2019年6月29日(土)


2019年6月12日(水)日本経済新聞
米小売り、関税第4弾 備え 中国から調達・生産変更 値上げや在庫積み増しも
(記事)



2019年6月24日(月)日本経済新聞
米の中小企業、猛反発 対中関税第4弾 「黒字でも廃業」
(記事)



2019年6月27日(木)日本経済新聞
関税第4弾 米企業は「反対」 対中依存、スマホなど平均4割 「代替調達が困難」 公聴会
第4弾の発動 協議再開なら棚上げも トランプ氏 首脳会談後に判断
(記事)



 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計193日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

 

 



トランプ氏再選戦略、世界を翻弄 出馬を正式表明

【オーランド(米フロリダ州)=永沢毅】トランプ米大統領が18日、2020年11月の大統領選への出馬を正式表明した。
支持基盤である保守層を鼓舞しようと米国の分断をあおり、内政・外交問わず「米国第一」の政策を加速する再選戦略が
本格的に動き出す。なりふり構わず突き進む予測不能の「トランプ流」に世界はさらに翻弄されることになる。
18日、南部フロリダ州オーランドの会議場。トランプ氏が「米国をかつてないほど良くする。
それが2期目を目指して出馬を宣言する理由だ」と言明すると、約2万人の支持者からひときわ大きな歓声があがった。
「米国を偉大なままにする。決して失望させない」と力を込めた。
再選への柱は、16年大統領選と変わらぬ「米国第一」の政策だ。「中国が米国の雇用を盗む時代は終わった」。
トランプ氏にとって対中貿易不均衡の是正は、米国に雇用を取り戻したと支持者にアピールできる重要公約の1つ。
6月末の大阪での20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席に直接対応を迫る。
トランプ氏は首脳会談が不調に終われば、制裁関税の対象をほぼすべての中国製品に広げる構えも辞さない。
消費財を中心とした世界のサプライチェーン(供給網)への影響は甚大で、
企業は調達など事業戦略の大幅な見直しを余儀なくされかねない。
対立の度合いを増すイランへの締め付けも、大統領選と無縁ではない。トランプ氏の目には、重要な支持層である
米国内のキリスト教福音派の存在がある。米有権者の約25%を占め、親イスラエルの傾向が強い。
イランへの強硬色を強めるほど同国を敵視するイスラエルが歓迎し、米国内の票田の活性化につながるためだ。
民主党のオバマ前米大統領はイスラエルの意向を顧みず、イランとの核合意をまとめた。核合意を破棄したトランプ氏には
オバマ政権を否定する思惑もある。ただ、イランを追い詰めるその姿勢は中東情勢の先行きを見えにくくし、
原油相場も大きく揺るがしている。
米公共ラジオ放送NPRによると、トランプ氏が再選に向けて開いた今回の選挙集会は、レーガン大統領以降では
最も早い時期だったという。就任以来の集会も60回超と異例の多さで、政権運営よりも選挙重視の姿勢が浮かぶ。
トランプ氏は現職大統領として民主を迎え撃つが、
下院を野党の民主が制する「ねじれ議会」で政策面での実績をこれ以上積むのは難しい。
このため「想定される民主の候補を攻撃し続け、相対的に自身への支持を高める手法をとる」(共和のコンサルタント)という。
ノースイースタン大のウィリアム・メイヤー教授は「再選への最大のカギは投票日まで景気を維持できるかだ」とみる。
この約50年で再選に失敗したブッシュ(父)、カーター、フォード各元大統領に共通するのは、
経済政策の不手際や景気の低迷だった。
共和内には「トランプ氏なら、景気への影響を懸念して米中貿易戦争を早期に収束させる選択肢も排除しないだろう」
との見方もある。選挙最優先のトランプ流に拍車がかかり、政権運営の先行きを予測するのはさらに難しくなる。
(日本経済新聞 2019/6/19 17:01)
ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO46298270Z10C19A6MM8000/

 

 


アップル、中国への生産集中を回避 取引先に検討要請【イブニングスクープ】

米アップルが主要取引先に対し、iPhone(アイフォーン)などの中国での集中生産を回避するよう
要請したことが、19日分かった。アップル向けの中国生産のうち15〜30%を海外に分散するよう検討を促した。
米中貿易戦争の激化と中国の人件費高騰を受けリスクを分散する狙いだ。
アップルの調達額は10兆円を超え、同社製品の9割超は中国で生産されているもよう。今後、世界のサプライチェーン・・・
(日本経済新聞 電子版 2019/6/19 18:00)
ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO46294570Z10C19A6MM8000/

 

アップル、パソコン上位機を中国で生産か 米紙報道

【ニューヨーク=後藤達也】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は28日、
アップルは2019年秋に発売予定のパソコン「Mac Pro(マックプロ)」を中国で生産すると報じた。
台湾の広達電脳(クアンタ)に委託し、上海近くの工場で製造を始めているという。
旧型のマックプロは米国で組み立てていたが、中国は他のサプライヤーとの距離が近く、輸送コストが抑えられるとしている。
新型のマックプロは価格が1台5999ドルからで、アップルのパソコンで最上位機種だ。映画やゲーム業界のプロ向けの仕様で、
販売台数では主力機種ではない。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、
アップルの広報は「最終的な組み立ては製造工程の一部にすぎない」と述べ、引き続き米国の雇用を支えていると説明した。
米国は中国のすべての製品に25%の関税をかける考えを示しており、29日の米中首脳会談で関税発動の是非が交渉の焦点となる。
発動されれば中国で作られたアップル製品を米国に輸入する場合にも関税がかかる可能性がある。
トランプ米大統領はアップルに対し、iPhoneなどを米国で生産するよう再三求めてきた。
(日本経済新聞 2019/6/29 0:26)
ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO46754560Z20C19A6000000/

 

ファーウェイとの取引容認 トランプ氏表明

トランプ米大統領は29日、20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)の閉幕後の記者会見で、中国の通信機器最大手、
華為技術(ファーウェイ)への事実上の禁輸措置に関連し「アメリカ製品をこれからも売ることを認めていきたい」と述べ、
米企業によるファーウェイへの部品販売などを認める考えを示した。
「大量の米国製品がファーウェイのさまざまな製品に使われており、取引を続けてもかまわないと思っている」と述べた。
ただトランプ氏はファーウェイの安全保障上の懸念について「非常に複雑な問題だ。貿易協定でどうなるかを見ていきたい」
と付け加え、引き続き注視する考えを示した。「安全保障上問題がないところは、装備・設備などを売ってもいい」と述べた。
ファーウェイを米国製品の輸出を事実上禁じる「エンティティー・リスト(EL)」から外すかどうかを習氏との会談で
取り上げたか問われると、トランプ氏は「習氏とは話していない」と応じた。
「明日か火曜日に協議する」としたうえで「我々のゴールを見極めたい。安全保障上の問題がある」と述べた。
(日本経済新聞 2019/6/29 16:21 (2019/6/29 19:10更新))
ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO46772340Z20C19A6I00000/

 

 


【コメント】
昨日と本日(2019年6月28日(金)と29日(土))に「20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)」が行われた、とのことです。
トランプ米大統領はサミット閉幕後に大阪市内で記者会見をし、
「少なくとも当座は中国に対する関税を引き上げることはしない。新たな引き上げはしない。」と述べた、とのことです。
この追加関税は「第4弾」としばしば表現されていますが、
3千億ドル(約33兆円)分の中国製品への追加関税を先送りする方針を表明した、とのことです。
「第4弾」はその副作用・波及的効果として米国内の産業への悪影響が懸念されていたわけですが、一安心といったところでしょう。
ただ、トランプ米大統領は、記者会見の中で、
「中国はまもなく多くの(米国の)農産品を購入することになる。買ってほしい品目のリストを今後、中国に提供する。」
とも表明したとのことですので、米国の輸入超過状態(貿易赤字)を今のまま容認する意向は米政府はないのだと私は思います。
貿易(輸入金額と輸出金額)が均衡することは論理的にはあり得るとは言えますが、
各国が産出をし消費をする物品は極めて多岐に渡り需要と供給が一致することは現実にはあり得ないと言わねばなりません。
自由貿易を標榜するのならば貿易の不均衡が生じるのは(貿易赤字をどうするのかはともかく)現実には避けられないことだ
と言わねばならないと私は考えます(貿易の不均衡は自由貿易の副産物でしょう)。
米国は中国から工業製品を輸入しているわけですが、中国に対し米国の農産品を購入(輸入)するよう求めるというのは、
有り体に言えば「物々交換」であるわけです。
「物々交換」では経済(人々の生活その他)が成り立たないからこそ、社会には貨幣があるわけです。
物を所有している人が2人いるとして、一方が欲しい物と他方が欲しい物は一致しないことがほとんどです。
自分は相手方が所有しているある物を欲しいと思っているのだが、自分は相手方が欲しいと思っている物を所有していないので
相手方が取引(所有物同士の交換)に応じてくれない、という状況が「物々交換」では生じるわけです。
「相手方が欲しいと思う物を共通化するために社会には貨幣がある。」、という言い方ができるわけです。
「物々交換」では取引が成立しません(つまり、人々の成立が現実には成り立ちません)。
ですので、共通の欲求物として貨幣を用いて人々は取引を行うことにしているわけです。
自分も貨幣が欲しいと考えますし相手方も貨幣が欲しいと考える、だから、取引を円滑に行うことができるのです。
以上のような人としての自然な欲求(つまり、貨幣を取引の媒介とすると取引が円滑に進むという現実)を鑑みますと、
貿易という場面において「物々交換」を試みる(相手方に提案や要求をする)というのはいかに非現実的か分かると思います。
理論的には、仮に中国が米国の農産品を欲しているのならば、中国は既に米国からその農産品を輸入しているはずなのです。
中国の買いたい品目のリストに米国の農産品は載っていなかった、だから、中国は米国から農産品を買っていないのです。
例えて言うならば、「輸入代金を支払うのは嫌だから代わりに農産品で支払いたい。」、と米国は中国に提案しているようなものです。
率直に言えば、自由貿易に貿易の不均衡はつきものだと私は考えます(「物々交換」が成り立つことは現実にはないのですから)。
「物々交換」が成立する時、自由貿易は均衡する貿易となるのです。
まあ、政治や外交や戦争の世界では、「物々交換」が成立するのかもしれませんが。
それから、サミットの前の話ですが、アップルは中国への生産集中を回避するよう取引先に検討を要請した、とのことですが、
その報道を見て、アップルは対中関税政策を見直すようロビー活動をするために先にワシントンに行くべきだと私は思いました。
また、2019年6月2日(日)のコメントでは、経営戦略や企業経営(生産者や商人)から見た視点として、次のように書きました。

>「輸出先国の国民や企業(さらには政府)が真に欲している物品であれば、
>輸出先国政府はその物品に関税や貿易制限を決して課さないはずだ。」

輸入割当と輸入制限は極端ですので今日は度外視しますが、関税というだけであれば貿易に影響はないという考え方もあります。
なぜならば、輸出先国の国民や企業(さらには政府)が真に欲している物品であれば、輸入に際しどれだけ多額の関税を課されても、
消費者はその物品に見合う対価だと判断し購入をするはずだからです(関税の結果最終価格が上昇しても消費者は買うはずです)。