2019年6月28日(金)


2019年6月21日(金)日本経済新聞
FINANCIAL TIMES
グローバル・ビジネス・コメンテーター ラナ・フォルーハー
GAFA規制 「鉄道」に解
所有と商取引分離 19世紀と状況酷似
(記事)

 



2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計192日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

 

 



新本店ビル施設「よかど鹿児島」に、鹿児島銀

鹿児島銀行は31日、建設中の新本店ビル内に設けるにぎわい施設の名称を「よかど鹿児島」に決めたと発表した。
鹿児島弁で「良い」を意味する「よか」ものが集まる施設として、
営業エリアである鹿児島県や宮崎県の飲食店などをテナントとし、観光振興の拠点を目指す。
にぎわい施設は新本店ビル2棟の1、2階部分に設けるもので、6月末に開業する本店別館ビル部分には15店舗、
2020年4月開業の本店ビル部分には31店舗が入居予定。
鹿児島銀では同施設にQRコードを使った独自のスマートフォン(スマホ)決済サービスなどを導入する予定で、
キャッシュレス化の推進にもつなげる考え。
(日本経済新聞 2019/1/31 17:00)
ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO40719850R30C19A1LX0000/

 


鹿児島銀、Payどん 6月27日開始

鹿児島銀行は独自開発したスマホ決済アプリ「Payどん」の取り扱いを6月27日から始めると発表した。
同行の普通預金口座を持つ個人が対象で、会費や手数料は無料。このほど事前の会員登録の受け付けを始めた。
同日開業する本店別館ビル(鹿児島市)の商業施設「よかど鹿児島」の14店舗での利用からスタートし、
順次、加盟店を増やす計画。
利用者は決済時にアプリにQRコードを表示し、店舗側が決済端末で読み取る仕組み。
支払い方法として、指定口座から即時に支払いを完了する「銀行口座サービス」と
指定口座からあらかじめチャージした同行独自の電子マネーを使う「電子マネーサービス」の2つを用意した。
システムにはインフキュリオンデジタル(東京・千代田)のウォレットステーション機能を利用しており、
鹿児島銀では利便性向上を目指して機能も追加する予定。
(日本経済新聞 2019/5/27 20:04)
ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO45318200X20C19A5LX0000/

 

 



鹿児島銀、完全キャッシュレスの商業施設を開業

鹿児島銀行は27日、新本店別館ビルに整備していた完全キャッシュレスのにぎわい施設「よかど鹿児島」を開業した。
開業式で松山澄寛頭取は「鹿児島特産のいい食材を使った店が入っており、鹿児島の食の文化を発信できれば」とあいさつ。
完全キャッシュレスについては「少し早すぎるかもしれないが、慣れてもらえれば便利だと思う」と述べた。
よかど鹿児島は鹿児島市の中心市街地、天文館エリアの一角で整備を進めている新本店ビル2棟のうち、
先行して完成した別館の1、2階部分に開設。飲食11店舗、物販・サービス3店舗が入居した。
支払いは同行が独自開発したスマホ決済アプリ「Payどん」や電子マネーなどに限定しており、現金は使えない。
キャッシュレス対応が難しい利用者に対してはプリペイドカードが購入できる自動販売機も設置した。
鹿児島銀では同施設を通してキャッシュレス決済の普及を促し、中心市街地のにぎわい創出にもつなげる考え。
訪日外国人(インバウンド)への対応として携帯型の自動翻訳機も配備している。
(日本経済新聞 2019/6/27 18:12)
ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO46656210X20C19A6LX0000/


「完全キャッシュレスの「よかど鹿児島」には飲食11店と物販3店が入居した(鹿児島市)」




 

鹿児島銀行、完全キャッシュレスの商業施設オープン

 鹿児島銀行は27日、鹿児島市の本店別館ビルに商業施設「よかど鹿児島」をオープンした。
施設内の店舗で現金は使えず、同行独自のQRコード決済アプリ「Payどん」や、クレジットカード、
電子マネーなどでの支払いのみとしたのが特徴。キャッシュレス決済の普及と、新たな賑わい拠点の創出を目指す。
(時事通信 2019年06月27日13時06分)
ttps://www.jiji.com/jc/article?k=2019062700644


「『よかど鹿児島』のオープニングセレモニーでテープカットする鹿児島銀行の松山澄寛頭取(右から3人目)ら
=27日午前、鹿児島市」

 

 


2019年4月24日
株式会社鹿児島銀行
本店別館ビルよかど鹿児島(賑わい施設)の開業について
ttps://www.kagin.co.jp/library/pdf_release/news20190424_031.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2019年1月31日
株式会社鹿児島銀行
鹿児島銀行新本店ビル賑わい施設の名称決定について
ttps://www.kagin.co.jp/library/pdf_release/news20190131_102.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




2019年6月13日
株式会社鹿児島銀行
新オリジナルキャラクター「くろどん」の決定について
ttps://www.kagin.co.jp/library/pdf_release/news20190613_086.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)

 


 


【コメント】
今日紹介している2019年6月21日(金)付けの日本経済新聞の記事("FINANCIAL TIMES"の特約記事)は、
一言で言えば、「独占」に関する記事であると言えると私は思います。
1990年に日本の独占禁止法について分かりやすく書かれた教科書を読んだことがあるのですが、
その教科書には、日本では銀行自身が一般的な事業(商業全般)を営むことは禁止されていると書かれてあったのですが、
米国では鉄道会社が一般的な事業(商業全般)を営むことは反トラスト法で禁止されている(もしくは、禁止されていた)、
と書かれてありました。
物流を担う鉄道会社が一般的な事業(商業全般)を営むと他の会社の事業活動を阻害する恐れがあるため、
米国では反トラスト法により鉄道会社は鉄道事業しか営めない、という規制になっていたわけです。
記事はこの点について、次のように書かれています。

>プラットフォーム(輸送手段を提供する鉄道各社)と商取引をする企業は分離しなければならない

日本の銀行(日本の独占禁止法)になぞらえて言うならば、次のようになるでしょう。

「プラットフォーム(資金を提供する銀行各社)と商取引をする企業は分離しなければならない。」

私の理解では、日本の銀行は、銀行法と独占禁止法の両面から、実務上は銀行業以外は営めないという規制になっていたのです。
銀行法では、預金者保護の観点から、銀行は銀行業(預金の預かりと担保を取った貸し出し)しか行えなかったはずです。
また、独占禁止法では、最終的には消費者保護の観点から、銀行は銀行業しか行えなかった(他の一般的な事業(商業全般)は
営めなかった)、という考え方になるはずです。
同じ「銀行は銀行業しか行えない。」でも、銀行法と独占禁止法ではその趣旨や利益保護の対象が大きく異なっている、
と言わねばならないわけです(それぞれの法の趣旨を整理して考えなければなりません)。
独占禁止法には「銀行はプラットフォーム(公共財)である。」(最終消費者の利益を守らねばならない)
という概念があるのだと思いますが、
銀行法には「銀行はプラットフォーム(公共財)である。」という概念は全くない
(守らねばならないのは純粋に預金者の利益であるという概念しかない)、という相違点が両法律にはあるわけです。
いずれせによ、私は2019年6月21日(金)付けの日本経済新聞のこの記事("FINANCIAL TIMES"の特約記事)を読んで、
1990年に日本の独占禁止法について分かりやすく書かれた教科書を読んだことを思い出しました。
ところで、今日はインターネット上の記事と株式会社鹿児島銀行のプレスリリースを紹介しています。
鹿児島銀行が建設を進めていた新本店別館ビルのにぎわい施設「よかど鹿児島」が昨日2019年6月27日にオープンした、とのことです。
鹿児島銀行が運営する商業施設「よかど鹿児島」の最大の着目点は、入居する飲食店など14店舗全てで現金が使えない
「完全キャッシュレス」という点である、と言いたいところですが、今日紹介した「独占」に関する記事を踏まえますと、
まさに「銀行が商業を営んでいる。」という点である、と言わねばならないと私は考えます。
一昔前であれば、銀行がこのような商業施設を開設して運営するなど、独占禁止法上絶対に認められないことでした。
「銀行業と商取引の分離」が独占禁止法の目指すところであったわけですが、時代は変わったものです。
「明治維新」から150年が過ぎたわけですが、株式会社鹿児島銀行は創業140年とのことです。
「明治維新」を主導した薩摩藩です。
完全キャッシュレスに銀行業と商取引の統合にと、株式会社鹿児島銀行は画期的な事業を起こしていますが、
「これが『令和維新』だ。」と言いたいのだろうかと思いました。

 

 


The keyword common with each other is "currency."

両者に共通のキーワードは「流れ」です。

 

The bank industry in Japan used to be required to separate banking services and commercial transactions,
whereas the railroad industry in U.S. used to be required to separate railroad services and commercial transactions.

日本の銀行業界はかつて銀行業と商取引を分離するよう求められていたのですが、
米国の鉄道業界はかつて鉄道業と商取引を分離するよう求められていました。

 

These articles on the new commercial facilities introduced today are
a typical example contrary to the basic principle on a monopoly.

今日紹介している新しい商業施設に関する記事は、独占についての基本的な原理に反している典型例です。

 

To put it in a vogue word these days, banks are a "platform" just as former railroad companies in U.S.

最近の流行り言葉で言えば、米国におけるかつての鉄道会社と同じように、銀行というのは「プラットフォーム」なのです。

 

It is true that the Kyushu Shinkansen was opened to a traffic up to Kagoshima
and that its stations have respective platforms in them,
but banks should be prohibited from operating commercial transactions on the principle of a monopoly.

九州新幹線は鹿児島まで通りましたし九州新幹線の駅にはそれぞれプラットフォームがあるわけですが、
銀行は独占に関する原理原則上は商取引を営むことを禁止されるべきなのです。

 

Figuratively speaking, it's a "separation of banking services and commercial transactions."

比喩的に言えば、「銀行業と商取引の分離」なのです。

 

 



A bank presidency of the Kagoshima Bank, Ltd. is brimming with an enterprise,
opening shops and opening commercial transactions.

株式会社鹿児島銀行の頭取は、店を開き商取引を始める気満々です。

 

The Kagoshima Bank, Ltd. had better only brim the "Satsuma Shochu" into a cup (not into cash).

株式会社鹿児島銀行は、「薩摩焼酎」を(キャッシュにではなく)コップに注ぐだけにしておくべきなのです。

 

A bank is thoroughly a "Kuroko" (a "supporter" in English).
It had not better market a "Kurobuta" ("black porks" in English).

銀行はあくまで「黒子」(英語では"supporter")です。
銀行は「黒豚」(英語では"black porks")を販売したりするべきではないのです。

 

Seeing this new commercial facilities inside the bank, Mr. Masatoshi Ito,
who was born in the Kagoshima Prefecture and founded Itoyokado, must weep over his hometown.

鹿児島県に生まれイトーヨーカ堂を創業した伊藤雅俊氏は、
銀行内にあるこの新しい商業施設を見て自分の生まれ故郷を思い泣いているに違いありません。

 

"Yokado" is a regional dialect in the Kagoshima Area meaning "good."
The origin of the trade name "Itoyokado" is "Ito (Masatoshi) + Yokado."
Mr. Masatoshi Ito doesn't come from the Tokyo Metropolitan Area, actually.

「よかど」というのは鹿児島地域の方言であり、「良い」という意味です。
「イトーヨーカ堂」という社名の由来は、「伊藤(雅俊)+よかど」なのです。
伊藤雅俊氏は、実は東京都出身ではないのです。