2019年8月12日(月)



2019年7月28日(日)日本経済新聞
株式公開 審査厳しく 日本取引所 証券会社などに要請
(記事)



「ゼミナール 金融商品取引法」 大崎貞和 宍戸善一 著 (日本経済新聞出版社)

第2章 上場制度と発行開示
1. 株式公開(上場)の意義
(1) ベンチャー投資のエグジットとしての株式公開
(2) 公開企業化の意義
2. 取引所の上場制度
(1) 上場基準と上場審査
上場基準とその意義
上場をめぐる規制緩和
【上場基準を設けない取引所市場】
「55ページ」 

「56〜57ページ」

「58〜59ページ」 

「60〜61ページ」 

 

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計237日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

 

 


【コメント】
昨日のコメントに一言だけ追記をしたいのと思うのですが、今日は「上場前からの株主」に焦点を絞って考えてみたいと思います。
1999年10月以前の伝統的な証券制度でもそうでしたし現行の証券制度でもそうなのですが、
「上場前からの株主」というのは十把一からげに取り扱われているわけです。
しかし、同じ「上場前からの株主」でも、会社の業務を執行しインサイダー情報を持っている株主(主に創業者ら)と、
会社の業務は全く執行せずインサイダー情報を一切持っていない株主(主にベンチャー・キャピタルら)とに大別できると思います。
前者の株主には厳しい株式売却制限が課せられるべきですが、後者の株主に同じ制限を課するのが過剰である場合もあります。
後者の株主は、上場時や上場後、自由に所有株式を売却できる(「売出し」を用いる必要はない)、という証券制度も
十分に考えられると個人的には考えます(下に私が作成した資料を紹介していますので、参考にして下さい↓)。
最近流行の「社外取締役」が分かりやすい例なのではないかと思いますが、インサイダー情報を持っているか否かの線引きについては、
「上場前から株主であったか否か?」よりも「会社の業務を執行していたか否か?」の方がより本質的であると私は考えます。
仮にベンチャー・キャピタルがインサイダー情報を持っているのならば、それはそれでインサイダー取引規制で対応を取る
ことにすれば、それで証券制度上必要十分であると私は考えます(創業者らと同じであると取り扱う必要性はないと考えます)。
それから、今日になって気が付いたのですが、米国で時々行われているようなのですが、いわゆる「ダイレクト・リスティング」は
伝統的な証券制度においても現行の証券制度においても日本ではできない、という結論(取り扱い)になります。


「理論上の『上場前からの株主』による所有株式売却の可否」

「PDFファイル」

「キャプチャー画像」





Whether or not a "shareholder since before a listing" can sell his own share in theory.

理論上の「上場前からの株主」による所有株式売却の可否


A shareholder who has held a share since before a listing of a company
does not always have insider information on the company in him.
For example, a venture capital can sometimes not be involved in an execution of operations of a company at all.
It is true that an investor directly meets and talks with directors of a company
when he intends to invest in an unlisted company,
but he sometimes trusts the directors with an execution of the operations in its entirety
or he sometimes doesn't know insider information itself at all.

上場前から株式を保有している株主が会社のインサイダー情報を持っているとは限らないのです。
例えば、ベンチャー・キャピタルは会社の業務執行には全く関与していないということが時にあり得ます。
確かに、非上場企業に出資をするという時は、投資家は会社の取締役と直接会って話をします。
しかし、投資家は業務執行は取締役に全面的に任せるということがあるのです。
すなわち、投資家はインサイダー情報そのものは全く知らないということがあるのです。