2019年6月8日(土)


2019年4月6日(土)日本経済新聞
「監査ビッグ4」英で解体論 議会が寡占問題視 質向上へ競争促す
(記事)


2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計171日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

 


【コメント】
今日紹介している2019年4月6日(土)付けの日本経済新聞の記事と昨日紹介した記事を題材にして、
また、昨日書きましたコメントも題材にして、昨日のコメントに一言だけ追記をします。
今日紹介している記事は、財務諸表には「無限定適正意見」が付されていたにも関わらず、
その後巨額の損失が表面化して破産申請に至った英国の事例(発行者も監査法人もどちらも大手)について書かれています。
この事例は、英国で巨大監査法人の改革議論が始まる発端となった出来事とのことですが、
証憑(会計帳簿や契約書)に照らして会計処理(仕訳)が全て正しいならば(証憑通りの財務諸表が作成されているならば)、
監査を行う公認会計士としては「無限定適正意見」を表明しなければならない、という考え方になります。
監査の目的は会計処理(仕訳)のチェックであって業務執行に関する不正発見ではない、という点には注意が必要でしょう。
それから、昨日コメントを書き終わった後にふと気が付いたのですが、現行の証券制度において、
発行者が株式公開時に募集も売出しも行わない場合は、有価証券届出書を提出する必要はなく、
有価証券報告書の提出だけでよいわけですが、その場合は新規上場時に2事業年度分の財務諸表しか開示しないということになる
のではないかと思いました(つまり、有価証券届出書を提出する場合のみ5事業年度分の財務諸表が開示されるのではないでしょうか)。
ただ、2014年に最近5事業年度から最近2事業年度分の財務諸表のみの記載に期間がわざわざ短縮された経緯があるようです。
次に、1966年以前の証券制度において発行者が株式を公開し募集・売出しを行う場合の実務上の手引(工程表)を
作成してみたわけですが、1966年以前の証券制度においては、財務諸表に「無限定適正意見」や「不適正意見」が付される
ということは原理的にありません(公認会計士自身が財務諸表を作成するのですから、適正な財務諸表以外あり得ないわけです)。
次に、1966年以前の証券制度において、発行者に常駐して財務諸表を毎事業年度作成する公認会計士が途中で交代をする、
ということについて考えてみました(病気や高齢や死亡を理由に公認会計士が交代をすることは現実に考えられるでしょう)。
公認会計士が交代をするという場合、有価証券報告書に記載される財務諸表の作成者が財務諸表間で異なる、さらには、
事業年度の開始日と事業年度の終了日で発行者に常駐している公認会計士が異なる、という事態が生じるわけですが、
そのことは証券制度上(投資家保護の観点から)問題はないだろうか、とふと思いました。
仮に公認会計士が交代をするとしたら事業年度の終了時点で交代をする、という交代方法しかないだろうと思いました。