2019年5月29日(水)



2019年5月29日(水)日本経済新聞
LIXIL、委任状争奪戦へ 取締役候補10人 会社側提案決定
(記事)





最新IRニュース(株式会社LIXILグループ)
ttps://www.lixil.com/jp/investor/ir_news/


株主総会(株式会社LIXILグループ)
ttps://www.lixil.com/jp/investor/ir_event/meeting.html

 

 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計162日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜2019年4月30日(火))
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

各コメントの要約付きの過去のリンク その2(2019年5月1日(水)〜)
http://citizen2.nobody.jp/html/201905/PastLinksWithASummaryOfEachComment2.html

 

 



【コメント】
株式会社LIXILグループは6月25日に定時株主総会を開催する予定となっているわけですが、
会社側が提案する取締役候補者は既に公表済みの候補者10名とすることが決まった、とのことです。
株主総会招集通知には、会社側が提案する取締役候補者として既に公表済みの候補者10名を記載することにしたとのことです。
そして、前最高経営責任者らからの株主提案(取締役候補者8名)も株主総会招集通知に記載するとのことです。
記事には、委任状争奪戦へ突入することになったと書かれていますが、
2019年5月17日(金)のコメントで紹介しています同日付の日本経済新聞の記事に書かれていますように、
株式会社LIXILグループの取締役の定員(定款上の取締役の最大員数)は「16名」とのことです。
選任議案では候補者は2名が重複しているので、双方の候補者は計14名という状況なのですが、記事は次のように書かれています。

>定時総会で14人全員が取締役に信任される可能性もある。

取締役の定員に余裕があるということになりますので、ある意味円満な取締役の選任ということになるとも言える気がします。
取締役の定員は「16名」なのに会社側は10名しか取締役候補者を提示しないというのもおかしな気がします。
取締役は業務を執行するということから考えると、会社は事業を縮小する計画を持っている、とも解釈できるでしょう。
取締役は"individual"な存在ではありませんので、株主総会招集通知の選任議案は次のように記載をするべきでしょう。

第1号議案 取締役10名の選任の件(会社提案)
第2号議案 取締役8名の選任の件(株主提案)
注:第1号案と第2号議案は、どちらか一方だけに賛成票を投じるようにして下さい。

それから、「株主総会の会場では、取締役は株主側の席(客席の最前列)に座って株主総会に積極的に参加をするべきである。」
という趣旨の記述を以前何かの本で読んだことがあるのですが、その考え方は旧来の委員会設置会社での考え方である
ということになるのだろうと思います(執行役が業務を執行し株主総会では議事を進行するという場合の考え方になるでしょう)。
日本における伝統的な監査役設置会社では、上記の文の「取締役」を「監査役」に置き換えて考えるべきなのです。
株主総会の会場の見取り図(監査役の着席場所)を描きましたので参考にして下さい↓。

「株主総会では、監査役は最前列に座るべきである。」

それから、昨日のコメントの追記になりますが、「1966年以前は公認会計士が財務諸表を作成していた。」という考え方を応用すれば、
取締役が財務諸表を作成するのではなく、「監査役が財務諸表を作成する。」という考え方もあると思います。
ただ、「投資家保護の観点から、株主からも独立した人物が財務諸表を監査するべきである。」という考え方に基づけば、
財務諸表自体は取締役が作成し、公認会計士がその財務諸表の監査を行うという考え方もあるとは思います。
その場合は、証憑が真正であることを保証するため、業務執行の結果日々発生する証憑は監査役が常に保管することにし、
公認会計士は監査役の協力の下財務諸表の監査を行っていく、という証券制度が考えられると思います。
証券制度上公認会計士による監査を所与のこととしますと、「証憑の保管は監査役が担う。」、という対応策が考えられるでしょう。


In consideration of interests of shareholders, Company Auditors should seat themselves
in the front row of seats or directly in front of a stage at a meeting of shareholders.

株主の利益を鑑みれば、株主総会では、監査役は客席の最前列にすなわちステージの真正面に座らなければならないのです。