2019年9月7日(土)



「本日2019年9月7日(土)にEDINETに提出された全ての法定開示書類」



Today (i.e. September 7th, 2019), 0 legal disclosure document has been submitted to EDINET in total.

本日(すなわち、2019年9月7日)、EDINETに提出された法定開示書類は合計0冊でした。

 

 

 


2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計263日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜2019年8月31日(土))
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その3(2019年9月1日(日)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/201909/PastLinksWithASummaryOfEachComment3.html

 

 


2019年8月20日(水)日本経済新聞
米バークシャー 初の円建て債 来月、最大1000億円超
(記事)




2019年9月7日(土)日本経済新聞
バークシャー、円建て債 社債6本、計4300億円 海外企業最大
(記事)



 

BERKSHIRE HATHAWAY INC(EDGAR Search Results)
ttps://www.sec.gov/cgi-bin/browse-edgar?action=getcompany&CIK=0001067983&owner=exclude&count=40&hidefilings=0

(キャプチャー画像)




2019-08-19 06:09:46
BERKSHIRE HATHAWAY INC
Form 424B5 - Prospectus [Rule 424(b)(5)]
ttps://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1067983/000119312519223905/d783972d424b5.htm

(EDGAR上と同じhtmlファイル)



2019-09-06 06:11:55
BERKSHIRE HATHAWAY INC
Form FWP - Filing under Securities Act Rules 163/433 of free writing prospectuses
ttps://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1067983/000119312519239290/d779071dfwp.htm

(EDGAR上と同じhtmlファイル)




2019-08-05 06:07:15
BERKSHIRE HATHAWAY INC
Form 10-Q - Quarterly report [Sections 13 or 15(d)]
ttps://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1067983/000156459019028491/0001564590-19-028491-index.htm

 

 


【コメント】
バークシャー・ハサウェイが「円建て社債」を発行する計画である、とのことです。
2019年8月20日(水)も2019年9月7日(土)も、記事を読んで、「円建て社債」と書かれていましたので、
私は最初、バークシャー・ハサウェイは日本国内で社債を発行するものと思っていました。
他の言い方をすれば、私は最初、いわゆる「サムライ債」をバークシャー・ハサウェイは発行するのだろうと思いました。
それで、米国の法定開示書類閲覧サイトであるEDGARをざっと見て(十分には見ずに)、すぐに次のようなことを思いました。


As far as I can understand, Berkshire Hathaway has not submitted any legal disclosure documents
with relation to its corporate bonds which are scheduled to be issued inside Japan and to be denominated in yen.

私が理解できる限り、バークシャー・ハサウェイは日本国内でかつ円建てで発行される予定となっている自社社債に
関連する法定開示書類を1冊も提出していません。


ところが、バークシャー・ハサウェイは米国時間の「2019-08-19 06:09:46」と「2019-09-06 06:11:55」に
このたびの「円建て社債」に関する法定開示書類を計2冊EDGARに提出しています。
法定開示書類を読みますと、社債の募集形式は「Offering Format: SEC Registered」と書かれていまして、
日本語に訳すと「SEC登録型」の社債の募集ということになっています。
バークシャー・ハサウェイがこのたび発行を計画しています「円建て社債」は、発行価額自体は円建てではありますが、
純粋に米国国内で発行され米国国内で募集が行われる社債である、ということになります。
他の言い方をすれば、いわゆる「サムライ債」をバークシャー・ハサウェイは発行するわけでは決してありません。
バークシャー・ハサウェイがこのたび発行を計画しています「円建て社債」を日本国内の投資家(日本人投資家)が
購入することは実は想定していない、という言い方ができます。
バークシャー・ハサウェイがこのたび発行を計画しています「円建て社債」は日本の金融商品取引法には関係がなく
日本国内でこの社債を販売することはない、という旨の記載が提出されている法定開示書類にもあります↓。

Form 424B5 - Prospectus [Rule 424(b)(5)]
Notice to Prospective Investors in Japan
(Page S-ii)


2019年8月20日(水)の記事本文中の「国内の機関投資家」とは「米国内の機関投資家」を主に指しますし、
「投資家の需要や市場環境」とは「米国内の投資家の需要や市場環境」を主に指します。
そして、2019年8月20日(水)の記事本文中の「海外投資家」は逆に「日本人投資家」を主に指しているのです。
また、2019年9月7日(土)の記事本文中の「海外投資家」も「日本人投資家」を主に指しています。
2019年9月7日(土)の記事には、「日本の社債市場は海外に比べて小粒な起債が目立つが、今回はバークシャーが大型起債を
成功させた」という旨の記述がありますが、この記述は間違いです。
今回のバークシャーによる社債は、日本の社債市場で発行されたものでは全くありません(純粋に米国市場で発行されたものです)。
日本の証券会社が提供するサービス(取扱商品)次第では、日本人投資家もこの社債を購入することができる、というだけです。
引受手(購入者)に関する言及はありませんが、基本的には米国の銀行や米国の保険会社や米国の資産運用会社になるでしょう。
2019年8月20日(水)の記事も2019年9月7日(土)の記事も、「社債は日本国内で発行される」ということが記事執筆者の頭にある
のではないかと私には感じられるのですが、正しくは「社債は米国国内で発行される」という考え方になります。


 


脱線が長くなりましたが、話を元に戻しますと、バークシャー・ハサウェイが「円建て社債」を発行する計画である、と聞きますと、
「社債は日本国内で発行されるのだろう(いわゆる『サムライ債』が発行されるのだろう)。」、
と思ってしまったとしても直感的には間違いではないわけです(現に私自身も日本国内で発行されると最初は勘違いしました)。
それで、仮に「社債は日本国内で発行される」(日本国内の投資家を対象に社債の募集が行われる)となりますと、
バークシャー・ハサウェイが発行する社債には日本の金融商品取引法が適用されますし、
バークシャー・ハサウェイは日本のEDINET(金融庁)に法定開示書類(主には有価証券届出書)を提出しなければならない、
ということになります。
そして、その場合は、バークシャー・ハサウェイが発行する社債には米国の金融商品取引法は適用されませんし、
バークシャー・ハサウェイは米国のEDGAR(SEC)に関連する法定開示書類を提出する必要はない、ということになります。
仮に「社債は日本国内で発行される」という場合は、SECの規則上は、
バークシャー・ハサウェイは米国のEDGAR(SEC)に社債発行に関連する法定開示書類を提出する必要はないわけです。
実際には、「社債は米国国内で発行される」ということですから、
バークシャー・ハサウェイは、日本では法定開示書類を一切提出しておらず、米国でのみ法定開示書類を提出しているわけです。
バークシャー・ハサウェイによる法定開示書類の提出方法(日本では提出せず米国でのみ提出している)は、正しいわけです。
バークシャー・ハサウェイは、日本の金融商品取引法と米国の金融商品取引法(SECの規則)の規定には何ら違反しておらず、
バークシャー・ハサウェイの日米各国の法令順守に問題はないわけです。
ただ、このたびの事例を題材にして、私が今日ふと思いましたのは、次のようなことです。
「たとえバークシャー・ハサウェイが日本国内でのみ(日本人投資家を対象に)当該『円建て社債』の発行と募集を行うとしても、
バークシャー・ハサウェイは米国において日本国内における社債発行に関する何らかの法定開示書類を提出する必要がある。」
バークシャー・ハサウェイがこのたび米国において(EDGARに)提出した法定開示書類は「prospectus」(社債発行趣意書)ですが、
私が今提出を義務付けるべきではないかと提案している法定開示書類は言わば「prospect」(予想、見通し、前途、展望)です。
すなわち、バークシャー・ハサウェイが日本国内でのみ(日本人投資家を対象に)当該『円建て社債』の発行と募集を行う場合は、
米国人投資家に対して募集をすること自体は確かにしないものの、日本における社債の発行に伴い、
発行者である「BERKSHIRE HATHAWAY INC」(法人)の財務体質や債務の償還可能性に大きな変動が生じるわけです。
「米国人投資家に対する注意喚起」(発行済みの各債務の当初の償還可能性に変動が生じた旨の)という言い方になりますが、
社債発行自体は日本国内であっても、バークシャー・ハサウェイは米国内において何らかの法定開示書類を提出するべきなのです。
バークシャー・ハサウェイには、発行済みの社債があります。
バークシャー・ハサウェイが発行した社債(Notes)は、ニューヨーク証券取引所に上場しています。
バークシャー・ハサウェイが毎期提出している有価証券報告書の最初のページには、「SEC登録済みの有価証券」
(Securities registered pursuant to Section 12(b) of the Act)の一覧が記載されています↓。

Form 10-Q - Quarterly report [Sections 13 or 15(d)]
Securities registered pursuant to Section 12(b) of the Act
(Preface)


この「SEC登録済みの有価証券」の一覧は、"cover"(表紙)というよりは"preface"(序文)だと私は感じました。
「この有価証券報告書は次の有価証券を取引する投資家を対象としている。」という旨の"preface"(序文)だと私は思いました。
上記の有価証券報告書にはバークシャー・ハサウェイが過去発行した社債が10銘柄記載されていますが、
たとえバークシャー・ハサウェイが日本国内でのみ(日本人投資家を対象に)当該『円建て社債』の発行と募集を行うとしても、
これら10銘柄の社債の償還可能性に大きな変動が生じ得る(さらに、株式の本源的価値にも大きな変動が生じ得る)わけです。
米国における米国人投資家(発行済みの社債の保有者や既存株主や新たに投資を検討している投資家)の投資判断に資するために、
バークシャー・ハサウェイは米国において日本国内における社債発行に関する何らかの法定開示書類を提出する必要があるのです。