束手形だが、銀行が振り出す手形は利息の支払いに関する約束手形である、
という考え方になるのではないかと思いました。
借入人が振り出す約束手形は元本の返済日を支払日とする約束手形であるわけですが、
銀行が振り出す約束手形は利息の支払日を支払日とする約束手形となるわけです。
銀行と借入人双方が(当然金額と支払日はそれぞれ異なるが)相手方を受取人とした約束手形を所定の枚数ずつ振り出すことが
金銭消費貸借契約の実施を意味するわけです。
私のこの考え方に基づきますと、借入人の手許現金(銀行預金残高)は利息の支払日を過ぎれば過ぎるほど多くなります。
当然ことながら、借入人の手許現金(銀行預金残高)が多くなれば多くなるほど元本の返済可能性は高くなります。
このことは、マイナス金利下では「満期が長ければ長いほどリスクは低くなる。」ということを意味するのではないでしょうか。
マイナス金利と言っても-0.1%や-0.2%や-0.3%を頭に思い浮かべるから論点が分かりづらくなっているだけです。
-3%や-5%や-8%や-10%を頭に思い浮かべれば、いかに借入人の手許現金(銀行預金残高)が年々増加するか分かるでしょう。
従来の証券投資に関する教科書では、償還までの期間が長ければ長いほど債務不履行のリスクが高まる
(したがって、投資家はより高い利率を発行者に求める)と書かれていたわけですが、
マイナス金利下では、償還までの期間が長ければ長いほど債務不履行のリスクが低くなる
(したがって、投資家はより低い利率を発行者に求める)、という考え方になるわけです。
実務上、発行者は利率が同じならば償還までの期間がより長い条件を投資家に求めるわけですが、債務不履行のリスクが低くなる
根拠は投資家からキャッシュフロー(利払い)であるだけに、債券発行の条件に関する合意点が現実にはない気がします。
ある意味当たり前のことかもしれませんが、マイナス金利下における証券投資というのは「投資家は投資利益を追求しない」
ということを前提にしないといけませんので、「投資家と発行者はどのような条件で合意をするか?」という点についての
答えが論理的には存在しないように思いました(取引の際は双方が利益を追求するから当事者はある条件で合意をするわけです)。

 

 


それから、同じく紹介している2019年11月23日(土)付けの日本経済新聞の記事(大機小機 変わる投資の常識)には、
「投資の基本は結局、世の中が生み出すキャッシュだ。」と指摘してあり、証券投資について次のように書かれています。

>今日のマイナス金利下の未曾有の運用難の環境では、キャッシュフローが生じる源泉まで遡ることが投資の鉄則だ。

そして、私は昨日のコメントの最後に次のように書きました。

>Concerning an "asset" part only, "Asset-backed Securities" in a true sense are a lending on a mortgage.
>"Asset-backed Securities" other than a lending on a mortgage should be called "Cash-flow-backed Securities."
>In other words, a lending on a mortgage is dependent on a real right (i.e. a real asset),
>whereas "Asset-backed Securities" other than a lending on a mortgage are dependent on a claim (i.e. a person).

>「資産」の部分のみに関して言えば、真の意味の「資産担保証券」は抵当付の貸出金なのです。
>抵当付の貸出金以外の「資産担保証券」は「キャッシュフロー根拠証券」と呼ぶべきなのです。
>他の言い方をすれば、抵当付きの貸出金は物権に(すなわち、実物資産に)依存しているのに対し、
>抵当付の貸出金以外の「資産担保証券」は債権に(すなわち、人に)依存しているのです。

「資産担保証券」に関して言いますと、「抵当付の貸出金」や「抵当付の貸出金を直接の裏付けとした債券」は、
投資家の立場から見た見方になるわけですが、それら以外の「資産担保証券」と比較すると、
「キャッシュフローが生じる源泉」が根本的に異なる、という言い方ができるわけです。
「抵当付の貸出金」や「抵当付の貸出金を直接の裏付けとした債券」は、極端な言い方をすれば、
発行者のキャッシュフローは無関係なのです(最後の最後は発行者のキャッシュフローや手許現金とは無関係に弁済される)。
しかし、それら以外の「資産担保証券」は、最初から最後まで発行者のキャッシュフローと手許現金に依存するのです。
「抵当付の貸出金」や「抵当付の貸出金を直接の裏付けとした債券」への投資では、
投資家は「キャッシュフローが生じる源泉」(発行者の事業内容や財務状況等)まで遡る必要は全くないのです。
この時投資家は、法務局が発行した「不動産登記簿謄本」さえ見ていればよいのです(他は何も見なくてよいのです)。
「不動産登記簿謄本」には抵当権の設定について書かれてあるからです(それだけで貸出金は必ず弁済されます)。
この時投資家は、債権者ではなく、物権者なのです。
従来、銀行法では、銀行は債権者としてではなく物権者として資金を貸し出すことしか認められていなかったのです。
次に、紹介している2019年11月2日(土)付けの日本経済新聞の記事(キーエンスの株式分割)についてですが、
株式分割そのものは株式の本源的価値に完全に中立ですので、理論的には株式市場における株価に全く影響を与えません。
しかし、このたびのキーエンスの場合は、株式分割の結果従来予想と比較して配当金額総額が2倍になりまして(2倍の増配)、
配当金額総額の増加は株式の本源的価値に影響を与えますので、その意味で株式市場における株価に影響を与えています。
ただ、会社が配当金を支払うと必ず株式の本源的価値は減少しますので、理論的には株式市場における株価は必ず下落します。
それから、紹介している2019年12月3日(火)付けの日本経済新聞の記事(中間配当について)についてですが、
中間配当は会社法の規定のみに基づいて支払われます(つまり、証券制度上のディスクロージャーとは無関係に支払われます)。
3月期決算の会社の場合、中間配当の支払いは9月1日に行われてもおかしくありません(配当の支払いは会計監査とは無関係です)。
その意味では、中間配当の支払いは、当該中間期の財務諸表から見ると「後発事象」に該当します。
証券制度上は、投資家保護の観点から、当該中間期の財務諸表に中間配当の支払いについて注記を記載する必要があるでしょう。
また、中間配当の支払いと金融商品取引法上の臨時報告書との関連についてですが、現行の開示制度で言いますと、
中間配当の支払日が当該四半期報告書の提出日の前であろうが後であろうが、支払いと同時に臨時報告書を提出するべきです。
配当金の支払い(仕訳、会計処理)については、独立監査人の監査とは無関係に確定すると考えるべきなのです。
この点については明日もう少しだけ書きたいと思います。

 

 


A dividend necessarily has an influence on an intrinsic value of a share, whereas a share split itself never.

配当は株式の本源的価値に必ず影響を与えるのですが、株式分割そのものは株式の本源的価値に決して影響を与えません。

 

A dividend itself is paid on a basis of the Companies Act only.
Therefore, when a disclosure on the securities system is taken into consideration,
not only concerning an annual dividend but also concerning an interim dividend,
a payment of a dividend is a "subsequent event."

配当それ自体は会社法のみに基づいて支払われます。
したがって、証券制度上のディスクロージャーを考慮に入れますと、通期の配当に関してだけではなく中間配当に関しても、
配当の支払いは「後発事象」なのです。

 

If a "negative interest rate" is given, the longer a maturity is, the lower a risk is in theory.

マイナス金利を所与のこととしますと、満期が長ければ長いほど理論上はリスクは低くなります。

 

On the old Bank Act, when a bank lent money to a borrower,
it used to be a holder of a real right rather than a holder of a claim.
A bank used to be utterly independent of a cash flow of a borrower.

かつての銀行法では、銀行が借入人にお金を貸す時、銀行は債権者というよりはむしろ物権者だったのです。
銀行はかつては借入人のキャッシュフローから完全に独立していたのです。