2019年12月16日(月)



「本日2019年12月16日(月)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. December 16th, 2019), 228 legal disclosure documents have been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2019年12月16日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計228冊でした。

 

 

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計363日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

 

 

 


2019年12月15日(日)日本経済新聞
新興企業 海外マネー流入 国内への出資件数、6年で10倍 外資系出身増え、交渉力高く 米投資家の理解得やすく
(記事)




2019年12月16日(月)日本経済新聞
出口狭まるスタートアップ 評価高騰、M&A3割減 IPO、小型案件は敬遠
(記事)




2019年12月16日(月)日本経済新聞
香港 IPO世界首位保つ 372億j調達 9年ぶり高水準 今年 デモ影響 懸念拭えず
(記事)

 

 

 


【コメント】
昨日のコメントでは、「企業統治」に関する議論というのは本質的に証券制度(投資家保護)に関する議論である、と指摘をし、
「投資家の立場からすると、非上場企業への出資と上場有価証券への投資は本質的に異なっており(投資の前提が異なっており)、
『非上場企業は対話が先(最初に人ありき)、上場企業は投資が先(最初に投資ありき)。』という根本的相違点がある。」、
という趣旨のことを書きました。
「非上場企業は最初に人ありき、上場企業は最初に投資ありき。」という表現は、言い得て妙と言いますか、
自分で言うのも何ですが、非上場企業への出資と上場企業への投資の相違点の本質を極めて端的に言い表していると思います。
今日は、「非上場企業への出資と上場企業への投資」に関連する記事を計3本紹介しているのですが、
紹介している記事を題材にして、昨日のコメントに関連させる形で一言だけ書きたいと思います。
昨日のコメントでは、「非上場企業が上場企業へ変わること」(すなわち、株式の上場)については一切考察を行わなかった
(つまり、「株主が現金を株式へ投じる時点」での相違点についてのみ考察を行った)わけなのですが、
一般的にはと言いますか、新聞やテレビや雑誌等では「非上場企業が上場企業へ変わること」(すなわち、株式の上場)が
話題になる(非上場企業が未来永劫非上場企業のままである場合については一般にはほとんど話題にならない)わけです。
今日紹介している3本の記事は、「非上場企業が上場企業へ変わること」(すなわち、株式の上場)
を前提とした内容であると言いますか、
少なくとも「投じた資金を他者への株式売却によって出資者が回収する」ということを前提した議論になっているわけです。
株式公開しかりM&A(同業や大企業への売却等)しかり売却(他の投資家への売却等)しかり、
出資者による「投下資金の回収」が論点になっています。
記事を読んで、M&Aはストラテジック・バイヤーへの売却であり他の投資家への売却はフィナンシャル・バイヤーへの売却である、
という相違点があると私は思いました。
出資者による「投下資金の回収」の手段・方法についてなのですが、
会社創業時(会社設立時)に出資をしたのだが、数年経って会社の事業が軌道に乗り始めると、
海外のベンチャー・キャピタルが「所有株式を弊社に売却してくれませんか。」と言ってきたので、
自分の評価額よりも高い金額を提示してきたので売却した、ということも現実に考えられるわけです。
つまり、スタートアップ企業に関する投資家から投資家への株式の譲渡も現実には考えられるわけです。
将来的にM&A(同業や大企業への売却等)か売却(他の投資家への売却等)を行うという場合は、
会社の株主の人数は1人のみである方が株式の譲渡の交渉が円滑に進みやすいのです。
例えば、会社創業(会社設立)当初は「会社の清算」まで株式を保有し続けるつもりだったのだが、
会社の事業を成長させる意思や戦略とより多くの資金を持った投資家や事業会社が現れたので、
出資者としては円満に投下資金を回収することになった、という状況がベンチャー・キャピタルへの売却として考えられます。
それから、理論的には、非上場企業が未来永劫非上場企業のままであっても、そして、
所有株式を他者へ売却することをしなくても、出資者が投資利益を得ることは十分に可能なのです。
現行の証券制度の理論的前提の1つがそれなのでしょうが、「会社の清算」がこの文脈における出資者が投資利益を得る手段です。
既存株主がM&A(同業や大企業への売却等)や売却(他の投資家への売却等)を行うという場合は、
株主の人数は1人である方が実務上は望ましい(買い手が会社の株式を実務上買いやすい)と言えるのですが、
株式公開が行われる場合と「会社の清算」が行われる場合は、株主の人数は全く関係ありません。
「会社の清算」では、株主の人数が何人であろうと、株主1人1人に残余財産を分配するだけだからです。
株主の人数が複数である場合は、会社は株式公開や「会社の清算」のどちらかを出資者による「投下資金の回収」の手段として
実行するべきである、という考え方はあると思います。
いずれにせよ、事業というのは人に依存しています。
株主を変えるのとは正反対に、業務執行者を変えるのは現実には極めて難しく時に不可能なのです。

 

 


Concering an unlisted company, a conversation is the first and an investment is the second.

非上場企業では、最初に対話ありきであり、出資は第二番目なのです。

 

A business depends on a figure.
That is to say, a business depends on an executive figure.
Comparatively speaking, a business doesn't depend on shareholders.

ビジネスというのは人に依存しているのです。
すなわち、ビジネスというのは業務を執行する人に依存しているのです。
比較して言えば、ビジネスというのは株主には依存していないのです。

 

In case a company makes a "liquidation" of it,
the number of shareholders doesn't hinder each shareholder from acquiring an investment profit at all.

会社が「清算」を行うという場合は、各株主が投資利益を得るのに株主の人数は全く障害になりません。



It is not until what you call an activist has actually bought some of shares of a listed company
when it begins to talk with the listed company.
In this context, for an activist, holding a share is not an activation but a qualification.

いわゆる物言う株主が上場企業に対し物を言い始めるのは、その上場企業の株式のいくらかを実際に買ってからなのです。
この文脈においては、物言う株主にとって株式を保有することは、活性化ではなく、資格なのです。



In reality, a share of a company which is founded in the mother country is easier for an investor to buy
than that in an overseas country.

現実には、投資家にとって、
自国に設立されている会社の株式を買う方が海外に設立されている会社の株式を買うよりも容易なのです。