2019年11月7日(木)



「本日2019年11月7日(木)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. November 7th, 2019), 500 legal disclosure documents have been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2019年11月7日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計500冊でした。

 

 

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計324日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

 

 



2019年11月7日(木)日本経済新聞
JR九州の自社株買い方針 米ファンド「歓迎」
(記事)





ファーツリー・パートナーズがJR九州の株主総会に向けて開設した専用ウェブサイト↓


A Better Way for JR Kyushu (Fir Tree Capital Management L.P. )
ttps://www.abetterwayforjrk.com/

>本ウェブサイトおよび本ウェブサイトに掲載される情報は、九州旅客鉄道株式会社(以下「JR九州」といいます。)の株主の
>皆様を対象としています。ファー・ツリー・キャピタル・マネジメント・エルピー(以下「ファーツリー」といいます。)は、
>JR九州の株式を保有するファンドの投資運用会社です。

 


ファーツリー・パートナーズはJR九州に対して自社株買いなど6つの株主提案を行っていたのですが、
2019年6月に開始された定時株主総会では結局欠席した(会社法上は株主名簿に記載がなされていないため)とのことです↓。


米ファーツリー、JR九州の総会欠席

JR九州の大株主となっている米投資ファンド、ファーツリー・パートナーズがJR九州が21日に開く株主総会に欠席することが
19日、明らかになった。ファーツリーは総会で株主提案しているが、総会で発言することが認められなかったことが理由という。
JR九州はファーツリーが株主名簿に記載のない「実質株主」であるため、発言を認めないとしている。
実質株主の総会出席の可否は会社法上は規定がない。
JR九州は上場企業などでつくる「全国株懇連合会」が策定したガイドラインに基づき、実質株主は総会の傍聴のみ認めている。
ファーツリーは同日、
「株主の権利の行使を妨げず、全ての株主が公開討議で恩恵を受けることを認める企業を称賛する」とコメントした。
(日本経済新聞 2019/6/19 18:48)
ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO46304680Z10C19A6LX0000/

 

H31.03.22 09:05
Fir Tree Value Master Fund, L.P.
変更報告書 発行: 九州旅客鉄道株式会社
(EDINET上と同じPDFファイル)

 

 



【コメント】
昨日のコメントで、九州旅客鉄道株式会社が行う自社株買いについての記事を紹介したわけですが、
今日の日本経済新聞に九州旅客鉄道株式会社が行う自社株買いについての記事が載っていましたので紹介します。
記事の冒頭を引用したいと思います。

>JR九州が100億円を上限とする自社株買いを2020年3月末までに実施する方針を発表したことを受け、
>同社の大株主となっている米投資ファンド、ファーツリー・パートナーズの投資責任者、アーロン・スターン氏は6日、
>「課題解決のための重要な一歩で、歓迎したい」とのコメントを発表した。

2019年6月19日付けの日本経済新聞の記事も紹介していますが、米投資ファンド、ファーツリー・パートナーズは、
計6つの株主提案を行っていたのですが、定時株主総会には出席しなかったとのことです。
その理由は、その名が株主名簿に記載がない(外国人だから株主名簿に記載できない)からであるとのことです。
この点について改めて考えてみるために、提出されている大量保有報告書をEDINETで検索してみました。
「Fir Tree Value Master Fund, L.P.」が「H31.03.22 09:05」に提出した
「変更報告書」から、参考になりそうな記述をキャプチャーして紹介したいと思います↓。

第4【提出者及び共同保有者に関する総括表】
1【提出者及び共同保有者】
(17〜18/19ページ)

2【上記提出者及び共同保有者の保有株券等の内訳】
(3)【共同保有における株券等保有割合の内訳】
(18〜19/19ページ)

【表紙】
(1/19ページ)

「変更報告書」をキャプチャーし自分なりの考察を記述しながら頭を整理していったのですが、結局のところ、
「外国人の氏名・住所も株主名簿に記載できるということではないだろうか?」という結論に私は辿り着きました。
そうでなければ、その外国人はEDINETに法定開示書類を提出することもできない(法律上書類提出者になれない)からです。
法制度が整備され、金融商品取引法における外国人の捉え方と会社法における外国人の捉え方とは既に整合性があるのだと思います。
すなわち、「会社法上の株式の保有者(株主名簿上の名義人)=金融商品取引法上の株式の保有者(法定開示書類上の保有者)」
という取扱いになっており、この点において会社制度と証券制度とは互いに整合しているのだと私は思います。
私のこの考えが正しいならば、ファー・ツリー・キャピタル・マネジメント・エルピーは、実は、
2019年6月に開催された九州旅客鉄道株式会社の定時株主総会に出席をすることができた、ということになります。
結局のところ、この場合、書類の【氏名又は名称】の欄には、"Fir Tree Value Master Fund, L. P."と記載をするべきなのです。
「事務上の連絡先」は書類中に記載をすればそれで必要十分(連絡先が提出者の氏名・住所である必要は全くない)なのです。
また、私の創作ですが、"Fir Tree Capital Management"の社名の由来を考えてみました(大文字で書いた単語の頭文字を見て下さい)↓。

"Fir Tree Capital Management is a Fighting Investor against the Railway, but it Turned Round
and Enjoyed its Empty Capital thanks to the Mangement at the recent annual meeting of shareholders of the Railway."
(ファー・ツリー・キャピタル・マネジメントは鉄道会社と戦う好戦的な投資家なのですが、
先日の鉄道会社の定時株主総会では経営陣のせいでくるっと向きを変えて虚しい出資を享受することになりました。)

 

 


A person who has submitted this document is not Fir Tree Value Master Fund, L. P.
nor one of theese 7 joint holders stated but a Japanese lawyer working for a Japanese law firm.

この書類の提出者は、ファー・ツリー・バリュー・マスター・ファンド・エルピーでもなければ
記載されているこれら7名の共同保有者の1人でもなく、日本の法律事務所に勤務をしている日本人弁護士です。

 

Is each one of these 7 joint holders stated in this legal disclocure document
stated also in a shareholder register in their respective names?

この法定開示書類に記載されているこれら7名の共同保有者1人1人は株主名簿にもそれぞれの名前で記載されているのですか?

 

After all, even a person who has submitted this legal disclosure document has not become clear.
Or rather, a person who has submitted this legal disclosure document is
still "Fir Tree Value Master Fund, L. P." on the securities system, I suppose.
"Fir Tree Value Master Fund, L. P." has prepared this legal disclosure document.
The Japanese lawyer has submitted this legal disclosure document by attorney (i.e. the Japanese lawyer is an attorney).
All things considered, in my opinion, each one of these 7 joint holders stated in this legal disclocure document
is stated also in a shareholder register in their respective names.
If this my understanding is correct, each person (7 persons in total) from Fir Tree Capital Management L.P.
was legally able to attend the recent annual meeting of shareholders held in June, 2019 of Kyushu Railway Company.

結局のところ、この法定開示書類の提出者すら判明しません。
いや、というよりは、この法定開示書類の提出者は
証券制度上はやはり「ファー・ツリー・バリュー・マスター・ファンド・エルピー」なのだと私は思います。
「ファー・ツリー・バリュー・マスター・ファンド・エルピー」がこの法定開示書類を作成したのです。
日本人弁護士が代理人をもってこの法定開示書類を提出したのです(すなわち、日本人弁護士は代理人なのです)。
全てを考え合わせますと、私の考えでは、この法定開示書類に記載されているこれら7名の共同保有者1人1人は
株主名簿にもそれぞれの名前で記載されているのです。
私のこの理解が正しいならば、ファー・ツリー・キャピタル・マネジメント・エルピー以下計7名は全員
2019年6月に開催された先日の九州旅客鉄道株式会社の定時株主総会に出席をする法的な資格があったのです。