2019年11月14日(木)



「本日2019年11月14日(木)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」




Today (i.e. November 14th, 2019), 1898 legal disclosure documents have been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2019年11月14日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計1898冊でした。

 

 

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計331日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

 

 

 


【コメント】
昨日のコメントでは、教科書のスキャンと要点を記述することしかしなかったのですが、少しだけ補足をしたいと思います。
会社法改正案が2019年11月12日(火)に衆議院本会議で審議入りしたとのことですが、主なポイントは次の4点です。

○上場企業の社外取締役設置を義務化
○取締役会が役員報酬の考え方を決め開示する
○株主総会資料のインターネット提供を可能に
○株主提案権を1人あたり10までに制限

昨日のコメントでは、上記4点のうち「株主総会資料のインターネット提供を可能に」という改正ポイントについて考察を行い、
その叩き台として「電子公告」の現行の位置づけについて教科書の説明を手がかりに知識の整理を行ったったわけです。
その考察の中で、会社法の趣旨(会社の枠組みの設計)と金融商品取引法の趣旨(情報開示と投資家保護)の相違点について
「電子公告」を叩き台にして知識の整理を行いました。
すなわち、「『電子公告』に関しては、会社法上は会社は『電子公告』を自社ウェブサイト上で行わなければならないのだが、
会社法とは正反対に、金融商品取引法上は発行者は『電子公告』をEDINET上で行わなければならない。」という大きな相違点がある
わけなのですが、いざ「株主総会資料のインターネット提供を可能に」するとなりますと、実務上は
「株主は必ず会社のウェブサイト上で株主総会資料を入手できなければならない。」、という点が問題になります。
つまり、「株主は会社のウェブサイト上で株主総会資料の入手を試みたのだが、どんなに検索しても資料の掲載場所が不明であったり
サーバーがダウンしてウェブサイトにアクセスできない状態が続き、結局株主は株主総会までに資料を入手できなかった。」、
という事態が絶対に起きないようにしなければならないわけです。
紙媒体の官報(に掲載されている公告)を見ることができなかったということは絶対的にあり得ませんが、
会社のウェブサイト(に掲載されている公告)を見ることができなかったということは技術的に・現実にあり得るわけです。
会社法の条文の改正(言わば、概念の変更)だけではなく、その改正を実現するための技術的な手当ても同時に求められるはずだ、
というふうに昨日は思いましたので、「電子公告」を理解のヒントにして、当該改正点について考察を行ったわけです。
当該改正点以外の3つの改正点についても今日改めて考えてみたのですが、
3つの改正点はどれも上場企業を前提にしているところがあるなと私は感じました。
すなわち、3つの改正点はどれも、会社法の特別法という位置付けで金融商品取引法により規制を課するべき事柄である、
と私は考えます(つまり、これら3点は、会社法の改正ではなく、金融商品取引法の条文追加により実現を図るべき事柄である、と)。
1点目は改正案そのものに「上場会社は社外取締役を置かなければならない」と明記されているとのことですが、
上場企業を規制の対象とするのならば、それこそまさに金融商品取引法により規制を実現せねばならない分野ということになります。
2点目については、確かに非上場企業にも多少は関連がある事柄とも言えますが、金融商品取引法に定義される有価証券報告書を
念頭に置いた改正である、というふうに私には思えます(この改正点もやはり金融商品取引法で対応を取るべき事柄でしょう)。
そして4点目もまた上場企業に特有の問題点であると私には思えます。
上場企業とは異なり、そもそも非上場企業では「株主は取締役に業務執行の委任を行う。」という側面が極めて強いのです。
すなわち、非上場企業では、株主は取締役に業務執行の委任を行っているからこそ、株主提案権を行使しようという株主は
極めて稀である(株主は会社の業務にこの世で最も詳しい人物に委任を行っており、提案をする余地はないと言える)わけです。
また、株主は自分が直接によく知っている人物を取締役として選任し円満・円滑な事業運営がなされることを皆望んでいますし、
株主同士も顔見知り・仲間内であることが実務上はほとんどです(つまり、不特定多数の人物が株主なのでは決してない)。
つまり、そもそも1人で10以上もの株主提案を行いみだりに株主総会の審議を滞らせ進行を妨げようなどと企む株主は
非上場企業には実務上はいない、と言っていいわけです(非上場企業では株主間の利害は一致していると言っていいのです)。
一言で言えば、会社の株主が不特定多数の人物であるからこそ、株主総会を混乱させようとする輩(愉快犯)が出て来得るのです。
コーポレートガバナンス(企業統治)だの株式市場の透明性だの市場の信頼性だの、それらは全て証券制度に関する話です。
昨日紹介した2019年11月13日(水)付けの日本経済新聞の記事は、会社法ではなく金融商品取引法の改正案であるべきなのです。