2020年1月4日(土)



「本日2020年1月4日(土)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. January 4th, 2020), 0 legal disclosure document has been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2020年1月4日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計0冊でした。

 

 


2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計382日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜2019年12月31日(火))
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その4(2020年1月1日(水)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/PastLinksWithASummaryOfEachComment4.html

 


ユニゾホールディングス株式会社が行う「エンプロイー・バイアウト("Employee Buyout")」に関連するコメント
http://citizen2.nobody.jp/html/202001/CommentsWithRelationToAn'EmployeeBuyout'.html

 

 

 



2018年7月16日(月)日本経済新聞
2020 改正債権法 @ 120年ぶりの見直し
契約ルール、ネットに対応
(記事)




2018年7月23日(月)日本経済新聞
2020 改正債権法 A 消滅時効、原則5年に
職業別を廃止し統一
(記事)



2018年7月30日(月)日本経済新聞
2020 改正債権法 B 「消滅時効の阻止」再定義
「更新」と「完成猶予」に
(記事)



2018年8月6日(月)日本経済新聞
2020 改正債権法 C 法定利率に変動制
3年ごとに水準見直し
(記事)



2018年8月20日(月)日本経済新聞
2020 改正債権法 D 「根保証」を見直し
負担上限定めないと無効に
(記事)




2018年8月27日(月)日本経済新聞
2020 改正債権法 E 保証人の意思確認 新設
公証人の役割を拡大
(記事)

 





2018年9月3日(月)日本経済新聞
2020 改正債権法 F 制限付きでも譲渡有効
効力緩和、中小の資金繰り配慮
(記事)




2018年9月17日(月)日本経済新聞
2020 改正債権法 G 定型約款、規定を新設
ネット社会に対応
(記事)



2018年9月24日(月)日本経済新聞
2020 改正債権法 H 定型約款、要件を明示
相手方への「表示」必要に
(記事)



2018年10月1日(月)日本経済新聞
2020 改正債権法 I 「瑕疵」を「契約不適合」に
売買の契約責任を明確に
(記事)



2018年10月8日(月)日本経済新聞
2020 改正債権法 J 敷金の規定整備
返還時期・範囲を明文化
(記事)



2018年10月15日(月)日本経済新聞
2020 改正債権法 K 意思能力を明文化
高齢化社会に対応、わかりやすく
(記事)

 

 



【コメント】
2020年1月2日(木)のコメントでは、2020年4月1日に施行が予定されている改正民法(債権法の改正)に関する記事を2本紹介し、
「改正民法では、建設業界におけるこれまでの実務慣行である『債権譲渡制限特約』が4月1日以降結ぶ契約では原則無効になる。」、
という点についてコメントを書きました。
今日は、約1年半前から約1年3ヶ月前まで(2018年7月から2018年10月まで)の間の連載記事になるのですが、
民法の改正内容について説明をした記事を計12本紹介しています。
2020年1月2日(木)のコメントで紹介した記事と併せて読んでみて下さい。
細かい点まで挙げれば改正項目は約200に上るとのことですが、立法担当者は改正に当たり次のようなことを目指していたとのことです。

>判例や解釈論をできるだけ条文に書き込んだり、難しい用語を平易な言葉に置き換えたりして
>専門家でなくても読めばある程度分かる内容を目指した

2020年1月2日(木)のコメントでも書きましたように、今般の民法の改正は約120年ぶりの抜本改正などでは決してなく、
これまでの判例や実務慣行や暗に行われてきた対応や生活環境の変化に沿った軽微な改正に過ぎないというのが実態です。
「120年ぶりの民法の抜本改正である。」という当初の触れ込みからすれば、まさに「大山鳴動してねずみ一匹」だ
と言わねばならないわけですが、記事を題材にして民法改正について一言だけ書きたいと思います。
2018年10月15日(月)付けの記事「K 意思能力を明文化」には、次のように書かれています。

>交通事故や認知症などの影響で意思能力(行為の結果を判断することができる能力)を持たない者がした法律行為は無効―。
>これまで判例や学説で認められてきた、このルールを改正民法(債権法)は条文を新設して明確化した。
>法律行為とは契約を結んだり遺言を残したりすることを指す。
>改正法は「意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は無効とする」と規定した。

現行法には、例えば未成年者について単独で法律行為をすることを制限する「行為能力」規定はあるのですが、
「意思能力」規定は存在しません。
この点について、記事には、1896年の制定当時の見解として、次のように書かれています。

>当然と思われるルールはできるだけ明文化しないとの考え方があったようだ。

この「意思能力」についてなのですが、「意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は無効とする」
という考え方はこれまで判例や学説で認められてきた(実務上は「当然と思われるルール」と取り扱われてきた)とのことですが、
法理的には、「意思表示をした時の意思能力の有無は取引において問わない(つまり、法律行為は常に有効である)。」
という考え方になります(法理上は、意思能力がなかったことを理由に免責はされない、ということです)。
その理由は、取引の当事者にとって相手方の意思表示は簡単に確認できますが相手方の意思能力は確認のしようがないからです。
敢えて言うならば、「意思表示をした時点で当然に意思能力はあるもの。」という考え方に法理上はなるわけです。
そうでなければ、そもそも人は取引を行えないからです。

 

 


意思能力を問うことの問題点の最も分かりやすい例が2018年8月27日(月)付けの記事「E 保証人の意思確認 新設」です。
記事には、保証人に対する公証人よる意思確認について、次のように書かれています。

>改正民法(債権法)では保証人保護のため、企業の事業資金の借り入れについて、経営者以外が保証人になる場合、
>公証人が意思を確認する手続きを導入した。

保証人になるという意思表示に対して「公証人による意思確認」を改正民法では新たに義務付けたとのことですが、
そもそも公証人は一体どうやって保証人候補者の意思を確認するというのでしょうか。
公証人と保証人候補者が公証役場で直接面会して、
公証人「あなたは本当にあの企業の事業資金の借り入れの保証人になる意思がありますか?」
保証人候補者「はい、私は本当にあの企業の事業資金の借り入れの保証人になる意思があります。」
という問答を行い、公証人が問答の過程を書面に残す(保証人になる意思があることを確認した旨の公正証書を作成する)、
ということ自体はできるわけですが、今私が指摘しているのは、
「保証人候補者は意思能力を有しているのか否か?」という点であるわけです。
この場面における「公証人による意思確認」とは、あくまで意思表示の確認であって、意思能力の確認ではないわけです。
率直に言えば、公証人が意思能力の確認をすることはできないのです。
人が意思能力を有するか否かを確認することは、ブラックジャックやスーパードクターKや東都大医学部長でも無理なのです。
砕けた言い方をすれば、本人に意思能力があるかどうかは取引において関係がないのです。
敢えて言うならば、「取引を行う当事者に意思能力はある。」ということが取引の大前提なのです。
意思能力の有無を問うてしまうと、取引にならないわけです。
法律行為においては、当事者に意思能力はあることが大前提です。
公正証書の作成しかり、契約の締結しかり、定型約款の遵守しかりです。
公証人に意思確認をしてもらえば意思能力があることの確認までしてもらったことになる、というわけでは決してないのです。
極端な言い方をすれば、改正民法では、「公正証書の作成時、私は意思能力を欠いておりました。」と主張をすれば、
その公正証書は無効になります。
しかし、それでは人は取引も生活もできなくなってしまいます。
果ては、自己の意思に基づいて法律行為を行ったか否かすら問わなくてならなくなるでしょう。
意思能力の有無云々をいうのならば、「その意思表示は本人の自己の意思に基づくものなのか否か?」すら問わなくてならない、
ということになってしまいます。
法理的には、当事者には意思能力がありなされた意思表示は自己の意思に基づくものである、ということが大前提なのです。
法律行為や意思表示は全て、自己の意思に基づくもの(本人に意思能力は当然にある)なのです。
語弊を恐れずに言えば、
改正民法における「意思能力の明文化」と「保証人に対する公証人による意思確認の明文化」は相矛盾するのです。