2019年9月18日(水)


「本日2019年9月18日(水)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」




Today (i.e. September 18th, 2019), 158 legal disclosure document has been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2019年9月18日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計158冊でした。

 

 

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計274日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火)
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

 

 

 



2019年9月15日(日)日本経済新聞
ウィーワーク、IPO強行へ 創業者の議決権抑制 投資家に配慮
(記事)

 




「ゼミナール 金融商品取引法」 大崎貞和 宍戸善一 著 (日本経済新聞出版社)

第2章 上場制度と発行開示
1. 株式公開(上場)の意義
(1) ベンチャー投資のエグジットとしての株式公開
(2) 公開企業化の意義
「56〜59ページ」 

 

 

 



【コメント】
米ウィーカンパニーが9月中の新規株式公開を強行する構えを見せている、とのことです。
会社が株式公開を強行する、という点が極めて珍しいなと思いました。
記事を読む限り、株式公開に反対しているのは会社の創業者(現在も会社の最高経営責任者)のようです。
当初の上場計画では、創業者に1株あたり通常の20倍の議決権を持つ種類株式を割り当て、株式公開後も経営支配権を維持できる
ようにするつもりであった(当初提出していた上場目論見書には当該種類株式の割り当てについて記載があった)ようですが、
募集や売出しに応募することを検討している投資家から次々と懸念が寄せられていたとのことです。
このままでは株式の上場(募集や売出しの引き受け)が円滑に進まない状況に陥ってしまったため、
米ウィーカンパニーは創業者に割り当てる種類株式の議決権を10倍に下げることを決定したとのことです。
創業者は現在も会社の最高経営責任者であるわけですが、本人は条件を変更した種類株式の割り当てには同意しているのだろうか、
とふと思いました。
「会社が株式公開を強行する」という言い方をしているということは、割り当てられる種類株式の条件変更には
何らかの反対があったということを意味しているようにも思いました。
創業者は条件変更に反対したのだが取締役会決議で条件変更を意思決定した、というような意味なのだろうかと思いました。
いずれにせよ、会社に対し上場を急がせる存在がいるとすれば、大株主である投資ファンドなのではないかと思います。
創業者自身は、今後も会社の経営を続けるということを鑑みれば、通常は、上場を急ぐ必要はないと考えるでしょう。
また、創業者以外の経営陣も、通常は、(自分が株式を所有していようがいまいが)上場を急ぐ必要はないと考えるでしょう。
簡単に言えば、「上場を急がせざるを得ない立場にある者」が会社に上場を急がせていると考えられます。
巨額の出資をしているソフトバンク・グループが上場を急がせているのかそれとも上場延期を求めているのかは分かりませんが、
理論上は、「業績の先行きが厳しいことを理由として」会社自身が上場を急ぐということはないと言いますか、
仮にそのようなことが現実にあるとすれば、まさにそのこと自体が投資家の利益を害する行為だ、と言わねばならないでしょう。


Who on earth makes a decision on making a share of a company listed in the stock market?

株式市場に会社の株式を上場させると意思決定するのは一体誰なのですか?

From a standpoint of a large shareholder like an investment fund, as it is generally understood,
risks of an unlisting are much greater than those of a low share price.
To make a share listed at a low price at an early time is much better than to make the share remain unlisted forever.
The proverb "Haste makes waste." goes, but, after some years have elapsed,
certain large shareholders like an investment fund get inclined to hasten an issuer along making its share listed
because they have been waiting for their stepping down from their investment.
As a fate of investment fund businesses in general, they have no choice but to divest their own share at the end.

投資ファンドのような大株主の立場からすると、一般にそう思われているように、
上場しないことのリスクは株価が低いことのリスクよりもはるかに大きいのです。
株式を永遠に非上場のままにしておくことよりも早い時期に低い価格で株式を上場させる方がはるかによいのです。
「急いては事を仕損じる」ということわざがありますが、何年間かが経過すると、
投資ファンドのような一定の大株主は株式を上場させるようにと発行者を急きたてたくなるのです。
なぜならば、それら大株主は投資から手を引くことをずっと待ち望んでいるからです。
投資ファンド業全般の宿命として、投資ファンドは最後には所有株式を売却せざるを得ないのです。